見出し画像

心臓カテーテルアブレーション手術④

 入院の日、じじばばと子供たちに見送られ、主人の運転で病院へ。母子共に少し涙が出た朝でした。

 水曜日の祝日。帰宅は土曜日。短いようで、とても長い。
 たまたま空いていた個室へ入院しました。明日に備えて、しっかり休んでくださいと言われましたが、実際は機械の音や他の患者さんの声でほぼ夜も眠れず、寝不足と緊張のまま手術日を迎えました。

 手術はお昼過ぎなので、昼と夜は絶食。
 だから朝食が今日の最後のご飯。朝ご飯をありがたくいただこう!と考えていた私にまさかのハプニング発生。
 なんと病院側の手違いで、朝食が来ませんでした…(涙)看護師さんが売店に買いに行ってくれたジャムパンがその日最後の食事。
 朝ごはん、食べたかった(笑)

 お昼頃、手術着に着替え、主人がやってくるといよいよ緊張感はMAXに。
 緊張する、という私に「なんで。ママは寝てるだけじゃん?」と主人が笑いを誘います。でも緊張するんだよ~!と言い合っていた最中、看護師さんが「行きましょうか」と車いすを押してきました。
 3人でエレベーターに乗り、五階へ移動。
 手術室前で車椅子から降りるよう促されます。
「ここからは自分の足で行ってください」
 ついに手術室前に自分の足で立つ時が来ました。これが結構な恐怖心で、脳裏にはなぜだか「自分の足で処刑台へ」という物騒なワードが!
 そんな私に気づいた主人がおもむろに手を握って「頑張れ」と笑顔の一声。
 こういうの、本当にありがたい。

 手術室の中は静かで、たくさんのモニターや機械と細長いベッドがひとつ。
 まるでその場所だけ時が止まっているみたいに、空気の流れもない、微かな電子音のする無機質な空間。
 促されるまま手術台へ上がると、まず手足に固定具を装着されました。まだ台への固定はされませんが、これから縛り付けられるんだという妙な不安感。
 ゆっくり仰向けに寝かされてから、ようやく先生が登場。
「頑張りましょうね~!」
 笑顔の先生。いや、私寝てるだけなんで、よろしくお願いしますと心の中でお辞儀。
「だんだん眠くなりますよー」
 白いモヤの出る酸素マスクみたいのを口の辺りに当てられ、眠くなるのを待つ私。
 以前から全身麻酔の「落ちる瞬間」が気になっていましたが、あれ?眠くならんぞ?まだか?と思ったあたりで先生が「筋弛緩剤」と指示。あ、それってドラマとかで殺人に使うヤツ(笑)と思った所で意識が途絶えました。

 次の瞬間「手術終わりましたよ~!」と起こされました。
 いつか読んだ記事には「ぐっすり眠った後のような感覚」と書いてありましたが、私は「まだ寝たりない。いつもの朝だ」という感じ。
 そして喉が痛くて痰がたくさん出て、あとはとにかく寒かった!
 そのうち主人の顔が見えてホッとしたのを覚えてます。

 それから病室へ戻って、6時間の絶対安静。ネットで見て身構えていましたが、これが本当に辛かった💧
 体が痛すぎて、でも自分では動けず。
 昔の祖父母の介護の頃を思い出しました。
 いつも看護師さんが寝返りを打たせる度に「うう!ううぅ~!」と痛そうにうめいてたのですが、全く同じ声が出た。。
 お爺ちゃんもお婆ちゃんも、こんなに辛かったんだ💦と、また一つ知らなかった人の感情を学びました。

 話は戻りますが、絶対安静が解けた後も次の日の朝9時まではベッドからは動けないという辛さ。
 リモコンでベッドを起こしたり飲食はできますが、少しでも動くと腰に激痛が(笑)
 しかも電気毛布の重さと足のポンプでうまく足を動かせず、腰の痛みで一睡もできぬまま朝を迎えました。

 午前9時過ぎに先生がやってきて「うん、もう大丈夫だよ」とポンプを外してもらい、解放された私は21時間ぶりに病院の床を踏みしめました。
 すると面白いほど歩く感覚が戻らず、小鳥のような動きになって1人で笑っていたのが忘れられません🐥

 その日は朝食後に術後の診察へ。
 看護師さんに車椅子を押してもらい診察に回りましたが、ほぼ寝ていた気がします。

 その翌日も問題はなく、無事に土曜日に退院することができました。

⑤へ続きます

いいなと思ったら応援しよう!