〈Awiの考察〉ガザ紛争によって見えた日本の立場
本題に入る前のあれこれ
今回は池内先生の発信から、Awiが自分なりに考えてみたことを書いています。
ですので、この記事についてはAwiの見解であり、先生の投稿と発言を引用してまとめた責任はAwiにあります。
あっちこっちで言っていますが、私の学生時代の専攻は、日本の古典文学です。
ものすごい謎解釈をしているかもしれませんが、完全に国際情勢についてのド素人が書いております。
色々な意味合いで非常に不安ではありますが…でも書いてみようと思いました!(見切り発車)
今回の引用は、全て池内先生のもの。
⚫︎先生のTwitter (X) @chutoislam
⚫︎「アメリカにとって同盟とは何か」中央公論新社 2013年2月発行
日本国際問題研究所•監修 久保文明•編
P219-242 第9章 同盟国を求めて—米国の中東政策の難問
⚫︎新潮社•Foresightより
2023年10月14日
2023年11月16日
2024年6月15日
⚫︎News Picks WEEKLY OCHIAI「聖なる大地の消えない苦痛」
2023年11月1日
⚫︎Abema Prime 【イラン&イスラエル】報復攻撃は戦争の引き金に?アメリカとの関係にも変化?
2024年8月7日
以上です。
新潮社•Foresightは有料会員向けのサイトですが、無料で読める記事もあるのでなるべくそこから拾っていますが、一部有料ページを使っています。
Abema Primeは無料。
NewsPicksは有料媒体なのですが、初回登録10日間無料サービスがあります。
アメリカとイスラエルの関係、そして日本
2024年の広島平和記念式典と長崎平和祈念式典は、イスラエルへの対応の違いを巡って、波紋を呼ぶことになりました。
広島平和記念式典後の報道。
広島平和記念式典の翌日、長崎平和祈念式典についての報道。
これを受けての池内先生の投稿。
「同盟」については、昨年11月の時点でこのような発言があります。
先生の発信から見えてくるのは、今回のガザ紛争というのは、国家間の同盟とはどういうものか、思い出させられた出来事だということです。
日米同盟は、米イスラエル同盟よりも格下、それも、トルコよりちょっと下くらい、とのこと。アメリカは、日本ともイスラエルとも同盟を結んでいるけれども、その重さを比べてしまうとすると、イスラエルがずっと上だと言うことですね。
“何度も言ってるけど”という前置きがあります。
振り返ってみましょう。
Twitter (X) 2023年10月24日
10月7日以降、どうして先生が度々このようなことを投稿しているのか。
おそらく鍵はここにあるのではないかなと私は思っています。
親米国は、自分の国を守るために、アメリカの力を必要としているわけです。親米国同士の多くはお互い仲良くしていますが、自分の身に何かあれば優先的に助けに来て欲しいと思っているし、できれば常日頃から、自分の身の回りで危ない事が起きないように見張っていて欲しいと思っている。ですが、米軍だって無限に兵力を出せるわけではありません。そうなると、アメリカがどれだけ自分を助けてくれるのか、親米国同志の競争になってしまうというのですね。
親米国にとっては、アメリカはとても大事な国です。
でも逆に、アメリカにとっては…?
これは、もしかすると国を擬人化して、“アメリカくんの複数の友達が同時に溺れていたら、アメリカくんは誰から先に助ける?“というような例えにすればわかりやすいでしょうか?
そして、アメリカにとって大事な国の筆頭に来るだろうと思われているのはイスラエルです。
ここで、どうしてアメリカとイスラエルの関係が特別なのか、という疑問が出てきますね。それについてはこちら。
シオニズム運動は、度重なる迫害から逃れようとしたユダヤ人達が、自分達の国を作ろうとしたものです。その拠点や資金については、アメリカのユダヤ人社会からの大きな援助があったのですね。イスラエル建国には、アメリカ国内のシオニズム勢力が政治に強い影響を与えていて、以来、イスラエル支持勢力が、アメリカ政府の政策を親イスラエル的方向に向けるという事態が繰り返し起こっています。
アメリカ国務長官も自分はユダヤ人だと発言していましたね。
アメリカにはこういった事情があります。
今回の長崎平和祈念式典における、米大使、そして日本を除くG7の在日大使が全員欠席したことで、私はこの文章を思い出しました。
日本は、G7の中で唯一のアジアの国です。日本は第二次世界大戦後、西側諸国との繋がりを強く持ちながら経済発展をしてきました。日本の多くの人たちは、日本は「西側」の国だと思っているのではないでしょうか。
けれども、原爆を落とした国の大使が平和祈念式典に参列しない。その理由は、「イスラエルを招待しないから。イスラエルをロシアと同列に扱っているから」という。
原爆を落とした当事国ということと、イスラエルの招待とを天秤にかけたら、アメリカという国を代表して日本に駐在する大使は、「イスラエル」を取ったわけです。
“「自分たちはやっぱりアラブ人なのだ」と初めて気付いた人たちがいる“、という一文、これは私自身にも当てはまりました。今回のことで「自分はやっぱり日本人なんだな」ということを思い出したところがあります。
民間レベルでは欧米でアジア人が差別されているのは知っていたけれど、やっぱり国家レベルの話でも大きな隔たりがあることを思い知ったというか…。
これが現実なのだなと思いました。
先生がお話しされていた意味が、現実のものとしてやっと受け止めることができたという感じですね。
日本はどうすればいいのか
現実を知ってがっかりしてしまいましたが、でもそうしていても仕方がありません。平和祈念式典の件は、日米の、または日本と欧米(G7含む)の関係についても深く考える良い機会だったという方向に捉えようと思います。
この現実を受け止めた上で、日本はどうしたら…?
