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女性社会起業家が見るニューノーマル社会(第3回:SOC travel Social Enterprise 第2部)

2020年9月21日 LEAP DAY プレイベントの第2部は、ベトナムのShu Tan さんとfrogs社 代表の山崎暁氏、AWSEN代表の渡邊さやかでパネルディスカッションを行なった。

質問1:本来、国・地域行政が行なうべきことをShuさんはされているように思う。本来、生きることが精一杯の状況下では、“地域のため” “人のために”思考が行かないが、なぜこのようなことができたのか。情熱はどこからきているのですか?

Shu) 私自身とても貧しく、11歳から物売りをしており、5年ほど経った頃この地元の人たちの状況を私が変えないと、と思った。確かに、ベトナムの人は家族思いであることもあり、一般的には思考が自分自身や家族に向きがちだが、私は起業して問題を解決したいと思った。「少数民族で教育をきちんと受けていないShuさんができるなら私も出来る!」と女性や少数民族の方が思ってくれるようなロールモデルとなりたいと思った。

質問2:ロールモデルとなる人はいますか?

Shu) 人としてはホーチミンがモデル。テレビなどを通し、彼を知った。ビジネスと言う観点ではロールモデルはいない。ただ地域の人を助けたいという思いで行なっている。

質問3:コロナの状況下で政府からの援助はありますか?ないとしたらどのように生活しているのですか?

Shu)  政府からの支援はない。ツアーガイドは通常は、農業と観光の半々で生活していた。現在は農業に注力している状況。やむを得ず。それでも10人ほどのスタッフはおり、貯金を崩しながらも給与の支払いを続けている。本当にこのような状況に対し、準備不足だった。今出来ることはまた観光客などがもどってくるときのために準備することだと思う。

質問4:スタッフは他民族とのことだが、コミュニケーションに問題はないですか?どのような工夫をしていますか?

Shu)  他民族ではあるが、みんなベトナム語を話すことはできるので、コミュニケーションは取れている。確かに文化はことなるが、ベトナムの80%“キン”と呼ばれる民族であることもあり、特に対立はない。それよりも世界中が応援してくれているボランティアの方々とのカルチャーギャップの方が大変。

質問5:Shuさんのミッション・ビジョン・行動指針について教えてください。

Shu)  学校でツアーガイド教育を行う中で、ミッションなどを伝えている。またその他にはSNSの発信や、私達の活動をみて、地域の人が賛同してくれていたりすることで、ミッションの共有されたコミュニティができていると思う。

質問6:チームビルディングで困ったことはありますか?その対処法は?

Shu)  ある。社会起業家がコミュニティから理解されることははなかなか難しく、反発する人もいる。またチームメンバーの教育レベルや、給料をたくさん払えない中で満足度の違いなど人によって異なるため、その中でチームビルディングをしていくのはとても難しい。明確な答えはないが、今私ができるのはみんなに対し、家族のように振る舞うことだと思う。

質問7:Shuさんが行うことに反対する人がいたと思うが、どうやってモチベーションをキープしましたか?

Shu)  自分が成し遂げたいことを伝え続けるのと、なぜやりたいのか自分に問い続けることが大事。私の場合、人に伝え続ける中、周囲の人は反対しても、外国人は応援してくれた。それが励みになった。伝え続けることが大切だと考えている。私にとっては「誰かを助けること」「教育を通し若者に希望を持ってもらうこと」など、これを達成するというミッションが、クリアなのでそれを必ず達成していきたいという強い想いがある。

質問8:初期費用や運転資金の調達などどのように行ないましたか?

Shu)  旅行エージェントは初期費用があまりかからないため、得た収益を元に学校や組合を作った。過去に助成金や寄付・融資は受けたことがない。資金を貯めては、少しずつ会社を大きくしている状況。またホームステイの住居先については、一番初めに外国人が泊まれるよう改築する際、20万円程度をローンで借り、観光客が宿泊し売上を立てることで返済していった。そのため、特にこちらで調達などは発生していない。ただ現状は、コロナで誰も来ないので、日々貯金が減っている状況で大変。

質問9:次のアクションに必要なこと、今後の目標は何ですか?

Shu)  コロナの状況下で準備できていなかったことがやはり課題だと感じている。そのため、今後リスクに対し、準備の出来る会社になっていきたい。例えば、ビルを持つことで賃料の削減を行なったり、畑を作ることで学生と栽培・収穫をしたりしていきたい。またメディアを利用し、観光に訪れる人を増やしたり、地域と観光客の関わりを増やしていきたいと思っている。


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