ブラジル音楽にポルトガル語学習が重要な理由
私は、ブラジル音楽専門の、ポルトガル語の発音の先生をしています.*˚✩
「音楽なのに、どうして発音が重要なの?」と思うかもしれません。
しかし言語は、私たちが思っている以上に、良くも悪くも無意識レベルで体に染み付いているものです。
母国語は「基準」
日本人の多くは、母国語を日本語1つしか持っていないと思います。
すると、その「たった1つ」が、世界の常識だと思い込んでしまいます。
私は方言も外国語の一種だと思っていますが、
(俳優業をやっていると、方言を持っている方が断然有利だと痛感しています。ネイティブにしか出せない絶妙な音色のバランスで、キャラクターを引き立ててくれます)
日本共通語だと思っていた単語や言い回しが
「これって方言だったの!?」と驚いた経験がある方も多いと思います。
方言を含め、どうしても、自分の「母国語」が基準になってしまいます。
つまり、全く違う言語であるポルトガル語を「日本語」の尺度で解釈してしまいます。
ポルトガル語のグルーヴ(ノリ)で書かれた楽曲を
日本語のグルーヴで読解しても、本当の意味で楽曲を理解したことにはなりません。
そして、音楽の勉強や鍛錬をある程度経てきたところで、行き詰まってしまうのです。
音楽をやっている方は「音楽」を勉強していますので、その原因が「言語」にあることに気付くことが難しいです。
発音を学んだら楽器の演奏まで激変した生徒さん
すごい生徒さんがいらっしゃいました。
私の父は、日本人ですが、サンバを演奏するギタリストです。
「なぜか最後の一歩、突き抜けられない」というギターの生徒さんがいると、父から相談がありました。
私はその生徒さんに、2時間、みっちりポルトガル語の発音のレッスンを行いました。
生徒さんは、発音の話を聞くことが新鮮な様子でした。
また、例えばeやoには閉口音と開口音があることは知っていても、
実際に自分ができているかは判断できなかったので、口元や身体の使い方も指導し、改善していきました。
すると、彼のギターの演奏が突然、変わったのです。
彼はそれまで、音楽の規律通りに楽器を演奏していました。
サンバのグルーヴや、ブラジル音楽の理論をきちんと理解し、忠実に表現しようとしているのに、「最後の一歩」が突き抜けなかったのです。
それが乱れ始めた瞬間がありました。
それは正しく、「ポルトガル語の発音」にギターを合わせた瞬間だったのです。
私は、驚きと感動で悲鳴を上げてしまいました。笑
発音のレッスンだけで、こんなにも変わるのかと。
ブラジル音楽は、「音楽」に「言葉」を合わせるのではなく、
「言葉」に「音楽」を合わせるのだと、この時に理解しました。
まあ、ブラジル音楽に限らず、すべての音楽に共通していることだと思いますが。
「ことば」のグルーヴ
人間は、いつの間にか「ことば」を習得しています。
学校での勉強ができない子供たちも、
(ブラジルでは、貧困により学校に通えない子供も多く、現在も非識字率が高いです。また、小学校から留年制度があります)
会話する能力は身につけています。
ポルトガル語を「母国語」として身につけてきた人たちには、彼らにしか分からない「ことばのグルーヴ」があります。
そんな波の中で生きている人たちが生み出した楽曲を、どうして日本語しか知らない私たちが理解できるでしょうか。
私の存在意義と使命
発音が上手くできないことにより、楽器演奏や歌唱において、
本当の魅力を発揮できていないミュージシャンやシンガーの方々をたくさん見てきました。
そういった方々にポルトガル語の発音や、言葉に関する重要性を理解していただきたいと思い、私は「ブラジル音楽専門🇧🇷ポルトガル語発音の先生」をやっています。
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣
自己紹介、とまではいきませんが、
こんな背景や自論がある人物であるというお話でした。
他の媒体(SNS、YouTube、podcastなど)で、少しずつ私の生い立ち、環境、素性などをお話ししています。
よろしければ他の発信元にも遊びにきてください*.゚
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著書
『日常ポルトガル語会話ネイティブ表現』(出版: 語研)
※共著
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