PC0-003 ITIL4 ファンデーションの過去問100題を全問解答+全問解説付き(2024年)
PC0-003 ITIL4 ファンデーションの過去問100題を全問解答+全問解説付き(2024年)
PC0-003 ITIL4 ファンデーション2024年の問題になります。
筆者が実際に受験して、問題を収集し解答とその解説を全問付けております。
問題数は合計100題。
この100問の問題の解答を理解できれば、ほぼ間違いなく、合格すると思います。
ここから問題と解答/解説になります。
100題、全問解答+全問解説付きになります。
1.
問題文:
あなたはITサービス運用のリーダーです。最近、特定の業務システムに対してユーザーからの苦情が急増しています。ユーザーはシステムの応答時間が遅くなり、業務に支障をきたしていると訴えています。この問題に対処するための最初のステップとして、次のうちどれが最も適切でしょうか?
A. システムの全体的なパフォーマンス監視を強化し、ボトルネックを特定する
B. 全ユーザーに対してシステムの利用を一時的に停止するよう通知する
C. システムの設定を変更して、応答時間を短縮するための試行を行う
D. サービスデスクに連絡し、インシデント管理プロセスを開始する
解答: D. サービスデスクに連絡し、インシデント管理プロセスを開始する
解説:
A. システムの全体的なパフォーマンス監視を強化し、ボトルネックを特定する: パフォーマンス監視は重要ですが、初期対応としては問題の緊急性を考慮し、まずインシデント管理プロセスを開始することが優先されます。監視強化はその後の対策として有効です。
B. 全ユーザーに対してシステムの利用を一時的に停止するよう通知する: ユーザーにシステムの利用を停止させることは業務への影響が大きいため、初期対応としては適切ではありません。まずは問題の範囲と原因を特定することが必要です。
C. システムの設定を変更して、応答時間を短縮するための試行を行う: 設定変更による応答時間の短縮は効果がある場合もありますが、問題の根本原因を特定せずに行うと、さらに問題が複雑化する可能性があります。まずはインシデント管理プロセスを通じて原因を特定することが重要です。
D. サービスデスクに連絡し、インシデント管理プロセスを開始する: サービスデスクに連絡してインシデント管理プロセスを開始することで、問題の記録、影響範囲の特定、原因調査が迅速に行われます。これにより、問題の適切な解決策を講じることができます。
インシデント管理プロセスを開始することで、問題の迅速かつ効果的な対応が可能となり、業務への影響を最小限に抑えることができます。
2.
ITILフレームワークにおいて「情報と技術」という側面がサービスマネジメントシステム全体において重要な役割を果たしていますが、これは主に何に由来しますか?
選択肢:
A. テクノロジーがサービス提供の基盤を形成し、情報の流れを効率化するため
B. 法規制遵守を容易にするためのガバナンスフレームワークの提供
C. 組織の文化と人事管理を改善するため
D. マーケティングと顧客関係の向上
正解:
A. テクノロジーがサービス提供の基盤を形成し、情報の流れを効率化するため
解説:
A. テクノロジーがサービス提供の基盤を形成し、情報の流れを効率化するため: この選択肢が正解です。「情報と技術」の側面は、ITILのコンテキストで非常に重要であり、効率的なサービス提供と情報の管理・流通を支えるテクノロジーや情報システムがこの側面には含まれます。
B. 法規制遵守を容易にするためのガバナンスフレームワークの提供: 法規制遵守は重要ですが、これは一般的に「パートナーシップと価値」や「組織と人々」の側面でより詳細に扱われることが多く、「情報と技術」側面の主目的ではありません。
C. 組織の文化と人事管理を改善するため: この選択肢は、「組織と人々」側面に関連しています。情報と技術はこれを直接的には支援しません。
D. マーケティングと顧客関係の向上: これは「価値のストリームとプロセス」と関連してくる可能性がありますが、「情報と技術」の直接的な役割ではなく、より間接的な影響があります。
3.
