大学生が求めていること(その3)【第5話/世界史より日本史より自分史】
【これまでのあらすじ】
2019年9月19日の16時53分に届いたある1通のメール。送信主は、関西大学の総合情報学部の久保田教授でした。
(メールの内容)
私が秋学期に担当する「コミュニケーションと行為」という授業でご講演願えないかと思い、ご連絡した次第です。
先日の「世界史より日本史、日本史より自分史」という言葉に惹かれました。そこで水樹さまに自分史を語っていただくことにより、自分づくりが将来に重要であることをお話しいただければと思っています。
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▼事の発端は下の記事をご覧ください(連載第1回)
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こんにちは、水樹です。授業の内容としては、90分すべて「講演」でいいんでしょうか?途中に自分史制作の体験ワークなどを少し入れたほうがいいでしょうか?(聴くだけより、「体感」してもらったらいいかなと思っています)
参加予定人数や、「こんな変化があったらいいな」という狙いなどあれば教えていただきたいです。全力でお応えします。(水樹からのメールより)
このメールに対して
自分史制作の体験ワークを入れていただけるのであれば、願ってもないことです。お話を伺ってすぐにワークをして「体感」してもらうのが一番良いと思います。是非80分を使ってお話と 自分史制作の体験ワークをお願いいたします。
履修者は、2年、3年を中心に4年生もいておよそ170名くらいです。授業の履修者以外の学生も参加するかと思います。だいたい180名くらいかと思います。(久保田教授からのメールより)
こうして、180人へ「自分史ワーク」も合わせた授業が決定。
そして、授業テーマを「自分らしく生きるために必要なこと」に決定したハル。より具体的な授業内容とスライドを制作することに。自分らしく生きるために必要な3つのポイントとは?
まず、90分授業のタイムテーブルを決めることに。
▼事前に把握している大学生の悩み・疑問4つ
①仕事と「やりたいこと・趣味」は分けるべきですか?それとも、やりたいことを軸にして仕事をしたほうがいいでしょう?
②なぜ今の仕事をしようと思ったんですか?生い立ちや思いを知りたい。
③生き方や働き方の選択肢はどんなものがあるか。
④好きなこと、やりたいことを仕事にするスキルを身につけるには時間が必要ですが、どうやって時間を作ればいいでしょう?
自己紹介・説明について
まず、②の「なぜ今の仕事をしようと思ったんですか?生い立ちや思いを知りたい」について答えていく。一目でわかりやすい「水樹ハルの自分史グラフ」を使って紹介します。
あと③の「生き方や働き方の選択肢はどんなものがあるか」は、運営しているHACのギャラリーサイトも紹介します。
あと、最も大事なのは、終身雇用が崩壊している時代であることの問題共有。「絶対的安泰の無いこういう時代だからこそ、自分史を作って自分の価値観や強みを理解し、自分らしく生きるために必要なことを考えましょう」という目的を明確にすべき。その説明も、冒頭のこのタイミングでおこなうことに決定。
アイスブレイクについて
ぼくがこれまで「自分史制作」をおこなってきて感じているのは、「自分のことがわからない」という人が多いこと。
自分一人で自分と向き合うよりも、2人1組で対話することで、自分自身を客観的に見ることができる。しかし、初対面同士がいきなりそのワークに入るのは厳しい。なので、ここでアイスブレイクを入れることに決定。
【アイスブレイクの目的】
・リラックスしてもらう
・価値観は人によって様々であり、正解・不正解はないということを事前理解
この後に、自分史の制作に移る。
自分史グラフ制作について
自分自身の価値観や強みを掘り起こすには、いかにホンネで話せるかがポイント。なので、安心して話せる環境づくりが絶対に必要。
・否定しないというルールの共有
・インタビューのコツの共有
をおこなった後、交互に10分ずつインタビューをしながらグラフ制作をおこなってもらう時間とする。これまでの人生の中で経験したことを、良い悪いではなく、事実として文字・言語化することが目的。
価値観整理について
ここで、「価値観は、過去の経験からできあがる」ということを説明。
自分を客観的に見ながら、「あぁ、自分は過去にこういう経験をしてきたから、今〇〇っていう価値観を持っているんだなぁ」と腹落ちしてもらう時間。
また、大学生の悩みのうちの、①「仕事と「やりたいこと・趣味」は分けるべきですか?それとも、やりたいことを軸にして仕事をしたほうがいいのでしょうか?」についても、人それぞれ価値観が違うので、自分の価値観と向き合って、どんなワークスタイルやライフスタイルを選択していくのかが重要であることを説明。
次の誕生日までにやること
「価値観は、過去の経験からできあがる」ということを再度説明。
新しい経験をすることで、価値観はアップデートできることと、「今まで先延ばししていたこと」の締め切りを設定し、新しいアクションを起こすことを考える時間にする。
趣味・興味レベルでもOK!
できれば、自分の「強み」を作ることを目的としたアクションなら理想的!
「④好きなこと、やりたいことを仕事にするスキルを身につけるには時間が必要ですが、どうやって時間を作ればいいでしょう?」という答えも合わせて説明する。
以上を踏まえた時間配分は・・・
・10:40-10:50
久保田教授 講演の導入説明(10分)
・10:50-11:15
自己紹介・説明(25分)
・11:15-11:20
アイスブレイク(5分)
・11:20-11:40
自分史グラフ制作(20分)
・11:40-11:50
価値観整理(10分)
・11:50-12:00
次の誕生日までにやること・クローズ(10分)
・12:00-12:10 アンケート記入(10分)
自分史ワークについては、2人1組でお互いにインタビューしあってコミュニケーションしてもらいながら制作してもらうスタイルでお願いしたいです。
受講いただく学生一人あたり、ペンとA4の白い用紙を用意いただきたいです。用紙は1人あたり3枚ほどご用意いただけるとありがたいです。(水樹からのメール)
この内容を、久保田教授に送付したところ・・・
当日ですが、JR 高槻駅 改札口 でたところで 遅くとも10時にお会いできれば、私の車で大学までお連れしたいと思っております。(久保田教授からのメール)
ポスターを学生が作りましたので、添付でお送りいたします。
次回予告
次回、ついに関西大学での授業…!
18年前に不合格となって諦めた大学での講演をおこなう…。
大学生の心は動かせるのか…??
次回へつづく(第6話)
いつも連載をご覧いただきありがとうございます。このページの下にある「サポートする」でいただいた資金は、学生に「対面orオンラインでの自分史制作」をさせていただくために使わせていただきます。今後も連載をお届けします。ご支援よろしくお願いします。
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