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マケインについて思うこと。第2回 1巻についてまだ語ってないこと

第1回はこちら


1 まだまだ語り足りない



マケイン1巻についてさんざん書いたようで、実は後半部分については何も書いていない。 あまりネタバレになることばかり書いてもしかたないのだけど、2巻を考察していくのに必要な範囲でふれていく。

2 「そーゆーとこ」

温水に対するマケインたちの評価としてかかせない「そーゆーとこ」。
1巻では83頁、108頁、166頁、188頁に出てくる。他にもあったらごめんなさい。
この中で一番注目したいのは、最後の焼塩
「ホント。八奈ちゃんの言う通り、そーゆーとこだな!」である。
このセリフに続けて「女の子は甘えたいときもある」というのが続くのだが、
これでわかることは

 ア 八奈見は焼塩に対し温水との関係についてグチ・あるいは相談をしている。
 イ 焼塩は温水の女の子の扱い方がうまくないと忠告している。
 ウ 具体的には女の子が好意を持って接して甘えているときは、それを受け止
  めてあげるのは男の優しさということ。

 ここまできて、八奈見が温水に好意を持っていないというのは無理があるだろう。

3 温水の不思議

それにしても、主人公の温水はおかしい。いや不可思議といっていい。
彼はクラスで孤独だ。いわゆるぼっちで友達がいない彼女いない。そういう主人公は別に珍しくない。はがないも俺ガイルもそうだ。
しかし、はがないの場合は転校ばかりして髪の毛含む見かけが怖くて敬遠された、俺ガイルは姿勢が悪くて目つきが悪くて自意識過剰で交通事故で出遅れて、とか理由付けはある。

それにひきかえ温水はどうだろう?特にアクシデントがあったということはない。住まいはたぶんずっと豊橋だから同じ中学出身もいるはず。みかけはイラストにひっぱられるわけではないがむしろ美少年。女装回が楽しみだ(あるかしらんけど)。
成績は学年で37位。腐女子には馬鹿にされたが地域一の進学校でこの順位はなかなかだと思う。
入学してすぐ文芸部に見学にいくくらいの積極性はある。塾ではけっこう仲間と話して仲良くなっている。つまり人嫌いでもない。
最後に妹には超愛されている。
じゃあ、なぜクラスでのみ空気なのだろう?

中学からのいじめをひきずるでもなく。いいも悪いもクラスで話題に上らず。
ヒント。休み時間にはしょっちゅう学校内各所の蛇口にいって水の味をソムリエする。

4 温水がみたくない光景

つまり逆なのではないか?水を飲むために休憩時間は外にいくのではない。クラスにいると、そこで嫌でもある光景をみてしまう、それが嫌だったのではないだろうか。

クラスにいるとみえる光景。それは物語の始まる前は何だったろう。そう、八奈見さんと袴田と姫宮華恋の3人の一見仲良さげな、実は現在進行系の寝取られ。

八奈見さんは何が進行しているか気づいている。姫宮さんは寝取る(厳密には違うがとりあえず)ほうだから当然わかっている。袴田は八奈見さんの自分への気持ちをわかってないからのほほんとしている。

そして、当初、それをみていた温水は。ただの傍観者である彼は。

それを見続けることができなかった。ほのかに八奈見さんに好意があったのかもしれない。姫宮さんの無邪気な残酷さが、袴田の鈍感さが耐えられなかったのかもしれない。

だから教室には授業時間以外はいない。授業が終わるとすぐ学校を出る。休み時間の雑談などもないから必然的にぼっちになる。ファミレスも学校から遠いところにわざわざ行く。

ふう、疲れた。今宵はここまでにしとうございまする(岸田今日子の大奥ナレ)

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