問題: ITIL 4の原則の中で、「共創の精神による価値創出」を実現するために重視されるべき考え方はどれですか?
選択肢:
A. サービスプロバイダーのみがサービス価値を決定し、顧客はそれを受け入れる。
B. 顧客とサービスプロバイダーが互いに責任を共有し、密接な協力関係を維持する。
C. 顧客はサービスの価値を感じ取ることが重要で、プロバイダーのプロセスには関与しない。
D. すべてのステークホルダーがサービスの設計から排除され、実行のシンプル化を図る。
正解: B
解説:
A. 誤りです。この選択肢はITIL 4の原則「共創の精神による価値創出」に反しています。ITIL 4では、サービスの価値はプロバイダーと顧客が共同で創出するとされており、一方的な価値決定は推奨されません。
B. 正解です。ITIL 4においては、共創の精神による価値創出のために、顧客とサービスプロバイダーが密接に連携して協力することが強調されています。これにより、サービスの価値を最大化し、両者の利益を促進することができます。
C. 誤りです。顧客がサービスの価値を感じることは重要ですが、ITIL 4では顧客の積極的な関与と協力が推奨されています。プロバイダーのプロセスに顧客が関与することで、より良いサービス創出が可能になります。
D. 誤りです。ステークホルダーをサービスの設計から排除するのは、ITIL 4の原則に逆行する行為です。ITIL 4では、すべての関係者が協力してサービスを設計し、実行することが価値創出につながるとされています。
4.
問題: ITIL 4における「サービスレベル管理」プラクティスの目的は何ですか?
選択肢:
A. ITサービスとビジネス目標との間で必要なリソースを調整し、配分する。
B. サービスがビジネスニーズに対して定義した品質で提供されることを保証する。
C. ITサービスに関するすべてのインシデントと問題を解決するためのフレームワークを定義する。
D. サービスプロバイダーと顧客間のサービス契約を管理し、契約違反時にペナルティを適用する。
正解: B
解説:
A. この選択肢は誤りです。リソースの調整と配分は主に「資源管理」や「ポートフォリオ管理」の観点から扱われます。「サービスレベル管理」はサービス提供の質の管理に重点を置いています。
B. 正解です。「サービスレベル管理」の主な目的は、サービスが取り決められた品質で一貫して顧客に提供されることを保証することです。このプラクティスにより、サービスレベル契約(SLA)が遵守され、顧客満足度が維持されます。
C. 誤りです。インシデントと問題の管理は「インシデント管理」と「問題管理」のプラクティスによって扱われます。「サービスレベル管理」はこれらの操作的プロセスとは直接関連がありません。
D. 誤りです。サービスレベル契約の管理は「サービスレベル管理」の重要な部分ですが、契約違反時にペナルティを適用するという表現はこのプラクティスの目的を正確に反映していません。このプラクティスは、むしろサービスの品質を維持し、顧客との良好な関係を保つことに重点を置いています。
5.
問題文:
サービスバリューシステムの中で、価値の共同創造に最も重要な要素は次のうちどれですか?
選択肢:
A. インシデント管理の迅速な対応
B. 顧客との適切な関係管理
C. サービスレベル合意の厳格な遵守
D. リリース管理のスムーズな実施
問題解答:
B. 顧客との適切な関係管理
解説:
A. インシデント管理の迅速な対応
インシデント管理の迅速な対応は重要な要素ですが、価値の共同創造に直結するとは言えません。迅速な対応はサービスの信頼性を確保する手段の一つです。
B. 顧客との適切な関係管理
これが正解です。サービスバリューシステムでは価値の共同創造が重要視され、そのためには顧客との適切な関係管理が不可欠です。顧客のニーズを正確に理解し、それに対応することで価値を最大化します。
C. サービスレベル合意の厳格な遵守
サービスレベル合意(SLA)の遵守はサービス品質の維持には重要ですが、価値の共同創造に直接関連するものではありません。SLAはあくまで取り決められたサービス標準を守ることを目的としています。
D. リリース管理のスムーズな実施
リリース管理のスムーズな実施もまた重要ですが、価値の共同創造に直結するものではありません。リリース管理は新しいサービスや変更を円滑に運用に移行するためのプロセスです。
6.
