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【ラグビー】大学選手権・早稲田歴史的大敗 (65/365)

2022年度大学選手権決勝。早稲田は帝京に歴史的大敗を喫しました。

73対20は決勝としては得点、点差ともに記録だそうです。早稲田にとっては極めて不名誉な記録となってしまいました。

私は高校大学とラグビー部でして、ご縁があって早稲田ファンでもあります。ファンとしてあえて辛口に言えば、今日は最初から勝つ気がなかったように見えました。肝心のタックルに魂が感じられませんでした。決勝進出で燃え尽きてしまったのか、圧倒的な力の差を意識してしまったのか。

かつて旧国立を満員にした早明戦では、力で劣勢の早稲田が、捨て身のヘッドオンタックル、耐えるスクラム、少ないチャンスでのバックスの目の覚めるアタックで観客を魅了しました。時代は変わっても挑戦するひたむきさは持って欲しと思います。

さて今日の試合でも強く感じたことですが、最近のスクラムについて思うことがあるので記します。

私は高校時代ラグビー部で2番や3番をやってました。いわゆるスクラム第一列、フロントローです。当時のスクラムは今から比べると野蛮で、相撲の立ち合いよろしく、頭でぶち当たって相手をまくったりしていました。

しかしさすがに事故が多発したため、現在の国際ルールでは、

レフェリーの声に従って
「クラウチ」
で姿勢を低く
「バインド」
で腕を組む
「セット」
でコンタクトしてスクラムを組む

となっています。安全にスクラムを組むためです。スクラムは反則で中断した試合を再開するセットプレーのひとつで、反則したチームの相手のチームのハーフがボールを投入してスクラムの後方から出します。

かつてはスクラムの攻防も見もので、激しく押す明治。これに対する早稲田は、様々な技で対応しました。

ダイレクトフッキング
⇒電光石火でボールを出します。スクラムを組む時間を一瞬にします。
ホイール
⇒相手ボールのとき、素早くスクラムを回転して崩します
ロッキング
⇒ゴール前の守備で、足を突っ張ることで押されないスクラムをつくります

当時の厳しい練習を思い出します(汗)

さて、最新のルールでは危険を避けるため、多くの場合スクラムでの仕掛けは反則になってしまいます。安全にしっかり組むというのが方針だと思います。

反則の場合、相手にペナルティのチャンスが生じますから、最近はうまく相手の反則を誘ってペナルティを得るというのが戦術に思えます。

個人的に異論があるのが、「コラプシング」という反則の解釈です。

スクラムを意図的に崩した、という説明になっていて、今日も早稲田が何度も反則を犯していました。スクラムは試合中何度も行われるセットプレーなので、ここで反則を献上するのはとても不利です。

私もフロントローの端くれだったからわかるのですが、プレイヤー心理として「意図的に崩す」ということは考えにくいです。ましてや反則になることがわかっているプレーをわざわざするでしょうか?

それと、今日の試合もまともにスクラムが組めず、つぶれるシーンが何度もありました。これも、私の経験上、訓練した選手がいかに力の差があってもスクラムをしっかり組めないということは理解しにくいです。

私の解釈はこうです。「最近のスクラムの攻防は、スクラムを支配するよりむしろ、反則を誘ってペナルティを得ることを目的にしている。」

そうとはわからないように、圧をかけて相手がつぶれるように仕向けている。そして反則を得ると、歓喜のガッツポーズ。

これは大学ラグビーだけでなく、国際試合でも観られる光景です。個人的には見ていてあまり爽快ではありません。レフェリーが、ある程度指導しているシーンも見かけますが、悲しいかなフロントロー出身のレフェリーは少ない。時に理不尽なコラプシングがとられることもあります。スクラムはしっかり組んでなんぼではないでしょうか?

あくまで個人的見解です。異論反論がある方はぜひお願いします。

スクラムに興味を持たれた方には以下の書籍をお勧めします。マニアックですが(笑)

ラグビーはレフェリーが見えない局面でも、しっかりフェアプレーで戦う。これが真髄だと思っています。コラプシング問題も、ここに帰着できると思います。こちらもマニアックですが私の愛読書を紹介します。

それにしても今日の国立はガラガラでしたね。旧国立競技場を唯一満員にできるのが、早明戦だった時代からすると隔世の感があります。

2019年度の決勝は奇しくも、新国立のこけら落としで早明戦でした。私もスタジアムで観戦したのですが、2019年ラグビーワールドカップの余韻、新国立のこけら落とし、伝統の早明戦が重なって超満員でした。

決勝戦の国立競技場はガラガラ

それに比べて今日の試合は注目度が低かったのでしょうか?早稲田ファンが勝ちをあきらめたからなのか、ラグビー熱がさめたからなのか、今年はフランスワールドカップの年なので少々心配です。

Three cheers for Japan rugby football !!

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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