バスでバッタンバンからシェムリアップ 東南アジア横断1-5
バッタンバンで宿泊したホテルには朝食がついていた。いつもは朝食を食べない自分だが、もったいない精神でバスの時間に合わせて食べに行くことにした。
ビュッフェ形式で好きなものを好きなだけ食べていいが、全然美味しそうじゃなかった。
ベトナムのホテルだとビュッフェ会場にはシェフっぽい人がいて作りたてのフォーが食べれるのだが当然ここはカンボジア、シェフっぽい人はフォーを作ることはできないようだった。
ドリンクコーナーにはコーヒーとお湯が沸いていた。コーヒーが好きじゃないので紅茶を飲もうとしたがティーパックがない。スタッフに言うと、紙に包まれてないティーパックを直接手で渡してきた。ワイルド。
そろそろホテルから出発かなと言うタイミングでメッセージに気づいた。バス乗り場が変更になってた。
といっても元々の乗車予定の場所の通りと同じ通りでなんてことはない。
時間通りに変更したバス乗り場に行ってバスを待つ。誰もいない。時間を守れるのはこの世で日本人だけなのだろうか。
10分ほど遅れて初老の白人男性がやってきた。
その後バスが来た。バスが来たといってもハイエースのようなバンがきた。ドライバー入れて8人乗りだ。バスが到着しても特に動く気配がないので乗り込まない、そのまま30分くらい待っていたら遅れてきた旅行者も到着しみんなバスに乗り始めた。
自然の成り行きで車の中央の狭い席になってしまった。ついてない。ドライバー含めて5人が乗車していて、真ん中の列に3人、後ろの列に1人、助手席が空いてる。
初老の白人がドライバーに何か言ってる流暢な英語でドライバーは迷惑そうな顔をしていた。
2,3秒沈黙すると白人は車から降りて助手席に乗り直した。ドライバーは嫌そうな顔をしたけどしょうがないっと言う感じだった。
シートベルトを閉めた後、白人は振り返りこちらを見た。「お待たせしてすまないね」と言う感じだ。
隣の席が空き、広くなって都合のいい自分は「ナイス〜」みたいな感じの表情を返した。
こちらの意図がわかった白人もニヤリとして前を向いた。
強すぎる日差しと車内のクーラー、早起きの寝不足、ここまでの疲れ。
半分寝て半分起きてる状態で車に揺られた。
バスは2、3回停車して追加で人を乗せ最後には全ての座席が埋まった。
自分の右に座った人は本当は助手席に座るはずだった人だろう。白人の一人勝ちだった。
3時間くらいでバンはシェムリアップについた。
到着場所の正確な位置は知らなかったのだが、予約してたホテルの真ん前だった。シェムリアップから出る時も朝早いので出発するバス乗り場の近くにホテルを予約していた、シェムリアップ到着とシェムリアップ出発のバス乗り場が同じだったのだ。
バスから降りてきた人を待ち受けていたトゥクトゥクのドライバーが声を変えていき、何人かはトゥクトゥクに乗り込んだ。
自分に狙いを定めて声をかけてきたドライバーには申し訳ない。俺のホテルは目の前だ。
ホテルは、まあまあ良さそうだった。この日から7日間ここに滞在する。
ランドリールームがあるから洗面台で石鹸でのお洗濯をする必要もなさそうだ。
部屋で少し休んだらバイクを借りて出かけることにした。まだ昼過ぎで時間はたっぷりあった
Hondaを借りたい旨と100ドル札を両替したい旨を伝えると思いのほかロビーで待たされた。
バイクに乗って戻ってくる道中で100ドルを種銭にギャンブル一発勝負してから戻ってきてるんじゃないかと邪推するほど時間かかった1時間くらい待ったと思う。
とりあえず、「足」と「お金」を手に入れた。準備ができたので早速出発する。
コロナ前に来た時より街はずいぶん発展してるように感じた。
借りたバイクも全く問題ない乗り心地。
今日から1週間のシェムリアップ生活を充実させるための準備を進めた。
人生の結果は準備が8割・行動が2割だって自己啓発の先生も言ってた。冒険の前には装備を整えるものだ。
まずは、SIMを確保。すでにE-SIMでSmartのキャリアに接続できていたが、連絡が安定するように2キャリア準備するのが会社との約束だ。
