上京日記 上京4か月目
東京に来たら、さも楽しいことがたくさん待っているものだと思っていた。確かに、なにかしらの催しものはどこかでやっているし、買い物するところだって、遊ぶところだってたくさんある。おしゃれなお店、かわいい雑貨屋さん、おいしいケーキ屋さん。それはもう、想像していた以上に楽しいことばかりである。
しかし、そんな楽しい楽しい東京で楽しく楽しく生きるために必要不可欠なものがいくつかある。
まずは、言わずもがな金である。
先立つもの、とはよく言ったもので、まずお金がなければどこにも行けない。行ったとしても何も買えないから楽しくない。
ウインドウショッピングは「なにかいいものがあったら買おうかしら」と考えながら見るから楽しいのであって、「これは素敵。でもどうせ買えねえし」と思いながら見て回ったところで楽しくもなんともない。
そんな時間があるなら、家で寝てた方が100倍有益である。
東京に前から住んでいた友人が、「休みの日はずっと家にいる。用がなければ家から出ない」と言っていて、もったいな!と思っていたけど、その理由が分かった気がした。
地元ではお金がなくても、近くの公園でベンチに座ってぼーっと花壇を眺めたり、ちょっと車を走らせて滝を見に行ってマイナスイオンを浴びてみたり、友達と庭で花火をしたり、いくらでもやることがあった。
大都会東京では、公園のベンチはおじいさんおばあさんだとか、子供とママさんのためのものになっているから、毎回空いてるわけじゃない。
てかそもそも公園が少ない。そして花が咲いている公園はさらに少ない。
滝になんて、電車に2時間くらい揺られないと辿り着けないし、1回満タンにしたくらいのガソリン代と同じ金額の電車代を取られたりする。
更に、庭で花火なんて論外である。そもそも庭がない。
その代わり、お金を払えば心地よいサービスを受けられる施設は豊富にある。例えばマッサージ店とか、オシャレなカフェとか。
お金の賢い使い方を勉強するには、結構良いのかもしれない。
あと、職場で人と関わるようになって、「柔軟な考えの人が多いな」と思った。
これは、私の周りに若い人が多いのも起因しているかもしれないけど、「これはこれ!」って意見を貫く系の人とか、「あれの時は必ずあのパターン!」って自分の中で確固たる答えを持っている人とかがあまりいなくて、「これはこうだけどこうした方が効率的だから違うやり方で」って合理的に考える人が多い気がする。
私はどちらかというと合理化しない意味ってないよね、って考えなので、わりとやりやすい。
上司が頭いいと、安心して仕事できる。ありがたい。
人の多さと家賃の高ささえなくなれば、サイコーの街なのにな、東京。
もうクローンで東京をもう1つ作ってしまえないのだろうか。
巨大な3Dプリンターを作って東京をもう一個どどーんと作って欲しい。
そしたら人口は半分になるし、家賃も多少安くはなるだろうし、めちゃくちゃ過ごしやすいじゃないか。ただ、2つのどちらかに人口が偏ってしまわないように、常に2つの東京を同期させて情報を最新にしていかないといけないけど。
とにもかくにも、長い人生、地元を離れて最先端の環境にいるのもわるくないかな、と私は思うので、これからも東京ライフを楽しみたいと思います。