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書きかけてやめた日記がたくさんある。

2023年は重たい1年だった。歌人としては依頼があれば作品を書き、予定が合えば歌会に行くという程度の停滞した書きぶり。昔の自分が見たら、「お前その席俺に譲れ」と息巻きそうなものだ。それでも依頼を受けて頑張って作品を作っているときは生き生きとした気持ちになるから、短歌を諦めたわけではないのだと思う。

仕事をして、酒を飲んで、YouTubeやTwitchで配信を見たり、家族と会話をしたり(時に励ましたり)、というのが今年の主な暮らしだった。家族も僕も体調は安定しない。落ち込んでどうにもならない時もあった。

世界にとって大事なことよりも自分にとって大事なことを優先してしまうことへの負い目がいつもある。それは負い目でもあり、苛つきとも言える。

2月に母方の祖父が亡くなった。9月に兄が結婚した。兄はその後アメリカに引っ越した。僕はずっと大阪にいる。

本屋に行かなくなり、漫画を読まなくなった。仕事帰りに寄れる本屋は19時に閉まる。漫画を読まなくなり、アニメもさらに見なくなった。読んだら、見たら楽しいと思えるはずなのに。

いったい何をしているのか?と問われると、何もしていないとしか言いようがないのだとおもう。

あなたは犬みたいなひとだと言われる。ふたりで動物の動画を見てけらけらと笑う。自分の中の詩の魂は静かに眠っている。何も書けなくなったっていい、とも思う。

明日は朝ごはんにスナックパンを食べ、職場へ行き、図面を書いて過ごすのだろう。

特に嬉しいことこそ、日記に書きかけてはやめてばかりいる。誰かと会ったとか話したとか、書いても自慢しているみたいだなと気づいて書くのをやめてしまう。ほんとうの心のときめきを逃したくないだけでも、一度そう気づいてしまうともう書けなくなる。僕のnoteの下書きはそんなのばっかりだ。

日記は終わりどころがわからないから終われない。無駄な夜更かししてしまった。

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