「豊中市所蔵 京・大坂 日本絵画の精華 花鳥画の名品から俳画の珍品まで」展
閲覧ありがとうございます。日本絵画一愛好家です。
明けまして2024年・令和6年となりましたが、このたびの令和六年能登半島地震で被さ災れた皆さま方には心よりお見舞い申し上げます。
弊方、北陸地域、特に被害の大きかった石川県、あるいは富山県とは直接的なご縁はないのですが、かの地のミュージアムを何度かお伺いさせて頂いたことがあるため、ひとことお見舞いを申し上げさせて頂きたいと思いました。
さて、2023年初冬の過日、大阪市の大阪大学中之島芸術センター(中之島会場)と、豊中市立文化芸術センター(豊中会場)で開催されておりました、「豊中市所蔵 京・大坂 日本絵画の精華 花鳥画の名品から俳画の珍品まで」展(2023年10月14日~11月19日)を滑り込みで拝覧いたしました。
本展、弊方の旧Twitter現Xでも地味に投稿させて頂いていておりますが、改めて本記事としても投稿させて頂きました。
本展は、大阪大学総合学術博物館の第18回の特別展というだけではなく、同博物館と豊中市との連携事業であり、かつ、大阪市北区中之島に所在する「大阪大学中之島芸術センター」の開館記念展でもあったとのことです。大阪大学総合学術博物館ウェブサイト、並びに、豊中市ウェブサイトのいずれにも、アーカイブとして同展を紹介するページが残っておりましたので、下記の通りリンクを張らせて頂きます。
まずは、中之島会場についてですが、会場は、大阪大学中之島芸術センターの4階でした。
1階の入口には特に受付らしきものもなく、勝手に入ってよいものやらどうなのやらよくわからなかったのですが、まぁ大丈夫やろう、ということで、そのままエレベータで4階まで上がらせて頂きました。4階の会場も無人で、無料の「リーフレット」が置かれており、ご自由にお持ちくださいということでしたので、ご自由に1部頂戴いたしました。
名前は「リーフレット」なのですが、下記写真の通り、誰がどう見ても「無線綴じ冊子の図録」でした。こんな豪華な「リーフレット」を無料で配布するとは、何という太っ腹なのでしょうか。
写真撮影可とのことでしたので、いろいろと写真を撮影させて頂きました。中之島会場は下記のような感じでした。
この写真では、観覧される方が誰もいないように見えますが、実際には、かなり多くの方々がいらっしゃいました。弊方がヲタクアンテナの赴くままに訪れる展覧会/企画展の中には、観覧者が弊方だけ、というような事例も多々あるのですが、本展は、中之島という立地の良さもあるのかもしれませんが、入れ代わり立ち代わりかなり多くの方々がご覧になっておりました。
そうはいっても、観覧される方々は時間的にも人数的にも分散してお越しになるわけではなく、一時的に多かったり少なかったりするような「人出の波」がありました。前記の写真は、たまたま観覧者が一時的にいらっしゃらないときを狙って撮影したものです。
ふつうなら、ここでおススメ作品の写真を掲載するものだと思いますが、弊方、個人的には、作品を落ち着いて拝見させて頂く観点から、撮影可の展覧会/企画展であっても、あまり積極的に撮影をしない方針でおりますので、掲載は控えさせて頂きたいと思います。
まぁ一部の作品は撮影させて頂いたのですが。撮影したんかいっ! セルフツッコミご容赦頂けますようお願いいたします。
中之島会場を堪能したのち、速やかに豊中会場に移動いたしました。このときに採用した経路は、中之島から阪急の大阪梅田まで、「堂島ちかちゃん」でお馴染みの堂島地下街(ドーチカ)を経由して徒歩で移動し、阪急宝塚本線の普通、雲雀丘花屋敷行に乗車して、豊中市の曽根駅(兵庫県高砂市のJR曽根駅とちゃいまっせ)まで至るという経路でした。
曽根駅から豊中会場のある豊中市立文化芸術センターまでは歩いてすぐでしたが、文化芸術センター自体が大きく、作品が展示されている特別展示室がすぐにわからず、ちょっとウロウロしました。
当日は、同センターにおいていろんなイベントが開催されていたようで、かなりたくさんの方々がホールにそれこそ「ごった返す」ような状況でしたが、特別展示室は、上記写真の通り、ホールの裏手のひっそり寂し気な場所に所在しておりました。
同センターには複数の展示室があるようで、かなりの規模の展覧会も開催可能な状況に見えましたが、本展に関しては、小さな展示室1室のみでした。こちらも無人であって、あの豪華な自称「リーフレット」が、当たり前ですが無料で配布されておりました。
豊中会場は、中之島会場に比べて、明らかに観覧される方が少なかったです。イベント参加者と思しきごく一部の方が手持無沙汰のようにちょっとご覧になる程度で、弊方のようにガッツリ気持ち悪く嘗め回すように見入っているような観覧者は皆無でした。
こんなふうに書くと、中之島会場には、ガッツリ気持ち悪く嘗め回すように作品を観覧される方が多かったように思えますが、そうではなく、ふつうに観覧される方々が多くいらっしゃった、という意図です。
中之島会場のように、豊中会場の写真を全体的に撮影しようと思ったのですが、特別展示室の広さや入口の位置などから全体撮影が困難でしたので、入口から向かって右側と向かって左側の2つの写真を掲載させて頂きます。
このように2つの写真に分けた理由はもう一つあって、入口真正面くらいのところに、野田九浦先生の「海辺之雪」(作品No. 51)が展示されており、著作権の関係から写真撮影しないようにと案内されておりましたので、九浦先生の作品を避けたためでもあります。
