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画人・いのまたむつみ

閲覧ありがとうございます。日本絵画一愛好家です。

本年2024年すでに7月も半ばを過ぎましたが、この2024年に入ってから、分野を問わず多くの著名人の方々の訃報が入り、弊方、ひとりの市井の者として強く哀悼の思いを覚えることが多くありました。

そのなかでも、本年3月には、ひとりのヲタクとして個人的に大きな驚きと強い哀悼の思いを覚えたニュースが続きました。

まずは、鳥山明先生が3月1日にご逝去されていたことが3月8日に公表され、TARAKO先生が3月4日にご逝去されていたことが3月9日に公表されました。

そして、いのまたむつみ先生が、3月10日にご逝去されていたことが3月18日に公表され、弊方、さらなる強い驚きと哀悼の思いを覚えることになりました。

鳥山明先生もいのまたむつみ先生も、報道などによれば予兆もなく急にお亡くなりになった模様だと推測されおります。TARAKO先生は、報道によれば、今年に入って闘病されていたそうですが、それでも急に容態が悪化してお亡くなりになったようでした。

弊方においても、たいへん近しくしかも年若い親族が突然急逝するという、我が人生で最も悲しい出来事に遭遇してしまいました。

身近な人が突然亡くなると、何があったのか理解できず呆然とするというか、悪夢が続いている感じがするというか、時間が経過しても急に思い出して涙が止まらなくなるというか、どうしてよいかわからなくなってしまいますが、そうとはいっても、親族家族ともども日常生活に戻らざるを得ません。弊方も当面喪に服すつもりでおりましたが、結果的には日常生活に戻っております。

いのまたむつみ先生のご逝去に関しては、すでに多くのSNSや note でも、公表直後から多くの方々が哀悼の意を表明されておりますし、ご逝去の公表から本記事の投稿時点ですでに3月以上も経過しております。

ただ、先日2024年6月28日から30日の3日間にかけて、東京都武武蔵野市吉祥寺の GALLERY ZENON (ギャラリーゼノン) さまにて、いのまたむつみ先生のお別れ会「いのまたむつみさん ありがとうの会」が開催されたということで、しかも、この「いのまたむつみさん おわかれの会」の開催期間中の日が、奇しくも弊方親族の一つの区切りとなる法要の日でもありました。直接的には全く何もご縁はないのですが、弊方にとっても一つの区切りとして、本記事を投稿させて頂きたいと思います。

なお、「いのまたむつみさん ありがとうの会」は、株式会社VISION8さまが運営されるアートギャラリー「EDITION88」が主催され、GALLERY ZENON さまは会場をご提供されたという感じの模様です。

EDISION88 のウェブサイトには、アーカイブとして「いのまたむつみさん ありがとうの会」の告知が残っておりましたので、僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

また、会場となった GALLERY ZENON には、「いのまたむつみさん ありがとうの会」に関しては特にアーカイブが残っておりませんが、ご参考までに僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

弊方がいのまたむつみ先生を存じ上げたのは、かの偉大なる名作「プラレス3四郎」のTVアニメーション作品の方だったと記憶しております。マンガ作品の原作(牛次郎先生の原作で、作画が神矢みのる先生)も、もちろん存じ上げておりましたが、アニメ「プラレス3四郎」のキャラクターの描写が、マンガ作品とは方向性の異なる「華やかさ」に惹かれて、いろいろ当時のアニメ雑誌等を調べてみたところ、キャラクターデザインのご担当がいのまたむつみ先生であることを存じ上げたという次第です。

なお、「プラレス3四郎」のTVアニメメーション作品に関しては、公式と思しきウェブサイトが確認できませんでしたので、原作のマンガ作品を紹介する公式と思しきページ(偉大なる秋田書店さまのウェブサイト内)に僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

その後になるのですが、いのまたむつみ先生が、かの偉大なる名作『戦国魔人ゴーショーグン』の作画監督も務められていたということを知って驚いたことも記憶しております。

我々世代のおっさんであれば、いのまたむつみ先生が関わった作品といえば、オリジナルビデオアニメ、略して“OVA”の黎明期頃の超絶名作『幻夢戦記レダ』を思い浮かべる方が多いと思います。

当時は現在のようにインターネットはもちろん存在せず(アメリカ合衆国では、ARPAnet (Advanced Research Agency Network) はすでに存在していたものの、日本国内では、一部の大学で実験的なネットワーク構築がなされていた程度の時期だった模様です)、アニメ雑誌以外にはなかなか情報が入らなかった時期で、かなり後になって、画集が発行されていたとかイメージアルバムが発行されていたとか、そういう情報を入手することになった次第です。

