【 8th ESPIAL 】ソーシャルメディア発 リアルタイム・ピンチ行 リモート・ミステリー
ミステリーには事件を直に捜査せず、助言者として解決するアームチェア・ディテクティブがいる。ある時はその場に居合わせて事件へ首を突っ込んでいく素人探偵、またある時は捜査機関から事件の解決を依頼される捜査コンサルタント、そして新たな助言者はネットから事件を解決していく。
アームチェア・ディテクティブの新機軸
人々がソーシャルメディアでつながり、リアルな社会とネットの社会を自由に行き来してコメントやパフォーマンスを繰り広げ、インスタント・メッセンジャーでダイレクト・メッセージを交わす日常。
不意にネットの先から迷い込む退引ならないヘルプリクエスト。
とまどいつつ応ずる誰かと誰かのやりとりは、いつしか非日常を解き明かすミステリーへと変貌していく。
すなわち科学捜査によって駆逐されたArmchair Detective(安楽椅子探偵)が、情報技術によってMessenger Detective(電報配達人探偵)として再起するのだ。
今や助言者は、文字や音声に留まらず画像や動画までリアルタイムにやりとりでき、かつてないほどパワーアップしている。相手に状況確認しながら質疑応答したり、時には複数人と交渉したり、なんなら最悪の事態を未然に防ぐことだって可能だ。特別なネット環境を描き出すミステリーの世界に、ネット環境が当たり前となった日常が非日常へ転じるさまを描き出すリモート・ミステリーが仲間入り、というわけだ。
新機軸の経緯はこうです
私がメッセンジャー・ディテクティブによるリモート・ミステリーを考えたのは、以下のスマホ用アプリがきっかけである。
現在は iPhone 用アプリのみで残念至極なのだが、メッセージのやりとりをしながら発生する複数の行動選択に答えていくテキスト・アドベンチャーである。
深夜のコンビニに居酒屋や遊園地、見知らぬ豪邸、研究所や離島など多彩なシチュエーションに、幽霊や心霊写真、不吉な絵画や呪いのプログラム、未知のウイルスや等身大の巨大昆虫などの危機が迫る、豊富なシナリオ展開。
国内外の映像作品とコラボレーションしたシナリオも、ゲームとコラボ作品のイメージを崩さずゲーム内にエピソードを組み込む楽しい仕掛け。
日常のやりとりに近いシンプルな操作とスピーディーに話が展開するゲーム性が、読み物ゲーム好きとしては実に楽しい。
その後、『助けてください〜既読スルー禁止〜』と同じ流れを汲むゲームはないかと探した結果、こちらの『超SOS』を見つけることができた。
コラボレーションの予定は未定のようだが、アニメ風に統一されたビジュアルに、シナリオが展開するとキャラクター相関図が描かれ、助言した後の待機時間にゲーム性を持たせるなど、新たな演出が組み込まれている。
もしも自分が新機軸の流れを汲むとしたら
私はリモート・ミステリーの味方のつもりだが、どうやらリモート・ミステリーは私の味方ではないらしい。そんな予感が鳴り響く限り私のパレードは続くので、私は私でメッセンジャー・ディテクティブの話を書くことにした。
名づけて【 SCRAMBLE・MESSENGER 】。
話の投稿は、ダイレクト・メッセージと言えば X( Twitter ) ということで、 X のマルチアカウントでメッセージのやりとりをポストしていく。
ミステリー史上最速にいきなり発生する事件へ、ミステリー史上最速でネットから緊急発進する、ミステリー史上最速なメッセンジャーの物語である。
ゲーム的な主人公の名前変更や性別選択、マルチエンディングと釣り合うべく、パラレルワールド・トリッパーという裏旋律も奏でていくとしよう。
さて、どうでしょう?
壁l・ω・) 壁l)≡サッ!!