Smartは速度に定評があり、このmetfoneはエリアに定評がある。明日は郊外に行くつもりだからエリアに定評のあるこのSIMを契約しておきたかった。これで「通信回線」の準備が整った。
次にアンコールパスを買いに行った。
アンコールワット周辺の遺跡を見るにはこのパスが必要、1日券、3日券、7日券とある。
青春18きっぷのように、使うと消費されていくルールで使わなければ期限内30日の間はいつ使ってもいいルール。正直3日券でも自分の日程では足りそうだったけど、10ドルくらいしか差がないので7日券を買った。7日券だとラミネートもしてくれる。スコールで全身びしょびしょに濡れてもこれなら安心。ラミネート代の10ドルだ。遺跡への「鍵」を手に入れた。
最後に、1週間をより楽しむために、アンコール国立博物館に行った。
これは本当に失敗だった。ミラクル大失敗だった。
たまたまGoogle Mapでいろんな観光地のレビューを読んでいたときに
「博物館に行ってから遺跡を回ったら何倍も楽しくなりました」と言うクチコミの書き込みを読んで、「なるほど、今回は滞在も長いししっかりシェムリアップに詳しくなるか」などと血迷った発想になったのだ。
書き込んだやつは人生何周目なのだ?どうやって比較した?ハメられた。
入場料にプラスして、館内の説明が日本語で聞けるイヤホン付きのレコーダーを借りた。合計で30ドル近かったと思う。
最初のエリアは仏教&仏像エリアだった。最初は学ぶぞって気持ちで聞いていたけど、いつしか再生速度を2倍に、そして聞かなくなった。
興味のない仏像の前でじっと止まって説明を聞くことができない。
仏像のポーズには意味がある。と言う説明。
右上のポーズ、右手のひらを正面に向けるポーズは「心配ご無用」のポーズだと言うこと以外は全て忘れた。
博物館、自分には合わない。早く遺跡回りたい。こんな自分らしくないことをなぜ選択してしまったのか。30ドルは勿体無いが、お金を払って我慢する時間過ごすならお金だけ無駄になった方がいい、30ドルあれば地球の歩き方がkindleで買える。地球の歩き方読んだ方が自分にはあってた。とずっと考えながら博物館を回った。
仏教ゾーンが終わったらヒンドゥ教ゾーンに繋がっていった。
どうやらクメール王朝は、王様が仏教だったりヒンドゥ教だったりしたらしい。そんなんで国民はついてくるのかな?って感じがしたが、どうやら王様は自分を国民よりも神に近い存在として定義していたという説明があった。遺跡の一つはその神と自分が一体化するための神殿だとかなんとか。王様が自分を神だと言い出すのなんかダサいなぁって見ていた、で後で気づいた。日本の天皇も一時期そうだった。
ヒンドゥゾーンを抜けるとアンコールワットの説明に入った。
疲れ果ててたけど、この辺はちゃんと知ったほうが楽しくなるだろうから最後の気力を振り絞ってできる限りみた。
アンコールワットゾーンの一番の展示のメインは乳海攪拌だった。
これは、真ん中にいる亀に乗ったビシュヌ神(ヒンドゥ教の神)を中心にナーガを綱にして綱引きをしている、この綱引きに勝った方が不老不死になれるというものらしい
後で気づくが乳海攪拌は街の至る所にデザインとして使われていて、一番代表的な壁画だった。
アンコールトムの門の橋(写真はCOVID-19前に来た時の自分)
公園の柵にこのデザインが使われていた。
博物館を出る頃には日が沈む頃だった。
この度1番の疲労を感じながらも、できる限り「知識」の準備を整えた。
平日は普通に仕事するとはいえ、町中に遺跡があるシェムリアップに1週間も滞在できるなんて夢のようだなと思えた。
費用
シェムリアップへのバス:$5
ホテル7泊:$131
レンタルバイク:$9
SIM(metfone):$10
アンコールパス:$72
博物館&音声案内:$30
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