詩:『死ぬより粗末な恋がしたい』

この身体、全部きみにあげちゃってもいいよ?

放つ言葉は乾いている。声になるのもやっと。
あげちゃってよかった。だってもう必要ないし。

抱きしめる腕の隙間から血が滲み出す。
体温か血液か。どちらのぬくもりか。
だんだん曖昧になって溶け合い出す。

ふるえてるの?泣いてるつもり?
そんなの信じない。
思考回路はいつだってニヒリスティック。

いまこの感触がたとえ心地よくて、
頬を赤らめる程、嬉しくても。

感情が思考を追い越して、
私のありとあらゆる欠陥を満たしてくれるなら、
涙の理由、わかる日が来るかな。

やすっぽい、なけなしの命。
恋になるなら、まだマシね。

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