輪島の海女と漁師一家を応援することを決めたハナシ その5
東京の事務所で、能登の早瀬家から預かってきた輪島塗の器を広げてみました。
深い光りの美しさ。手に持った感触も柔らかく…あ〜、これが本物なのだなぁと改めて実感。輪島に行って預かって来た時は、とにかく無我夢中でお預かりしてきたので、実感がなかったのですが、やはり輪島塗は凄い漆器でした。
販売会を前に、私も輪島漆器について少し勉強してみました。
そもそも、輪島塗はなぜ丈夫で高価なのか。
それは、気が遠くなるほどの行程を丁寧に経るからです。
まずは木地と呼ばれる木から器を掘り出す作業から始まります。原木を2〜3年以上置いたものを、ナタなどでお椀の形にし、おがくずを燃やした煙でくん煙乾燥します。
その後さらに1年ほど倉庫で自然乾燥を重ね、椀の形が狂わないようにするそうで、そこから、カタチを整えます。
輪島塗が丈夫な理由は、輪島の地の粉が使用されているから。地の粉とは輪島付近の小峰山から出る粘土を焼いて作ったもので、それを輪島塗の下地に用いることで輪島塗が丈夫になるようです。
そこからも、輪島塗は他産地には類を見ない行程を経るのですが、漆塗りは20以上。更に、100以上の丁寧な行程を経て完成する輪島塗。
毎日、日常使いで使っても、きちんと汚れを落とし拭きあげたなら30年は持つそうで、使わなければなんと1,000年以上持つと知り驚きでした。
漆のことをジャパンと呼ぶことは、前から知っていましたが、まさに日本の伝統技術のなせる技。
思いもよらないところからでしたが、私たちがある個人宅の輪島漆器一式販売手伝いをさせてもらうことになった訳ですが…。
販売会をするにあたり、絶対に必要なことは、この販売会についてのお知らせとお手伝いくださるマンパワー。
なんと言っても完全ボランティア。
お預かりした早瀬の輪島漆器は、最低限の経費を除き、全額義援金としてお渡しするのです。
能登まで取りに行った諸経費も、販売会の会場費(私たちのお店を完全にその期間締めて行う為、家賃持ち出し)も、もちろん私たちの持ち出し。
会場は、東京・根津にあるホピショップ。
私が25年上付き合い続けている、平和の民と呼ばれるアメリカ先住民族ホピ族の、日本で唯一となる専門店。10年前に根津にお店をオープンし、それ以来全国からお客様がお越しくださっています。コロナ禍は4年も店を開くことができないままでしたが、昨年ようやく再開。
ここは他でもない平和の民のスピリット宿る場所。この空間を、能登支援の為に使うのは、とても順当な気がしたのです。
お手伝いをしてくださる方々については、私が長年毎週発行しているメルマガやFacebookやInstagramでお知らせしたところ、ありがたいことに直ぐに数名の方々が手を挙げてくださいました。
中でも最多でボランティア参加してくださったのが、ワハハ本舗の佐藤さんと、元電通マン山本さん。
お2人ともほぼ同年代の男性であり、共に芸能や業界の人ということもあり、息もピッタリ。
思えばお2人とも我が家の次女あさひ繋がりのご縁です。
あさひは、一昨年秋、それまで10年所属していたワハハ本舗を卒業し、今はピンでコメディエンヌもして活動していますが、佐藤さんはワハハ本舗入りのきっかけを作ってくださった方。そして山本さんは、あさひが小学校1年生の時からの親友のパパ。
縁というものは、本当に不思議なものです。
お二人とも準備段階からずっとお手伝いくださり、色々運ぶ作業も数多くあり本当に助かりました。
そして、いよいよ6月7日(金)から16日(日)まで、販売会を開催できる準備を整え、あっという間に販売会初日がやって来ました。
続く…