問題文:
あなたは国際的な物流会社のITサービスマネージャーです。最近、トラッキングシステムのアップデート後、荷物のトラッキング情報が適時に更新されない問題が発生し、顧客から多くの苦情が寄せられるようになりました。この問題を解決し、顧客満足度を向上させるためには、次のITIL4プラクティスのうち、どのアプローチを最優先に実行すべきでしょうか?
選択肢:
A. インシデントマネジメントを導入して、苦情をすべてインシデントとして記録し、迅速に対応して応急処置を行う。
B. キャパシティマネジメントを強化し、システムのパフォーマンスがトラフィック負荷を十分に処理できるかを評価・調整する。
C. 問題マネジメントを適用して、トラッキング情報が更新されない根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定する。
D. 変更管理プロセスを見直し、今後のアップデート時に厳格なテストと評価を行う手順を導入する。
解答:
C. 問題マネジメントを適用して、トラッキング情報が更新されない根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定する。
解説:
A. 不正解 - インシデントマネジメントは迅速な応急処置には優れていますが、根本原因を解決するためには恒久的な対策が必要です。
B. 不正解 - キャパシティマネジメントはシステムのパフォーマンスを評価するために有効ですが、特定のトラッキング情報更新問題に対しては直接的な解決策ではありません。
C. 正解 - 問題マネジメントは、根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定するためのプロセスであり、トラッキング情報の更新問題を解決するのに最も適しています。
D. 不正解 - 変更管理プロセスの見直しは将来的な問題の回避には役立ちますが、既に発生している問題を直接解決するものではありません。
7.
問題文:
ITIL 4サービスマネジメントの4つの側面について、適切な記述は次のうちどれですか?
選択肢:
A. 4つの側面は、1つのチームによって管理される
B. 4つの側面は、サービスの設計、移行、運用、継続的改善をサポートするために相互に関連している
C. 4つの側面は、IT資源、テクノロジー、マーケット、規制の4つを含む
D. 4つの側面は、顧客満足度の向上を主な目的としている
問題解答:
B. 4つの側面は、サービスの設計、移行、運用、継続的改善をサポートするために相互に関連している
解説:
A. 4つの側面は、1つのチームによって管理される
これは不正解です。ITIL 4の4つの側面は特定の1つのチームによって管理されるわけではなく、組織全体で幅広く対応する必要があります。
B. 4つの側面は、サービスの設計、移行、運用、継続的改善をサポートするために相互に関連している
これが正解です。ITIL 4では、サービスを成功させるために4つの側面(組織と人、情報とテクノロジー、パートナーとサプライヤー、バリューストリームとプロセス)が相互に関連していると定義されています。
C. 4つの側面は、IT資源、テクノロジー、マーケット、規制の4つを含む
これは不正解です。4つの側面に「マーケット」や「規制」は含まれていません。
D. 4つの側面は、顧客満足度の向上を主な目的としている
これは不正解です。4つの側面は、顧客満足度の向上だけでなく、全体のサービスマネジメントプロセスをサポートするために必要な要素を提供します。
8.
問題文:
あなたはITサービスのプロジェクトマネージャーです。新しいクラウドベースのサービスを導入した直後、サービスの利用者からレスポンスの遅さや頻繁なエラーメッセージについて苦情が寄せられました。この問題に対処するために、最初に行うべき適切なアクションは次のうちどれでしょうか?