野田九浦先生といえば、昨年、やないわ、もう一昨年なんですね、2022年4月16日から6月5日にかけて、東京都武蔵野市の武蔵野市立吉祥寺美術館にて「野田九浦 -〈自然〉なること-」という展覧会が開催されており、弊方、拝覧させて頂きました。何の参考かわかりませんが、ご参考までに、図録とチラシ(フライヤー)と観覧券半券の写真を掲載させて頂きます。
本展の「リーフレット」の「ごあいさつ」に記載されているのですが、「豊中市の蒐集家が所有し、現在は豊中市の所蔵となっている日本絵画コレクション約二五〇点から選りすぐりの五〇点」が展示されていたとのことで(同展リーフレット表紙の表2「ごあいさつ」第4-5行)、「令和三年(二〇二一)に本コレクションは豊中市から大阪大学総合学術博物館に寄託され、以後、博物館とともに人文学研究科の教員・学生が調査研究を進めてまいりました。」(同「ごあいさつ」第6-7行)とありました。
豊中市所蔵のコレクションということで、どういう経緯があったのかわからなかったのですが、元々は個人のコレクターの方の所蔵だったということなのですね。
弊方は、後期展(11月1日~19日)しか拝覧しておりませんが、それぞれの展示作品に、共通性があるわけではないのですが、何というか、思想というか、一本筋の通った意志みたいなものがあるのではないか、とほんのり思ったのですが、やはり旧蔵者でいらしたコレクターの方の審美眼により集められた作品群だったということを知って納得がいきました。
調査研究を進められた教員・学生の方々についても「リーフレット」に記載がありました。学生の方々としては、博士後期課程在学中、博士前期課程修了、博士前期課程在学中、学部卒業生、在学中の学部生、元招聘研究員の方々が名を連ねておりました。筆頭者は、西宮市大谷記念美術館「画人たちの仏教絵画-如春斎再び!-」展でも著作について触れさせて頂いた、門脇むつみ先生でした。
日本絵画を愛好するヲタクの弊方にとっては、本展は、いわゆる「大作」はないものの、粒ぞろいの優れた作品群を拝覧することができた、素晴らしい激萌え展覧会であったと思います。ここで、個別の作品についてヲタトークすると、それでなくてもすでに文字数4,000字を超えておりますので、控えさせて頂きます。
個人的にひとつだけたいへん残念だったことは、本展を存じ上げたのが後期展に入ってからの時期で、前期展を見逃したということでした。
そんなもん、お前の責任じゃっ! と言われればそうなのですが、経緯を説明させて頂きますと、弊方が本展の情報を得たのは、吹田市立博物館でした。
同館では、2023年10月14日から11月26日にかけて「秋季特別展 大坂好みを描く 呉春から孔寅・芳園へ」展が開催されており、同展にお伺いしたときに、ポスターが掲示され、チラシ(フライヤー)も配布されており、そこで初めて本展を知りました。この展覧会に関しても、できれば投稿させて頂きたいと思っております。
本展を知って、ぜひお伺いしたいと思いながら日程的に厳しく、断念しようかどうしようか迷ったのですが、かなり強引に時間を確保して後期展だけでもギリギリにお伺いしたという次第です。
インターネットの検索エンジンやSNSの検索機能によりさまざまな情報が入手できるとはいっても、結局のところ「知らないことは検索できない」ということを、弊方、つくづく実感いたしました。
本展中之島会場の大阪大学中之島芸術センターは、大阪中之島美術館のすぐ東隣に所在しており、弊方、大阪中之島美術館の「生誕270年 長沢芦雪」展(2023年10月7日~12月3日)に前期展も後期展もお伺いしていたのに、全く気が付いておりませんでしたし、大阪中之島美術館においても、同展に関する情報を確認することはできませんでした。
後から旧Twitter現Xの検索で調べてみると、本展を紹介する旧ツイート現ポストはかなりの数を確認することができました。旧Twitter現Xをご利用の方は、例えば「京・大坂 日本絵画の精華」で検索頂ければ、かなりの数が検出されると思います。
しかしながら、例えば、本展を全く知らない状態で本展をどのようにして検索できるのか、と考えると、弊方は、ほぼ不可能ではないかと思いました。
弊方が旧Twitter現Xと note を始めた理由は、展覧会/企画展情報を収集するためでした。その理由は、検索エンジンによるインターネットの安直な検索では、特に新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミック後期以降、特にブログをベースとした情報が得られにくくなったという実感があるためでした。
これに対して、旧Twitter現XのようなSNS、もしくは、note では、ブログ検索では得られない展覧会/企画展の情報が得られやすいように思いましたので、展覧会/企画展情報を取得するだけでなく、僭越ながら情報発信もさせて頂こうと思った次第でした。
しかしながら、結局のところ、検索する当人が「キーワード」を知らなければ、いくらハッシュタグが設定されていても検索できないものは検索できないのだと実感しました。
吹田市立博物館のご案内がなければ本展を見逃していたことを思うと、吹田市立博物館のみなさま方には感謝するとともに、本展も含めて展覧会/企画展を広く告知することは、インターネットが発展したこのご時世であっても非常に難しいんやなぁ、と思った次第です。
最後になりますが、改めて、令和六年能登半島地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするととともに、被災された皆さま方にお見舞いを申し上げさせて頂きたく思います。
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