天の時、地の利、人の和 (80/365)
高校時代はラグビー部でした。伝統のある部活だったので、元旦から練習して、グラウンドにお神酒をまき、その足で近くの神社にお参りしました。
「戦勝祈願するな。神よ御照覧あれ、と祈るんだ。」
と部長先生の言葉。熱血先生で、試合前の口癖が、
「天の時、地の利、人の和!」
私も公式戦の試合前などはこの言葉に気合が入って、
「ハイッ!」
とか言ってました。最近ふとそのことを思い出して、何の気なしにあらためてこの言葉の意味を調べてみたら、驚愕の事実が。
私の理解は間違っていました。
私は、
「天の時、地の利、人の和、三位一体となったとき最高の力を発揮する」
くらいに理解していたのですが、実際は
「天の時も、地の利も、人の和の強さには及ばない」
という意味だったのですね!!
つまり、部長先生は、
「チームワークだ!」
とおっしゃっていたわけです。いやぁ、恥ずかしいです。
考えてみれば、公式戦はグラウンドも、試合時間も、抽選で決めたものですよね。つまり自分ではどうにもならない。しかし我々には日ごろ鍛錬したチームワークがある、ということですよね。
いまなら心から言える
「ハイッ!」
と。
もちろん、これはチームを鼓舞する言葉ですから、逆に言えば、天の時=タイミング、地の利=ポジショニングも大事だと言うことです。
ビジネスの世界でも、チームワークは最も大事ですが、天の時、地の利、もうまく活かしてこそ無双である。
いつまでも、
「全社員一丸となって!」
と言っている経営者は考え直した方がよいかもしれません。もちろん、そもそも一丸になっていないことが問題なのでしょうが。
地の利=ポジショニング、について、マイケルポーターの「ポジショニング戦略」はあまりにも有名ですね。自社の業界での立ち位置で、勝負はほぼついているという考え方です。裏を返せば、自社にとってよいポジションを取る戦略です。「ファイブフォース分析」はご存じなのでは?
競合を多面的に分析して、自社の有利なポジションをあぶり出そうという方法です。地の利。
天の時=タイミング、については明確な理論を知りませんが、事業開発や市場投入において、よく「早すぎた」、「遅すぎた」という言い方をしますよね。TEDに面白いプレゼンがあります。
スタートアップの成功の要因分析によれば、タイミングが最も重要だと言うのです。あらためてデータを突き付けられると驚きを感じます。
そういう意味では、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」でも、破壊的イノベーションは静かに進化し、気が付いたら市場を席捲しているという意味で、時間軸、タイミングを重視した戦略と言えるかもしれません。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。