弊方が購入できたのは一部のグッズ類で、当然ですが未だに捨てずにおいてあります。本記事の見出し画像になりますが、『幻夢戦記レダ』の下敷きです。下敷きとして使ったことはなく、もっぱら観賞用でした。

ということで、一部がプラスチックスの経年劣化で変色してきておりますが、僭越ながら、下敷きの表面(おもてめん)を、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した雑な写真を掲載させて頂きます。

ちなみに本記事の見出し画像は、上記下敷き表面(おもてめん)の中央部のトリミングになります。

ふつうなら表面(おもてめん)の写真の掲載だけになると思いますが、ヲタクの弊方としては、この下敷きの裏面も、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影いたしましたので、僭越ながら掲載させて頂きます。

これも後から存じ上げた次第なのですが、『幻夢戦記レダ』は、2019年にブルーレイで4Kリマスター版が発売されていたそうで、予約すると、いのまたむつみ先生が新たに描き上げたイラストをプリントしたミニ色紙がオリジナル特典として付帯するそうでしたが、あまりの人気ぶりに特典付帯も早々に終了した模様です。なお、「幻夢戦記レダ」ブルーレイ・4Kリマスター版の公式ページに僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

また、おそらくこの4Kリマスター版発売に関連したものと思われますが、2019年6月19日から30日というごく短期間ですが、東京都渋谷区の渋谷マルイの7階イベントスペースにおいて、「幻夢戦記レダ展」が開催されていたそうです。

公式のウェブサイトではない模様ですが、「幻夢戦記レダ」展の情報が充実しておりますので、ウェブサイト「コラボカフェ」さまの記事のアーカイブに僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

弊方、『幻夢戦記レダ』については、かなり後になってから拝見した記憶がありますが、かなり後といっても現在からみればかなり前なので、かなり内容を忘れております。

しかしながら、これもかなり前ですが、古書で『幻夢戦記レダ』ビデオパンフレットを入手することができました。こちらの表紙を弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した雑な写真を掲載させて頂きます。

このパンフレットにはページ数が付されておりませんので、表紙1を第1ページとすると、第5ページに作画監督兼キャラクターデザインを担当された、いのまたむつみ先生の短いインタビューが掲載されております。

僭越ながら、同パンフレットの第4ページから第5ページを、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した、解像度の低い雑な写真を掲載させて頂きます。

『幻夢戦記レダ』ビデオパンフレット第4-5ページ

この、いのまたむつみ先生のインタビューから、その一部を僭越ながら下記の通り引用させて頂きます。

 まずは陽子ですが、一応主人公でもありますし、よく動くヒロイックファンタジー物という事で。活発な部分を出したかったものですから、ああいう女の子になりました。ちょっと勝気な部分が出すぎたかなっていう気もしましたけれど。服装は、大体最初に浮かんだ通りに仕上がっています。ちょっと露出がキツイかなとも思ったんですけど(笑)そのまま通ってしまいました。
・・・
 ヨニは、主人公だとある程度恰好をつけなきゃならないので、その分感情をストレートに表すキャラクターとして作りました。陽子より年下の、子供っぽいイメージですね。それにヨニがいる事で、陽子の魅力がより引き立てば、という狙いもありました。悪く言えば、陽子の引き立て役という事で…。
・・・ 
 この4人の中では、どれでも好きですけど、ヨニが一番好きですね。でもいざ描くとなると、どのキャラクターも飾りが多くて、描いてていやになっちゃいましたね。
 とにかく今回の「レダ」は、仲々の作品に仕上がっていると思っています。

『幻夢戦記レダ』ビデオパンフレット第5ページ右カラム第3-8行、同第12-16行、同第26-30行

インタビュー中の「陽子」とは、『幻夢戦記レダ』の主人公「朝霧陽子」さんのことです。ちなみに、そのお声は、かの偉大なる故鶴ひろみ先生がご担当されております。

「ヨニ」とは、先ほどの下敷き表面で、画面右に向かって剣を構える「朝霧陽子」さんの後ろで、屈んで錫杖状の何かを両手にしている女の子のことです。ちなみに、そのお声は、かの偉大なる坂本千夏先生がご担当されております。

