3ヶ月目のヒーロー
彼が副店長に就任したのは店舗デビューから3ヶ月後の店舗が荒れに荒れていた時。
店舗がオープンしてから6ヶ月で8人もの人が辞めていた。
なぜ彼が副店長になれたかというと
当時の店長と副店長が店舗内でケンカ。
その日のうちに前副店長が辞めてしまったから。
当然店舗はマイナスの空気に包まれる。
何が悪いというよりいろんな要素で歯車が合わない
誰もこの店で責任者をしたくない
そんな中彼は就任した。
彼も当たり前に最初は不安でいっぱいだったよう。
花花に相談しに行ったり
前副店長に業務内容を聞いたりし、何もやったことない状態からすべてをやるということに
追い付くために必死で動いていた。
あまり多くを語る人でもアピールをする人ではないが、 面接の時から周りに対し誠実だった。
荒れ狂う店舗の中で、他のスタッフがネガティブな発言、態度を繰り返す中
彼は誰のことも環境についても何も悪くは言わない。
いつでも矢印は自分。この店を盛り上げたいとだけ話す。
彼が就任してからは当時の店長が苦手だった集計業務や顧客管理を 、彼が持ち帰ってやっていたそう。
店舗でも協力してくれない人もいたのでシステムが狂わないように 、毎日毎日彼が整えてくれた。
(この話は他のスタッフが教えてくれた)
それでも彼は誰のことも悪く言わなかった。
店舗含め環境がまだ整わないことに申し訳なく思っている私に彼は
「こんなにいい会社はない。いつか日本と同じように台湾も盛り上げれるようにしたい」と言ってくれた。
「絶対に頑張ります」と
店舗も増え、管理職人口も増えてきて私にも少し余裕が出てきたところで
一気に立て直しをすることを決めた。
ここから彼の良さが爆発し、店をいい方向に動かし出す。
まず手を付けたのは集客の質の改善。
もちろんやらない人も出たが、相変わらずやらない人に矢印が向くことはない。
協力的なメンバーと、質を見直したことで新規数は立て直し前の月と比較して160%UP。
それを見て非協力的だったメンバーたちにも徐々に変化が。
単純な話、彼らの言い分はやっても来ないからやらないだけ。
もちろん集客は嫌い。でもお客様には入りたい。
お客様に入りたくない人はそもそも、もうこの仕事は辞めた方がいい。
なので徐々に成果が出だすと彼らも少しずつ加わるようになった。
こういった荒れてる店舗に入るとつくづく思うのは「店を悪くしようとしてる人は一人もいない」ということ。
やっても成果が出ないという思い込みが彼らを止めてしまっただけ。
そこを紐解いてあげないまま否定することなんて誰でも出来る。
彼はそこにはいかずどうやったらみんなで前を向けるかだけに意識がある。
視点はもちろん彼も新人なので少ないが、視点が増えた後はどうやったらみんなが出来るかだけを考える。
スタッフに話を聞くとやはり
「JHEが頑張ってるから。」という。
彼が就任してからの1年を見てきているから。
立て直すにあたり、店舗内でのコミュニケーション不足が露呈してからは
あまり話すのが得意じゃない彼もみんなとMTGの時間を設け、積極的にコミュニケーションをとるようになった。
時に強くいってしまったこともあるようだけど、
きっかけ次第でこれだけみんなが動くということは、彼がどれだけ陰でみんなを支えてきたか分かる。
この2か月程集中して立て直しに取り組み、売上は143%UP。
利益は日本のトップ店舗に近いものが出て
単月では過去最高で初めて台湾でも1番の結果となった。
本当におめでとう。
JHEからすると特別なことをしたわけじゃないかもしれない。
彼がそもそもそういった器の大きい人というだけなのかもしれない。
でも助けられた方にとっては特別で大きなこと。
事実、私はとても救われた。
あの時の店舗も大変だったが、Fubic台湾の状況もいっぱいいっぱいな時だったから。
デビュー3ヶ月ってまだ自分の事に精一杯なとき。
ただ副店長になったということであればとても喜ばしい事。
ただ環境は最悪だったから。その環境を知ってる上でyesと言える人がどれほどいるだろう。
ネガティブな環境をポジティブに消化できる人は本当に強い。
暗黒期を支えてくれて本当にありがとう。