【85歳の英語熟練者から学ぶ】映画で英語学習する3つのメリット!
あなたは英語の熟練者から最適な英語学習方法を聞きたいと思いませんか?
今回は85歳にしてなお英語を学び続ける島村さんに、特別に英語学習方法の極意を教えてもらいました!
それが、『映画で英語を学ぶ!』ということです。映画で英語を学ぶ、という方法は、英語学習者であれば一度は聞いたことがあると思います。
しかし実際のところ「映画を教材として英語を学ぶことは本当に役立つのか...?」「もし役に立つのなら、どうやって英語を学習すればいいのか...?」などの疑問をお持ちなのではないでしょうか。本記事を読めば、今まで疑問に思っていたことが解消されます!
英語の超熟練者である島村さんに聞いた、映画で学習することの3つのメリットと4つのステップ、さらにおすすめの厳選映画、ぜひ楽しんで読んでいただけたら幸いです。
英語学習に映画を活用する3つのメリット
映画から英語を覚えることのメリットを3つ上げましょう。
メリット1 英語の環境に溶け込む
ずばり英語の環境に溶け込めること。映画には物語がありますね。英語が話されている国での日々の生活や人々の生き方が、その物語を通じて見聞きできるということは、英語という言葉の生の使われ方が分かるということです。
理想的には留学がいい。留学すれば、一年いや半年もあれば生活に必要な英語は覚えられます。映画はその英語環境をバーチャルに作ることができる格好な媒体です。
メリット2 英語を文節で理解するようになる
話し言葉のコツを覚えることで、英語を文節で理解するという上達の秘訣を覚えます。つまり、punctuationが分かると云うこと。
留学すれば半年で日々の英語が分かるといいましたが、それは英語をかたまりで理解できるようになるということです。映画のストーリーに溶け込むには、話し言葉を単語で追っていては間に合わないから、言葉のかたまり、つまり文節で取り込むことを覚えます。これができるようになれば、英語征服は目前です。
メリット3 英語の文化を学べる
英語の背後に広がる文化を学ぶことです。すべて言葉にはそれぞれ文化があります。映画の物語から欧米の文化の有り様を目の当たりにして、それが言葉にどう顕れているかと知ることができます。そうして得た知識が英語の学習に陰に陽に役立つのです。
例えば、話の筋にその土地特有なやり方などが独特な表現で語られるなど、あるいはちょっとした言い回しにその土地ならではの言葉が取り込まれているなど、あなたの英語を豊かにする何かが隠れているものです。
映画を活用した英語学習の4つのステップ
さて、では実際に映画を活用して英語を身につける4つのステップをお話ししましょう。
ステップ1 映画を選ぶ
まず活用する映画を選びます。ポイントは、ひと昔前の英米の名画の中から、とくに叙情性の豊かな、テンポのゆったりした筋書きの作品を選ぶことです。登場人物があまり多くなく、主人公を中心に家族の生活などが活き活きと語られる映画が理想的です。YouTubeで過去の名画を検索して見るのもよし、DVDを購入できれば最高です。
ステップ2 誰かに成りきる
選んだ映画を鑑賞します。まずは物語の筋、登場人物について基礎的な情報を得ます。字幕付きで1回、字幕なしで1回、使われている言葉の馴染み具合を確かめます。
次に、登場人物の中から自分を重ねられる人物を決め、その科白回しを集中的に意識しながら、字幕付きでもいいですから2回ほど鑑賞します。できる限り劇中の状況に溶け込んで、その人物に成りきる感覚が大切です。
ほかの登場人物たちの科白は、この段階では聞き逃すのがコツで、自分を重ねた人物の言葉遣いに十分馴染むまで繰り返します。
ステップ3 オウム返し
この時点で字幕を外して、画面上の演技と耳から入る英語に限定します。ここからは自分を重ねた人物の科白を一秒遅れでしゃべることに専念します。mimicryオウム返しというプロセスで、とても効果的な方法です。演技上の感情も乗り移り、人物の息遣いや心理状態までオウム返せたらばっちりです。この段階で不明な言葉があれば、再生速度をやや落として確認しましょう。
あなたの集中度にもよりますが、オウム返しのプロセスで、語感や抑揚、単語でなく文節で語る感覚が相当ついてくるはずです。
ステップ4 一人芝居
自分を重ねた人物の科白回しが身に付く頃には、ほかの登場人物の科白も雰囲気も知らぬ間に分かるようになっているはずです。全体の科白回しを意識しながら、1人で物語を進行させる気分で2、3度繰り返して鑑賞します。
会話は「受け答え」という原則があり、相手の科白があってこちらの科白があるわけですから、ほかの人物の言葉遣いも流れとして身に付いてくるものです。
こうして、自分を重ねた人物の科白を通して物語の全体像が見えてくるような感覚が大切です。映画を介して英語を覚えるメリットはここにあります。
英語学習に適したおすすめ映画厳選3選
では最後に、英語を学ぶのに格好な映画を3本ほどご紹介します。いずれも筆者自身が体験したもので、何十年も経った今でもどの映画も筋書き、登場人物、すべての科白をほぼ覚えています。初歩的なものを1本、男女別に1本ずつ選んであります。
「仔鹿物語」The Yearling
アメリカの作家マージョリー・キナン・ローリングスが1938年に発表した児童文学小説の映画化で、グレゴリー・ペックの父親、ジェーン・ワイマンの母親、クロード・ジャーマンの一人息子の三人が登場人物の名画です。フロリダの田舎町、少年と子鹿の心打つ物語、英語に親しむのに最高の素材です。
「陽のあたる場所」A Place in the Sun
セオドア・ドライサーの小説『アメリカの悲劇』の映画化で、モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタースが共演している映画史に残る名画です。”I love you. I've loved you since the first moment I saw you. I guess maybe I've even loved you before I saw you.”というジョージの科白は、アンジェラばかりか世の女性映画ファン全ての心を捕らえたといいます。女性向きの素材です。
「第三の男」The Third Man
1949年にアレクサンダー・コルダとデヴィッド・O・セルズニックによって製作されたミステリー映画の傑作。キャロル・リード監督作品です。劇中流れるアントン・カラスのチターの旋律が魅力的な、ウイーンを舞台に繰り広げられるあるミステリー事件です。ジョゼフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリの共演です。
筆者はこの映画のサウンドトラックをiPodに取り込んで、いまでも催眠剤にしており、すべての科白をオウム返しできます。男性向きの素材です。
まとめ
映画を使って英語を学ぶという発想は、斬新かつ効果的で、半端な感覚でなく真剣に英語を身につけたい人にはほぼ必須な手段です。英語圏で2、3年過ごすほどの効果が期待できることは、傘寿超の筆者が20代に観た映画の科白を今も忘れずにいることが何よりの証しです。
最後にひと言、英語はオウム返しで覚えるに限る、つまりこの要領で映画を10本ほども鑑賞すれば、母国語並みになること請け合いです。
編集者の一言
85歳になっても学び続ける島村さん。皆さんも学び続ける姿勢を見習い、英語学習に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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