「この4人」のうち2人は「朝霧陽子」さんと「ヨニ」さんですが、残りの2人は、先ほどの下敷き画面で、画面左下でトボけた良い味を出されているナゾの喋る犬、「リンガム」さんと、先ほどの下敷き画面では、背景的に横顔がどアップになっている「敵役?」の「ゼル」さんです。

ちなみに、「リンガム」さんのお声は、かの偉大なる故富山敬先生で、「ゼル」さんのお声は、かの偉大なる池田秀一先生です。お声だけ見ても錚々たるメンバーですね。

いのまたむつみ先生のご見解が、かなり率直な感じで、弊方意外な感じがしました。これまでの画集においても、いのまたむつみ先生のご見解はほとんど掲載されていない感じでしたので、非常に印象深いインタビュー内容ということで、引用させて頂きました。

さて、いのまたむつみ先生の展覧会/企画展は過去に何度か開催されている模様です。ただし、弊方のインターネットによる安直な検索では、最近の展覧会しか確認できませんでした。

2018年7月13日から8月3日までという1月にも満たない短い期間ですが、東京都千代田区の有楽町マルイの8階イベントスペースにて、「いのまたむつみ展」が開催されていたそうで、このときの図録も兼ねた画集『画業40周年記念画集 Sanctuary』が発売されておりました。

弊方、実はこの図録兼画集は一般書籍として入手できております。ということで、僭越ながら弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した雑な写真を掲載させて頂きます。

有楽町マルイにて開催された「いのまたむつみ展」は愛知県と関西に巡回しておりました。もしかすると検出できなかっただけで、他にも巡回されていたかもしれません。いずれの展覧会/企画展もアーカイブが残っておりましたので、僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

文化フォーラム春日井・ギャラリー(愛知県春日井市)
「いのまたむつみ展」
2019年2月9日から3月10日まで開催

宝塚市立手塚治虫記念館(兵庫県宝塚市)
第77回企画展「いのまたむつみ展」
2019年6月28日から9月1日まで開催

弊方が『画業40周年記念画集 Sanctuary』を書店で入手したのは、手塚治虫記念館での「いのまたむつみ展」が終了した直後くらいでした。

うそやろぉぉぉぉぉぉ、もぉ終わってんのんかいぃぃぃぃぃぃ、何で気ぃつかんかったんやぁぁぁぁぁぁ、大失態やぁぁぁぁぁぁ・・・

どれほど後悔したことでしょうか。手塚治虫記念館については、弊方マメにチェックしていたつもりだったのですが、約2ヶ月間という長期の開催であるにも関わらず全く気が付いていないとは、大失態にもほどがあるというありさまで、弊方、自分自身をどれほど怨んでしまったことでしょうか。

この件以降、弊方は、日本絵画関係の展覧会/企画展を開催しそうなミュージアムを登録して、定期的にチェックするようになりました。

ところが、弊方の大失態はこれで終わりませんでした。

実が、手塚治虫記念館での開催の後にも、よりによって名古屋と大阪で2020年から2021年にかけて「いのまたむつみ展」が開催されていたことを、インターネットの安直な検索により比較的最近存じ上げることになったのです。

百貨店の催事場で行われる展覧会/企画展は、インターネットの安直な検索では非常に得にくいものであり、他にも展覧会/企画展を見逃していることを、弊方言い訳させて頂きます。

ということで、弊方の大失態その2の反省も兼ねて、大丸松坂屋にて開催された「いのまたむつみ展」について下記の通りまとめさせて頂きます。大丸松坂屋のウェブサイトにはアーカイブが残っておりませんでしたが、PR TIMES というウェブサイトに開催告知のアーカイブが残っておりましたので、僭越ながらそれぞれリンクを張らせて頂きます。

松坂屋名古屋店 本館7階大催事場
「いのまたむつみ展」
2020年8月5日から8月17日まで開催

大丸梅田店 13階特設会場
「いのまたむつみ展 40周年記念画集「Sanctuary」出版記念」
2021年7月23日から8月3日まで開催

名古屋栄も大阪梅田も、弊方がお伺いするには容易なところです。この2回もの機会があったのに、弊方はそれを逃してしまったわけです。

さらに弊方の安直なインターネットの検索によれば、先ほどの EDISION88 さまが運営される秋葉原のギャラリー“TOKYO ATOM”においても、2022年10月18日から11月27日まで「いのまたむつみ展」が開催されていた模様です。

