200円損した話


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3クラスある中学3年生の夏

キャラクターに見立てられ組み分けされる私たち。

それぞれのキャラクターは筋骨隆々の戦士だったり、眼鏡をかけた魔導師だったり、金髪碧眼の騎士だったり、黒髪ボブの巫女だったり、ロングヘアの生徒会長だったり、ぼさ髪を2つ結びした背の低い整備士だったり、赤毛三つ編みの魔女っ子だったり、

色んなゲーム、アニメのキャラクターが混ざりまくった設定だった。

ただ、整備士と魔女っ子がイラスト上あまりにも似すぎていて、自分はどちらかに割り振られているがどっちなのかよく分からないまま、話が進んでいる。

クラスの座席順に名前が割り振られているが、班の中の2人しか存在を認識できない。

教師が変わりばんこにやってきて私たちのクラスを褒めるのだった。

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シーンは変わってコンビニに。なぜコンビニなのかは分からないが、それが朝のできごとで、登校する前にお昼ご飯を買っているようだった。そこに見知った顔の男性。まさか今?と驚いた。彼は私が中学生の頃に抱いた淡い恋の相手だった。

コンビニのレジに並ぶ私に、『どれがいい?』とコンビニとしては珍しい、ミスタードーナツ形式のウィンドウが設置され、そこには美味しそうなドーナツが沢山並んでいた。私はいつものやつがそこにないことに気づき落ち込むが(そもそも初めて見たドーナツだったのにいつものやつがあるわけない)、その中でも1番近いものを選び、ホットのカフェオレもねだる。

コンビニを出て、カフェオレを飲みながら、彼と腕を組んで歩く(過去の幻想)。

校庭の野球場が見えてきた。野球場へと階段で降り、そこから体育館を経て教室に向かう。気づいたらわたしは1人だった。ドーナツもない。カフェオレもない。彼もいない。どこに行ったしまったのだろうかと疑問に思うこともなく、私はただ歩いていた。

気がついたら列車に乗っていた。その列車1両は恐らくキャラクターを割りあて、分けられたグループなのだろう。男女混ざっていることからキャラクターがかたまらないように分けられたのだろう。列車の外にはお花畑が広がりとても幻想的だった。すると、グループの中の1人がおもむろにドローンを取り出した。そのドローンは今までに見た事のない形で、初めは球体だったが、プロペラの音を形状によって変えられるようで、教師に見つからないようにと次々形状を変えていき、最終的にはよく見る形状になり、列車の窓から外に飛び出した。

と同時に私の感覚がドローンと同化し、街並み歩く人々の頭上を通り過ぎていく。

それを楽しんでいた矢先、場面は突然地下街に移った。地下街にはたくさんのショップが立ち並び、私は後輩(現実世界での後輩)と歩いていた。フラミンゴの耳飾りを見ていた時、見覚えのある顔と出くわした。

1人は落語家、あとの2人はサッカー選手だった。3人は自分が芸能人であることに気づいて欲しくて、後輩に近寄って存在をアピールしていた。笑える。写真を撮ったりサインを貰ったりして話をしていると、今日の夜に食事会をするからおいで、参加費は100円だよ!と言われた。いや、100円ならもうタダでいいじゃないの。と心の中でツッコミを入れながらも、後輩分の100円も渡し、『他の芸能人と知り合えるかも』と淡い期待を抱きながら別れる。

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とそこで目が覚めた。200円損した。

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