A. ユーザーにアンケートを送り、具体的な問題点を収集する
B. インシデント管理プロセスを開始し、サービスデスクを通じて影響を受けたユーザーに通知する
C. サービスの利用を一時停止し、問題が解決するまで再起動を試みる
D. 問題管理プロセスを開始し、根本原因を特定するための詳細な分析を行う
解答: B. インシデント管理プロセスを開始し、サービスデスクを通じて影響を受けたユーザーに通知する
解説:
A. ユーザーにアンケートを送り、具体的な問題点を収集する: ユーザーのフィードバックは重要ですが、インシデントが発生している場合、まずは迅速に対応することが優先されます。アンケートは後のプロセスで有効です。
B. インシデント管理プロセスを開始し、サービスデスクを通じて影響を受けたユーザーに通知する: インシデント管理プロセスを開始することで、迅速に問題を記録し、影響範囲を特定し、ユーザーに状況を通知することができます。これは最初に行うべき適切な対応です。
C. サービスの利用を一時停止し、問題が解決するまで再起動を試みる: サービスの再起動は一時的な解決策にはなりますが、根本的な問題を特定せずに再起動を繰り返すと、さらなる混乱を招く可能性があります。まずはインシデント管理を行うことが重要です。
D. 問題管理プロセスを開始し、根本原因を特定するための詳細な分析を行う: 問題管理は根本原因を特定するために必要ですが、初期対応としてはインシデント管理が優先されます。まずは問題の影響を最小限に抑え、ユーザーに適切な情報を提供することが重要です。
インシデント管理プロセスを開始し、サービスデスクを通じて影響を受けたユーザーに通知することで、問題に迅速かつ効果的に対応し、ユーザーの信頼を維持することができます。
9.
問題文:
ITIL 4のサービスバリューチェーン活動のうち、価値ストリームのうちのどの組み合わせが顧客に提供されるサービスの価値を最も効果的に創出すると言われていますか?
選択肢:
A. 計画と改善の活動
B. 計画と従事の活動
C. 提供とサポートの活動
D. 従事と設計&移行の活動
問題解答:
D. 従事と設計&移行の活動
解説:
A. 計画と改善の活動
計画と改善の活動も重要ですが、それだけでは顧客に提供するサービスの価値を最大化するには不足です。計画は戦略的な方向性を示し、改善は継続的な向上を目的としています。
B. 計画と従事の活動
計画と従事の活動の組み合わせでは、戦略的計画と顧客との関係構築をカバーしていますが、具体的なサービスの設計や移行には触れていません。
C. 提供とサポートの活動
提供とサポートの活動は、サービスの提供とその運用支援には不可欠ですが、サービスの設計や顧客との関係構築には焦点を当てていません。
D. 従事と設計&移行の活動
これが正解です。従事の活動は顧客との関係構築をカバーし、設計&移行の活動はサービスの具体的な設計とその移行プロセスをカバーしています。この組み合わせは、顧客に提供されるサービスの価値を最も効果的に創出します。
10.
問題: ITIL 4における「サービスバリューチェーン」の目的は何ですか?
選択肢:
A. データベースの整合性を管理し、必要な情報に迅速にアクセスできるようにする。
B. サービスの提供と改善に関連する活動を調整し、柔軟かつ効率的な価値創出をサポートする。
C. すべてのサービスリクエストを自動的にエスカレーションし、迅速に解決する。
D. 顧客とサービスプロバイダー間のすべての契約を管理し、法的問題を防止する。
正解: B
解説:
A. 誤りです。データベースの整合性管理はサービスバリューチェーンの目的に含まれません。これはデータ管理や構成管理の範疇です。
B. 正解です。サービスバリューチェーンの目的は、サービス提供と改善に関連する各活動を効果的に調整し、企業が柔軟かつ効率的に価値を創出できるようにすることです。これにより、サービスプロバイダーと顧客の両方が価値を最大化できる体制が整います。
C. 誤りです。自動エスカレーションはサービスデリバリーの一部分に過ぎず、サービスバリューチェーンの広範な目的を反映していません。サービスバリューチェーンは、サービス提供全体を効率的に管理することを目的としています。
D. 誤りです。契約管理は取引や法的問題の防止を含む商業的活動であり、サービスバリューチェーンの目的とは異なります。この管理は通常、法務部門や契約管理のプラクティスで取り扱われます。
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