あぁぁぁ、アホやぁぁぁぁぁぁ・・・

画人・いのまたむつみ先生の「肉筆」作品をまとめて拝見できる貴重な機会を、弊方のボンクラのせいで2回も失うとは、何と情けないことやら。

インターネットは何でも調べられる、という思い込みがありますが、実際には、キーワードがわからなければ積極的に調べることはできない、という大きな弱点があるということを理解しておかなければならないと、弊方、改めて反省いたしました。

弊方、いのまたむつみ先生の画集は、かの偉大なる藤川啓介先生の名作『宇宙皇子』画集や、『月の聲星の夢』等は入手しておりましたが、比較的近年の画集はチェックしておらず入手もできていなかったのですが、そういうチェック漏れが今回の大失態二連発を引き起こしたのであろうと、大反省している次第です。

『幻夢戦記レダ』の翌年、1986年には、いのまたむつみ先生の作画監督、キャラクターデザイン作品である『ウィンダリア』が公開され、弊方、『ウィンダリア』グッズもいくつか購入しておりました。

作品自体は、かの偉大なる読売テレビの伝説の深夜番組『アニメだいすき!』で拝見しております。弊方個人的には、偉大なる新居昭乃先生がお歌いになるテーマソング『約束』がたいへんお気に入りです。

ということで、何が「ということ」なのか論理的に説明できませんが、ウィンダリアの1986年カレンダーを、僭越ながら、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した雑な写真を掲載させて頂きます。

このカレンダー表紙には、主人公イズーさんの奥様、マーリンさんが描かれておりますが、表紙にはミシン目があり、ここを切り取ると「窓」が形成され、1月から12月まで2ヶ月ずつの合計6作のイラストレーションが拝見できるという造形になっております。

この6作のうち5作は登場人物が描かれている「人物画」なのですが、弊方、敢えて人物画ではない「風景画?」というよりも「空中艦船画?」を描かれている3月・4月のイラストレーションを、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影した雑な写真を掲載させて頂きます。

いのまたむつみ先生といえば、繊細な筆触にて美麗な女性を描かれる現代版「美人画家」という印象が強いのですが、画集を拝見すれば、凛々しい男性像も多く、動画を担当されるだけあって、男女を問わず動的で迫力のある作品も描かれており、さらには、背景的ではありますが、メカニックや動物、風景などもたいへん秀逸で素晴らしいという所感を覚えております。

このウィンダリアカレンダー3月・4月のイラストレーションも、写真の画質が悪くて申し訳ありませんが、重厚な空中艦船とそれをとりまく雲と光と空の描写が荘厳な雰囲気を醸し出しているように思います。

そうでなければ作画監督という重責は務まらないとは思うのですが、改めて画集を拝見して、画人・いのまたむつみ先生の偉大なる才能に驚嘆するとともに、その肉筆の作品を拝覧する機会を自己責任で逸したことを慙愧に堪えなく思っておる次第です。

昨年末(というか本年年始)に、いのまたむつみ先生が、とうとう満を持して旧Twitter現Xのアカウントを作成されたというニュースがあり、弊方、このニュースもかなり後から存じ上げたのでのですが、それならマメに旧Twitter現Xをチェックさせて頂こうとと思っていた矢先に、まさか、いのまたむつみ先生の訃報に接することになるとは、弊方全く思いもよりませんでした。

偉大なる萩原一至先生による偉大なる名作『バスタード!! -暗黒の破壊神-』には、ルーシェ・レンレンに封じ込められた大魔法使い、ダーク・シュナイダーの魂を開放するべく、ティア・ノート・ヨーコ嬢が口づけをなさるときに「愛と美の女神 イーノ・マータ」という神名を含む呪文を詠唱なさるという描写があるのですが、この高貴なご神名が、いのまたむつみ先生に由来するオマージュであることは広く知られているところです。この崇高なるオマージュには、弊方も(恐らく多くの方々も)強く強く共感を覚えることであろうと思います。

そういえば、ティア・ノート・ヨーコ嬢のお名前は、『幻夢戦記レダ』の「朝霧陽子」さんのオマージュなのでしょうか?! ちょっと気になりました。

改めて、私どもヲタクどもにとっての「愛と美と創造の女神」でいらした、偉大にして崇高にして親愛なる、いのまたむつみ先生のご冥福を謹んでお祈り申し上げさせて頂きます。

相変わらずまとまりがなくまわりくどい文章で申し訳ありませんが、最後まで閲覧頂きましてありがとうございました。

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