DMBAコミュニティの価値
*別プラットフォームで運営していた過去の留学記を移行したものです(留学期間:2016-2018)
DMBAを卒業して1か月強、卒業生コミュニティの仲間入り。卒業生コミュニティの中心は勿論学校のあるサンフランシスコだけれど、南カリフォルニアにもある程度の卒業生がいるそうで。私たちの学年は約15%が南カリフォルニアを拠点に通っていた仲間たちです。この約1か月の間にも、卒業プロジェクトのメンバーがLAに来たり、卒業してから日本つながりで出会った後輩、そしてLAベースのクラスメイトとのランチとDMBAコミュニティに関わる機会がありました。
みんな異口同音に話していたのが、DMBAの精神をコミュニティ外に説明するのがとても難しいと言う事。デザインと経営の重なる領域には、工業デザイン、UX、ブランドマネジメント、コミュニケーション戦略、プロダクトマネジメントなどの専門分野があるけれど、それらを包括する考え方がシステムシンキングだったりデザインストラテジーであると私は理解しています。個々の専門分野は確立されたイメージやその肩書きを持った人がいるから分かりやすいけれど、包括する概念である「MBA in Design Strategy」領域についてはまだまだ浸透していないのが現実です。
在学中からも常に議論されていた事だけれど、DMBAの環境では何も言わなくてもしっかり共有されていた共通認識があって、同じ課題に取り組む仲間の姿があった。卒業後はみんなバラバラで個人戦?になる。こんなにも言語化する事が難しいとはねぇ。
米国では、スタートアップを中心にLean service developmentが実践されていて、プロダクトマネジャーを置くプロダクトチームが大分一般的になっています。プロダクトマネジメントに関わるセグメントには比較的スムーズに理解してもらえます。プロダクトの世界外に向けては、まずプロダクトマネジメントの分野を説明して、その中のどのあたりを信念にしてるかみたいな話をするようにしています。このプロセスもデザインプロセスのようで、最初の方に相手の仕事内容や背景を聞いて当たりをつけ、反応をみて調整していく感じですね。
私が一番興味があるのは、UXとプロダクトマネジメントが交差するような領域です。画面のUXを含むビジネス全体のデザイン。UXデザインでプロトタイプに落とすのはウエブやアプリの画面が主ですが、DMBAでやってきたのは画面や商品も含めたビジネスモデルの検証です。
先日、前職の先輩であるUXの専門家とも同じような話をする機会があったのですが、「UX デザイン」に含まれる領域を取ってもとても広がって来ていて、専門家の中にも設計を得意とする人や画面に落とす所が上手い人、またまたフロントエンドの実装を得意とする人と様々という現状のよう。米国では職種もだんだんと細分化されてきていて、ざっと数えただけでも下記の6種くらいあります。
・UXデザイナー
・UX/UIデザイナー
・プロダクトデザイナー
・UXリサーチャー
・UXアーキテクト
・UXエンジニア
ユーザー中心のプロダクト設計が浸透してきているからなのでしょうね。今後はきっと、もっと細分化・専門化されていくんだろうなぁ。スタンフォードをはじめとしたトップスクールもデザイン面に力を入れ始めているので、今年10周年のDMBAが20年を迎える頃には、「デザインストラテジー」もより広く理解されるようになってくるのでしょうかね。同じ信念を持つ人たちに会えたのは、私にとってDMBAの最高の価値です。
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