
「普選」と「婦選」:国立公文書館企画展
水戸への小旅行に出かけた週の日曜日は国立公文書館に出かけました。お目当ては企画展、「普選」と「婦選」-選挙権の拡大とその歴史-です。
この日に行くところは悩んでいたのですが、雪予報まで出ていたので、長く歩かないで済むところにしました。前日に行った水戸の茨城県立歴史博物館でチラシをみたのがきっかけです。

場所は北の丸なので、バスと地下鉄を乗り継いで竹橋へ。目的地までは駅から5分です。国の施設ですからご覧の通り立派な建物です。

公文書館の1階の奥に企画展の展示スペースがあります。まずは板垣退助、大久保利通、木戸孝允といった面々の写真から。テーマに沿って普通選挙、婦人参政権から現代にいたる選挙権の拡大の展示があります。

有権者の推移の表。大昔に社会の教科書でみた記憶がかすかにのこっています。
平成27年に18歳まで引き下げられたので全人口の83.6%ということになりました。つまりは18歳未満の人口比は16.4%ということですね。そんなもんなのかな?

こちらが大正14年に公布された納税に関する規定が削除された衆議院議員選挙法の御署名原本。署名が嘉仁/裕仁となっているのは、昭和天皇が摂政宮として代行していたから。同時に治安維持法が制定されたとの解説もありました。
昭和3年には有権者が急増したうえでの総選挙が行われたのですが、政党によるポスターや新聞への選挙広告など選挙戦が華々しく展開されたとのこと。ポスターがいくつか展示されていたのですが、これがすごくて、「あなたの同情の筆先で○○○○と書いてください」などと書いてあったりします。法政大学所蔵の資料と言うことで撮影不可というのは残念だったのですが、こんなポスターを今現在作ったら何が起こるだろう?なにかのギャグマンガで同じようなのを見たことがあるような…

続いて常設展の展示コーナーも見学。企画展よりも小規模ですが「日本のあゆみ」というテーマになります。
終戦の詔書が展示されていたので見入ってしまいました。紹介されるのはたいがい「堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ」の部分ですが、自分としては、最後の「汝臣民ソレ克ク朕カ意ヲ體セヨ」の部分は何度見てもくるものがあります。

おなじみの「平成」と「令和」も展示されていました。この二点扱いが違くて、「平成」は竹下家から寄贈。小渕家ではないのですね。「令和」は公文書管理法が施行後のため、内閣府での保管期間終了後に公文書館移管されたとのこと。
折角の施設ですが昼時に行ったので他の入館者はちらりほらりといった感じ。企画展、常設展ともにいい紙で作られた冊子が無料配布されていました。税金使いすぎと揶揄されそうですが、ありがたく勉強させて頂きました。
各地域の郷土資料館なども面白いのですが、遠くに行かなくても、見るべき施設は東京にもたくさんありますね。水戸でチラシを見るまでこの施設のことも知らなかったわけで、単身赴任している間にできるだけいろいろなところに行こうと思いました。