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組織は戦略に従う? (123/365)

「組織は戦略に従う」
とは、有名な経営学者である、アルフレッド・チャンドラーが残した言葉です。

大企業の人と新規事業の話をしていていつも違和感を感じることがあります。事業や市場、技術の話をしているのに、いつのまにか組織、しかも自分の会社の組織の話に変わっているのです。

「この技術で新しい事業作れないですかねぇ。協力いただけませんか?」
「いいですね。」
「まずどこから手をつけましょうか?」
「それより、まずどこの本部でやるかですねぇ。事業領域的にはA本部なんですが、技術面ではB本部だし、ビジネスモデルが新しいので企画にも話を通さないといけないし。あっでも企画部長とA本部長は犬猿の仲だったな。というか当局の規制緩和はあらかじめ渉外に相談しないといけないし」
「・・・まず先に事業仮説の話を詰めませんか?・・・」
「はぁ?」

みんな組織とか人事の話大好きですよね。池井戸さんのドラマや、大河ドラマ、政治ニュース観ていつも思います。百歩譲って、実行フェーズにはこういう話も大事でしょう。しかし、それはあくまで実行手段の話です。まず、構想、目的を明確にすべきなのはあたりまえのはずですね。

目的と手段の取り違えはこちらにも書きました。

組織や人事に囚われているという見方もできますか、ひょっとするとそっちが好きなのかもしれないという疑いもあります(笑)。

私はいつも、目的、「戦略的意図」がまず先にくるべきだと考えています。

したがって、新しい事業の話をしているときに、まず組織の話から入る人には強い違和感を覚えますし、そういうプロジェクトは大きな失敗もないかわりに、大きな成功もありません。

目的と手段の取り違え

もしくは、少し数学的に言えば

目的関数と制約条件の取り違え

と言えると思います。確かに、最適化問題には、

制約充足問題

という問題もあって、これは制約を満たす解を見つけるだけでも相当難しい問題なのですが、事業開発においては、しっかりした、目的関数がないと、あちこち調整して、なんだが凡庸なプロジェクトになってしまうことは必至です。

この件で少し情報を調べていたら、アンゾフの新事業マトリクスで有名な、アンゾフは、あえて

「戦略は組織に従う」

というアンチテーゼを立てているようです。

テーゼ
「組織は戦略に従う」 チャンドラー

       VS

アンチテーゼ
「戦略は組織に従う」 アンゾフ

面白いですね。テーゼ、アンチテーゼからアウフヘーベンして生まれるジンテーゼ(新しい考えの枠組み)はいったい何でしょうか?

この課題は引き続き深めていきたいと思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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