人から聞いた怖い話♯1 テレビロケ

テレビ業界に勤めている友人から聞いた話です。
彼はバラエティ番組のADをしていました。
色々な場所や人を 若手芸人が調査を行い
そのVTRを後日 スタジオで
クイズやコメントする形式の番組を担当していました。

ホテルの心霊現象を調査してほしいと依頼があり
芸人だけでなく霊媒師の方も同行するロケを企画しました。
霊媒師の方には断られてしまいましたが
後日のスタジオ収録に出演頂く了承を得て、芸人だけでロケを行いました。

編集も終え 通常でしたら
演者と事前打ち合わせしてからスタジオ収録ですが特段、心霊現象も取れなかった為
ショート(?)として 他VTRとのつなぎ扱いになりました。

スタジオ収録が始まり ロケに行った芸人は
「不思議な現象が撮れた」と少々興奮していました。
しかし、VTRには変わった映像はなく
机でネタを考え練習する様子しかありません。
途中、風呂を溜めていたのを忘れたのか
「水が溢れてる」
窓を開けたのを忘れていたの
「窓が開いてる」
寝てたら急に起きて
「何かが紙に書いてある」
と 無理矢理心霊現象をアピールする始末
スタジオの誰もがボケているのか と笑っています。

「おれ知らない」
芸人が絞り出す様に言います。
水が溢れたのは覚えているけど
自分で風呂場に入ったことは覚えていない。
同様に、窓を開けたことや机で書き物をした記憶もないと言います。
顔はVTR前には赤らんでましたが、今は青ざめています。

「憑かれているよ」と霊媒師がポツリと言いました。
ホテルで亡くなられた方が、芸人の体で生きていた頃の行動を繰り返していたとのこと。
死んだことを理解できていなかったり悔やんでいるとある事らしい。

全てが全て、心霊現象にすべきではないですが
覚えがなかったり自分らしくない行いには、体を使われて誰かにやらされていた事もあるのかもね。

ご清覧ありがとうございます。

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