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リズム類型論【YouTube動画】

YouTube動画を投稿しました。
今回は「リズム類型論」についてです。

なんじゃそりゃ

言語学の分野のひとつです。
「言葉のリズム」について解説されています。
諸説ありますが、
大きく分けると3種類に分けることができます。

1、強勢(アクセント)拍リズム

英語のリズムになります。
アクセントに重きを置いている言語で、
アクセントがあるところだけ強く(長く)読むリズムです。

2、音節拍リズム

ポルトガル語のリズムになります。
音節に重きを置いている言語で、
全ての音節を均等の長さで読むリズムになります。

3、モーラ拍リズム

日本語のリズムになります。
「モーラ」とは「拍」という意味で、これは「1文字1拍」という考え方です。
5・7・5の歌は、モーラ拍リズムだから成立するものです。

ポルトガル語と英語の違い

簡単にいうと、
英語 … アクセントがあるところだけ長く、他は短い
ポル語 … 全ての音節を均等の長さで言う
ということです。

つまり、英語の感覚のままでポルトガル語を発音すると、
アクセントがないところの音節が短くなってしまうということです。

特に単語末は、切れがちです。
そもそも日本語も、語尾が間延びしない言語です。
ただでさえ単語の音を切りやすいクセがついているので、
ポルトガル語の音節を言い切れないまま終わってしまいます。

「4分音符♩分言う」

私は以前から「4分音符♩分言って」と申しています。
切りやすい日本語や、アクセントがない音節を短くいう英語では
8分音符分♪しか発音していません。
音の長さが足りないのです。
そういう方には「4分音符♩分出して」とお願いしています。
これが、結構分かりやすくて、効果的な指導になっています。

4分音符♩= 1
8分音符♪= 0,5

だと考えてください。

英語ができないので恐縮ですが、
動画では「バナナ」を例に、3言語の違いを解説しています。
アクセントはNAにあります。

英語
ba-NA-na
0,5 : 1 : 0,5
♪  : ♩ : ♪

ポルトガル語
ba-NA-na
1 : 1 : 1
♩ :♩ : ♩

このような違いがあります。

歌で足りなくなる

何よりも弊害が出るのが、歌ではないでしょうか。
あるはずの拍が脱落してしまいます。
言葉の拍が足りなくなって、メロディーの音符とずれてきてしまいます。
ポルトガル語のリズムが崩れるので、
音楽的な損失も大きいですが、
ポルトガル語の豊かさまでもが失われ、
せっかちな印象になってしまいます。

会話でも注意が必要

あるはずの音(0,5分)が足りないまま会話していると
詰まって聞こえたり、
ポルトガル語のリズムが崩れてしまうので、
聞き手が聞き苦しくなってしまう可能性があります。

「短く言う」と「早く言う」は違う

どれだけテンポが速い楽曲でも、
どんなネイティブの早口な言葉でも、
この「全ての音節を均等の長さで言う」という1:1:1のリズムは
決して崩れません。
早口すぎて歌えない!という歌詞でも、
音節の長さは必ず1(4分音符♩分)です。

無謀にも歌おうとする場面が出てくるかもしれませんが、
まずはこの「音節を均等の長さで言う」を身に付けてから
どんどんテンポを速くしていく練習をしてください。

──発音で、世界は変わる──
✼••┈ A sua professora ┈••✼
꧁愛マリアンジェラ꧂


著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
※共著

電子書籍 (すべてKindle Unlimited対応)
【ブログまとめ本】
『ブラジルとブラジル音楽とポルトガル語の話』
『ブラジルとブラジル音楽とポルトガル語の話2』
『ブラジルとブラジル音楽とポルトガル語の話3』

【ボサノバ発音解説本】
『「イパネマの娘」発音・文法・歌い方解説』

Kindle Unlimited会員(サブスク/月額会員)になると、上記の本は無料で読めます。

発音用語解説(note有料記事)

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