ヨウ素(Iod.)とタイムラプス②
この「成熟した果実と、新鮮さ、未熟さを同時に好む矛盾」そのもの、なエピソードが、ネットフリックスあるいはNHKで観られる、ミルドレッドの魔女学校の、シーズン1の6話目に、あった。
ネタバレなので気になる人は視聴してから来てください。
あらすじはこうだ。
成績がいつも悪い、魔女見習いのミルドレッドが、賢くなるための魔法を使ったのだが、起こったことは賢くなるのではなく、老いたおばあさんに変身してしまった、という内容である。
この、肉体面が老いるのと、賢くなる=智慧が深まる、というのがひっくりかえってしまった!というネタがまさに、
これからの時代全員につきつけられる、生贄神と根源神からの試練
そう思うのである。
ふと気になって、frequency という単語を調べてみると、
直訳すれば「頻度」「周波数」という意味になるのだが、
まさに、ミルドレッドが
賢くなろうとしたら=周波数をあげようとしたら
老いてしまった=頻度があがって酸化しただけになった、という混線が、このspell にあるなあとしみじみ思ってしまった。
そう、周波数と頻度、がなぜ同じ単語に割り当てられてるのか?
昨今スピ界隈では周波数のことを耳にした人は多いだろうけれど、わたしは、ある音を誰でもたたけば救われるというのは違うと思っているのである。
それがまさに、この同じ呪文を口にしたはずが老いちゃったというお話なのだ。
よく、スピ界隈で、波動を高めようとか、次元が上がるなど、上、を意識した言葉遣いがなされる。
しかし、そのためのハウツーは、結構適当で行き当たりばったりな内容が流布されている。
本当の意味で、安定的に波動を高めるとするならば、それは確かに、何度も反復継続して、ある物語の扱い方に慣れていき、それに熟練する、ということからスタートするのは一理ある。
しかし、ただ深く考えずに、物理的な法則の習得という意味で、何度も繰り返してその動きがうまくなる、だけでは、波動は上がらない。
それだけではただ、力の神に自分を贄として捧げているだけで終わってしまう。
ゴムを何度も伸び縮みさせると、劣化してそのうち、縮まなくなるのと同様、また、金属疲労によって、ある日突然固い部品が割れてしまうように、ただ、時を重ねて反復継続した結果、劣化してしまうのと同じことだ。
では、波動が高まるときはいったい何が起こっているのだろうか?
そこで起こっていることは、物語のプロセスを生き生きと味わい、その起伏を楽しみながら繰り返す、ということだ。バシャールはこの様子をワクワク、という言葉で描写したけれど、まさに、一見同じに見える繰り返しであっても、その人にとって生き生きさやわくわくを伴っているかどうか、が鍵になる。
その、想いがこもった反復継続を繰り返していると、周波数帯は次第に、重力から解き放たれて離陸して、上昇していくというわけだ。
空を飛ぶためには、自分で離陸するための手順を踏まねばならない。
非常にシンプルなことだけど、義務感にあふれ、力を手に入れ、その過程ではプロセスはないがしろにし、果実だけ貪れ、とされている社会で、上昇する楽しさ、離陸する手順を自ら味わうということは、基本的に人生から閉め出されているのである。
人生において、自分で飛行機を操縦するかのように、離陸の準備を行って空を飛び、また安全に着陸する、というような意味での技術、を学んでいる世界のひとつが、芸術の世界かもしれない。
様々なやり方があるが、基本的にすべて、この「空を飛ぶ」ということを自分なりに習得していくことを、自分のやり方でつかみとっていく、それが芸術の本体ということになるわけだ。
この、空を飛ぶ感覚の鍛錬は、作品をつくったり演じたりする以外にも、日常の中で様々味わう瞬間がある。わたしはその、日常が違って見えてくる瞬間、というものが好きなタイプだ。
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