53 缶ジュース科に属する子嚢菌類の子実体利用における今後の展望
培地のpHの違いで様々な種類のものが産み分けられるようで、酸性に寄ると炭酸飲料や果汁飲料、中性に近づくとお茶の類、アルカリ性に寄るとコーヒー、おしるこ、コーンポタージュ等が実る。
外殻の組成はいずれも等しくアルミニウムだが、内容物と培地のpHは完全に相関があるわけでもなく、なぜそうなるのかという仕組みの部分は未だに解明されていない。
それでもそうなっているのだからそうなのであって、どうすれば何が実るかについてはそれなりに経験の蓄積があり、いちご牛乳や発酵乳といった希少種や、カフェインやタウリンを含む高滋養種の産生もほぼ完全に統御されるまでに至っている。
現在は空気の澄んだ寒冷地や高地で大規模に生産されているこれら清涼飲料水だが、今後は超小型栽培施設による完全自動生産が計画されている。コンタミネーションを避ける目的からも自動化は好ましく、温湿度管理さえ徹底すれば放っておいてもよく育つのがよいところである。
この施設が世界的に普及すれば、培地の入れ替えだけが生産者の仕事となり、消費者はボタンを押すだけで生産物を購入できるようになるだろう。
自動販売機と仮称されるこの施設は現在懺悔室程度の広さのものが試作されており、さらなる小型化および実用化に向けて鋭意研究開発が進められている。
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