S4 R1 DMBAの卒業プロジェクト
*別プラットフォームで運営していた過去の留学記を移行したものです(留学期間:2016-2018)
いよいよ、大学院も最終学期に入りました!
学部も卒論はおろか、卒業プロジェクトと言えるようなものも無く卒業してしまったので、論文を書いた経験が無く。修論に恐れていましたが、DMBAも卒論はありません。代わりに、Venture Studioというスタジオのクラスで実際にベンチャーを立ち上げる事が、卒業プロジェクトになっています。そして、卒業式あたりに行う卒業展示会で、各ビジネスのブースを作り展示します。
去年の先輩の卒業展示の様子
ベンチャープロジェクトは、走りだしたばかりですが、全9チームの検討しているテーマがバラバラで面白い。NPOでも良いしBtoB BtoCでも縛りはありません。私たちは、Motherhood / Remote workのどちらかに進もうと初期調査をしている所です。次の授業で各々の進捗を聞くのが楽しみ。
ベンチャーを作るには、プログラムの核であるデザインプロセスは勿論の事、会計・ファイナンス・資金調達・マーケティング・プロトタイプ作成・環境負荷の検討などなどこれまでの授業での成果を全て活用していく必要があります。今学期は、並行してビジネス法と戦略の授業が進んでいるので、その分野もカバーされます。クラスの半分くらいは選択科目にMoney Strategyという投資関係のものを取っているので、資金調達に関する知識はそこで補強されるイメージです。
最終学期という事で、卒業後の進路も考え始めなければなこの頃。DMBAで学んだ事をまとめると何だろうと考えます。私の場合は、「ビジネスモデルを組んでテストするプロセス」をここで初めて踏んだので、ハイライトもその領域かなぁと思っています。LEAN STARTUPの手法と実践が一番近いかもしれません。後はグループワークからの学びです。いわゆる「リーダーシップ」とは少し異なる、フラットな組織でのリーダーシップやチームで動く事と、リモートでクリエイティブプロジェクトを進めるコツは掴めたのではと。
今盛り上がっているデザイン思考ももちろん、核として流れているわけですが、デザイン思考を専門に学んだとは思ってはいません。ユーザー中心のデザイン思考は当然意識するものの、そのフレームワークだけではビジネス的な視点が弱いように実感しました。多分、既にあるプロダクトの改善などにはデザインプロセスのみでも機能するのでしょうが、イノベーションを起こすなどという場合には、顧客中心姿勢とともにビジネスの実現可能性もとても重要です。私は、ビジネスに乗せる事ができる人になりたいです。と、なるとやっぱりビジネス寄りなのかな。
デザイン思考の課題点として気づいた事をもう1つ挙げると、どうしても近未来的な視点に留まることだと感じています。Strategic Foresightの考え方は、ブログで紹介した回数が物語るように私にとって衝撃でした。現在の顧客を観察したり課題の抽出元としているので、例えば20年後の未来に必要とされるビジネスは浮かんでこないと思います。せいぜい5年後かなぁと思っています。遠い未来を描くには、顧客以外を対象にしたもっと広範囲のリサーチや発想が必要だと考えます。
ちょっと前に友人とお話した際に「デザイン思考ができる」と言っていた事が、実はずっと引っかかっています。もちろん、ワークショップはとても大事なプロセスでそれをファシリテーションできる人材は必要です。でも、デザインプロセスは手段であって、目的ではないと思っています。なので、スキルセットとしては、「ビジネスデザイン」とか「プロダクトマネジメント」といった事になるんじゃないかなぁと。
デザインプロセスは、オンラインや短期の学校でも学ぶ事ができます。勘の良い方は、きっと数回プロセスを踏めばファシリテーションできるでしょう。それに対して、大学院で学ぶ利点はシステム思考だと思っています。サステイナビリティや、ビジネス面の事、実際に手を動かして数ヶ月に渡りプロトタイプすること、チームで数々のプロジェクトをこなす事。全てが同時並行で動くからこそホリスティックな視点が持てるのかなぁと。
そんな事を考えながら、最終学期乗り切ろうと思ってます!
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