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「旅がもし人生に似ているのなら」
沢木耕太郎の「深夜特急」
旅人の中では、言わずと知れたバイブルだ。
ただ深夜特急を読みながら旅をするなんて、ベタすぎるかなぁ・・・と思っていたのだけど、ローマの宿の本棚に、この間行った国と、ちょうど次に行く予定の国について書かれた「深夜特急5」があったので、読んでみることにした。
ひとり旅というのは、本当に気の向くままに過ごせるところがいい。
「旅がもし人生に似ているのなら」
本の中に、そんな一節があった。
旅に出る前だったら、なんだそれうさんくさい、と思っただろう。
けれど、今こうやって2ヶ月近く、数カ国の旅をしてきて、旅と人生を重ね合わせてしまう筆者の気持ちが、少し分かるような気がする。
この世界一周の旅の中で、感じたことのひとつ。
誰かとする旅の、楽しさ。
1人で旅するからこその、楽しさ。
もし人生を旅に例えるなら、「結婚」という選択は、「ふたり旅をしよう」という約束かもしれない。
そういえば、年頃の、何人かの友達が同じことを口にしていた。
結婚した方が幸せなのか。
生涯、一期一会の出会いを楽しみながら、気ままにいることがいいのか。
答えはわからないけれど、
それはどちらがいいか比べられるものではなくて、
きっと、ただ人生の楽しみ方がちがう、ということなのだと思う。
もし「ふたり旅する」ことに決めたのなら、
もしずっと一緒に旅すると決めた人がいるとしたら、
自分の向く方向と、その人の向く方向が、だいたい同じなら、きっと居心地がいい。
ベクトルがまったく逆の人もいるから。
南に行こうとしているとき、わたしの足を北側に引っ張る人もいる。
南向きが、南南東でも、南東でもいい。
ペースが似ていれば、それはきっと、一緒に旅をしていて、居心地がいいんだろう。
そして、一緒に旅すると決めたなら、どちらも自立していることが必要だなぁと思った。
片方だけではなく、どちらもガイドブックをもつこと。
今日は何をするか、何をしないのか、どちらも自分の意思と、考える頭をもつということ。
その上で、相手に合わせる姿勢をもつ。
自分が自立していなければ、相手の世界を尊重できない。
どちらがだけがどちらかに依存するでもなく、
どちらかだけが道案内するのでもなく、
ただ苦手なことを補い合い、楽しいことを共有し、情報や気づきを倍にする。
それができなければ、1人でいた方がお互いのためなのかもしれない。
私が旅で、トラブルに巻き込まれたとき、そのとき、旅友だった人は、マイナスな状況に対して追い打ちをかけるように、さらにマイナスなことを言っていた。
分かるけど… 今、それ言っちゃう~みたいな。。
理解できなかった。人によって、思考回路はこうも違うものか。
やるべきことは自分でやる。わかってるよ。何とかするしかないんだから。
私は不安で仕方ないその状況の中で、
ただシンプルに、
「大丈夫だよ。」
って言ってほしかった…
でもその人の言葉は、残念ながら、言われれば言われるほど、心が乱されるだけだった。
その晩、泣きながら大切な人に国際電話した。深夜0時。
「これから寝たら、朝が来るから。今はいっぱい泣いてもいいから、明日になったら、また前を向くんだよ。」
そして、やっぱり、言ってくれた。
「大丈夫。何とかなる。」
たくさんの言葉はなかったけど、喉から手が出るくらいその時ほしかった言葉を、ちゃんと言ってくれた。
泣きながら、でも、なんだか安心して、眠りについた。
その時、自分の想ってきた大切な人を、やっぱり大切な人だと確信した。
やっぱり、この人なんだ。
旅は、人生の縮小版じゃないかと思う。
何かを得るということは、何かを失うということ
次の国への旅に出発するということは、その前の国を捨てるということ
スムーズにいったということは、試行錯誤する楽しみを失ったかもしれないということ
ふたりでいるということは、ひとりでいる自由を失ったということ
ひとりでいるということは、二人でいるぬくもりを得なかったということ
ひとつひとつの選択の中で、日々は進んでいく。
できるなら、その選択を自分の意思でできるように、結果がどうあれ、納得した道を進んで行けるようでありたい。
旅は、楽しいもの
だから、トラブルさえも、楽しくなる。
もちろん苦しいけど、また、ひとつ勉強した、と思う。
私、本当に思う。旅が好き。
人生は、楽しいもの
そう思っていれば、きっと色んなことが楽しくなるのかもしれない。
自分の人生は、自分にとって好きなものだと思えれば。
ごはんと、睡眠は、基本。
元気があれば、何でもできる ^ ^
時々、音楽があると楽しくなる。
元気のないときは、少し休まなきゃいけない。また元気をつけるために。また、元気になって、旅を続けるために。
だって、旅は楽しいに決まってるから!
本当に、何があったって、旅の中だと楽しくなっちゃうんだから、自分でも驚く。死ぬことと本当の身の危険以外は、全てが楽しいと思う。
人生に迷ったとき、この旅を思い出そう。不思議と答えが出てくる気がする。