これは、ガザ紛争が始まって半月ほど経った頃の投稿。
そして2024年8月7日。
ガザ紛争については、西欧(あるいはG7)に追従する必要はないという先生の考えは、昨年の10月から同じです。
そもそも、イスラエル・パレスチナの問題は、元々日本は人種や宗教の関わりもなく、どちらかの勢力と一緒に戦ったという歴史もない部外者ですし、日米同盟は、アメリカとイスラエルのような関係とは全く違うものです。
日本は、アメリカとイスラエルのような血や宗教などに基づいた深い繋がりはありません。日米の同盟がどのようなものか、先生が説明してくださっています。
ここで、最初のほうで引用した先生の投稿をもう一度貼りますね。
今のアメリカは、血と宗教という魂の繋がり(イスラエル支持)を最優先にしています。ガザの人道危機に関する国連安保理決議でも、アメリカが孤立する場面が増えています。
アメリカが2023年10月7日から一貫してこのような態度である以上、日本は安全保障のための外交を一生懸命やらないと大変なことになるよ、という意味の内容だと私は解釈しました。
具体的に何ができるのでしょう?
まず、中東情勢において心配されていること。
イスラエルがガザでの攻撃を続ける限り、湾岸諸国との関係の悪化も避けられない状態で、そうなると所謂「西側」以外の国が、中露に接近してしまうということが起きているようです。これはアメリカだけでなく、日本にも良くない状態。
そして日本の安全保障に関して心配されていること。
これは、かなり反響があった投稿ですが。2023年10月24日。
まず、日本はきちんと国益を守る対応をしようね、ということでしょうね。
先ほどの引用にもありましたが、アメリカ軍がイスラエルを守るため中東に大規模派遣をすることになったら、法とルールだけに基づいた日本への安全保障は本当に機能するのか。
先生が言いたいのは、中東で戦線が拡大した場合、アメリカが損をしない程度に中国と仲良くして、日本に対しては、「うち手いっぱいなんで、ちょっとここら辺は諦めてね、ごめんね(米軍基地などアメリカ防衛上の利益は守るが、日本の利益は知らん)」という態度をとって、日本に我慢させるほうが手っ取り早いということになりかねない、ということだと思います。
だから中東で戦線が拡大してはいけないのです。
ですが、2024年8月現在、イスラエルとイランはバチバチの状態に陥っています…どうなっていくのかとても心配です…
世界は、かなり良くない状態だということを日本人はもっと認識したほうがいいのではないかな…
ここで、日本ができる役割について。
日本は海に囲まれた島国で、エネルギーや食料など、大部分を輸入に頼っています。世界的に見て、資源を持っていない経済発展国というのはとても珍しいそうです。
どういうわけか日本は多くの場所で何故か敵と思われていなかったり、ひょっとするとアジアの国でしかも敗戦国で、そこから経済発展したという理由で尊敬されていたりする。そういった国々と仲良くしておくことで、何かの時には仲介役を買って出ることができたり、あるいは、日本が困ったときに味方をしてくれることにつながるかもしれない。
ですから日本が西洋以外にも、遠くの国と友達になっておくのはとても重要なことなんですね。近くても遠くても、たくさんの国と繋がりを持って友達になっておく、それが日本が日本の為にできること。
欧米だけが大事でそっちばっかり見ているということをしていたら、日本は良くない方向に行ってしまうということなんだろうな、と思いました。日本のメディア報道の海外ニュースというと、欧米ばかりなのがちょっと…と思いながら、でもまずは個々が意識しなければいけないのだとも思います。
池内先生の普段の発信を見ていると、別の視点が見えてきますよね。
私はいつもGoogle翻訳に頼るしかないのですけど、先生がRPする海外記事は時間がある時に読んでいます。ただ、アラビア語?のGoogle翻訳は時々謎の文章になるので、全然理解できなかったりするんだけど…
終わりの駄文
やっと書き終わるところです。今回、いつもと違う内容を書くということもあって、かなり大変でした。意味不明に疲れております。
でも、楽しかったです。先生の分析はぶれないので。
引用で並べた順番の発信時系列は結構バラバラなのに、でもちゃんとまとまりました。
前にもどこかで書いたけど、先生の発信見ていると、ああこれ、いつかどこかで何か書いておられたことと繋がっているな…記憶があるぞ…ということ、よくあるんですね。
それを探すのって割と大変なんですが(先生が書いたものの量が多すぎるので)、でもワクワクしながらSNSを検索して、それから本棚の本をひっくり返し始めます。絶対にどこかで読んだという記憶、何故か無駄に自分への信頼があります(笑)。
そして、情報と情報が繋がって、ああそういうことだったのか、やっと理解できた!という瞬間はなんと言えばいいのか、楽しいというしかありません。
それだけ一貫して物事を考えておられて、思考の体幹がぶれないのが、先生のすごいところ。というわけで先生の書いたもの読むのはやめられない。
今回は以上です。
お付き合いくださってありがとうございました。
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