帰国子女のための英語授業
オンライン英語講師の仁科綾子です。
これまで私が担当した生徒さんのうち、インターナショナル校の生徒さんがおられます。今回はその方のレッスンについて綴ってみたいと思います。
では、本題へ…
生徒さんのプロフィール
担当開始時: 小6・2学期、英検準2級取得済み。5〜11歳在米。
担当させていただくようになった経緯
派遣の家庭教師として、ある企業に登録していた頃にご縁を頂いた方でインターナショナル小中高一貫校の生徒さんがおられました。帰国子女かつ帰国直後という状況から通常の受験指導とは趣が異なりますので、当時登録していた会社の方から、「『英語で英語を教える小学生対象の英語教室』の講師」(当時)である私にお声がけ頂いたのがご縁でした。
ここからは確かな文法知識が必須と考えましたが、こちらの授業で日本語の文法用語を使っても、通学している学校の授業との互換性が無くメリットがないと判断しましたので、以下の教材をつかうことにしました。
準2級取得済みで次は2級を目指して…という段階でしたので、赤の”for elementary learners “は使用せず、青の”for intermediate students”を使用しました。2級合格後、準1級を…という段階では、緑の”for advanced learners “を勧めました。学校での授業が進むに従って、苦手項目が出てきたら緑のGrammar in Useで補強するように伝えました。教材のレベル感はだいたいこんな感じです。
Appendixは、まず最初に使いました。基本的にはStudy Guideで未習の文法項目がないか、苦手な文法項目がないかをチェック。必要に応じてAdditional Exerciseを。解答の意図について話し合ったり、本編で重要事項を確認したり。
ご本人の希望で、TOEFL やIELTS対策ではなく英検受験を目指されました。
普段の文法以外の学習は次のサイトを活用しました。
この生徒さんにとっては、以前から馴染みのあるスタイルの教材だったようで、楽しそうにこなしておられました。
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漢字学習が十分でないと、日本の教材は使いづらい
2級合格後なら、文法書はこれとかあれとか…と私の頭の中にある書物は、すべて高校生以上の読者対象に書かれたものであって、この生徒さんのように「ついこの間まで海外に居ました」「どちらかというと漢字学習は苦手です」という方にはおすすめできません。当初は英和辞典も使用できず、Oxford Practical English Dictionary を使いました。本当は英英辞典を使いこなす方がずっと難しいはずなのですが、実に根気強く励まれました。私と一緒に辞書を引いて、内容を確認しながら授業を進めました。
一年ほどで英英辞典は、私のサポートなしで使いこなせるようになりました。
英検過去問題集の和訳・解説部分をどう読むか?
これら英検関連書籍、準一級レベルになると、おそらく読者を高校生以上と想定しておられると思われます。漢字学習が十分でない小学生が英検上位級を受けることを想定した書籍は、これまでのところ見当たりません。そこで、英語の授業に国語辞典が必要になってきます。しかも解説部分にルビが振ってあるものが必要です。
これです。
実は…
生徒さんが持っていたものを「コレ、いいね♪私も同じの、買うわ♪…と。
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例えば…logistics…『出る順パス単 英検準1級 書き覚えノート』には、和訳が「兵站」とあります。
…さすがに小学生用の国語辞典に兵站の意味はありませんでした。
そこで、「流通」と、調べてもらうことにしました。その後、ネットで調べた内容をこちらで補足説明…という流れになります。
語彙力強化を自力で…というのがなかなか難しい状況の中、この生徒さんは本当によく頑張って2級を取ったのです。この2級取得の過程で、漢字が多く使われている日本の過去問題集とどのように向き合うか、姿勢を身につけられました。
2級取得後は『ウィズダム英和辞典』
本来なら、3級取得後すぐにこの辞典を薦めたかったのですが、「英英辞典が使いこなせる」という強みが既にありましたので、特に急ぐ必要はないと判断しました。それでも、この辞書を使うメリットは絶大なるもので、準一級を目指すのであれば必須と考え、後に強くおすすめすることになりました。そして、ここで出会った用例がどのような文脈で使われているのか、YouGlishで検索する様に伝えました。
必ずしも英検合格一直線型の学習プランではありませんが、学校ではTOEFLを年1回受験することになっているそうですし、ここで本質的な学習法にアプローチしてもらいたいという想いから、「コロケーションと、それが使用されている文脈への意識」を持つようアドバイスしています。
その他、Thesaurusでsynonym(同義語)、antonym(対語)にも着目するようアドバイスしました。
この生徒さんのこれから
英検合格に向けて…というスタートでしたが、着実に、本質的な学習を続けておられます。こちらでも、ご本人の将来を見据えて、英検級取得のみにこだわった授業にならないように留意しています。
生徒さんのこれまでの人生を、これからもご本人が肯定的に捉えて、自分の強みを最大限に活かして、幸せに過ごされることを切に願って…微力ながらお手伝いさせていただいています。
今日はこれにて…
ではまた…
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