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商標異議申し立て~取消~

商標の異議申し立ては、維持、つまり、取り消されないことがほとんどですが、今週は発見した2つの取り消し理由についてご紹介です。

ひとつ目は、こちら

商標法3条1項3号
異議の決定|2021-900430
スマホで年賀状

「スマホで年賀状」の文字からなる本件商標は、「スマートフォンで年賀状を作成するための商品及び役務」であることを容易に認識、理解させるものであるから、本件商標をその指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」及び第42類「全指定役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記意味合いを認識し、その商品の品質、役務の質及び役務の用に供する物等を表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当であるから、本件商標は、商品の品質、役務の質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。

異議の決定|2021-900430

スマホで年賀状を作ることを意味しているだけの言葉で、誰でも使える言葉だよね?独占はできないよね?という結果となりました。

査定前の使用例をかなり挙げて、これを根拠にしておられましたが、なぜ審査段階で拒絶理由通知は打たれなかったのだろう・・という疑問が残るものではありました。
※書式的な拒絶は打たれておりました。

次は、こちら

商標法4条1項7号
異議の決定|2021-900332
PUPU\PULA

当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合」に該当するものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

異議の決定|2021-900332

権利者が問い合わせをした後、出願していることや、その後の問い合わせにも一切応じていない点等が、出願の経緯に社会的相当性を欠く、、と判断されたのでしょうか。

なお、異議申立人は、4条1項19号についても主張していましたが、取消理由は、7号のみでした。
この7号を適用するのであれば、19号の不正の目的もあるように思われますが、周知性の判断をするよりは、7号で、、との判断になったのだろうかと思いました。


異議により取り消される案件は少ないですが、通知がくると驚きますね。
不明な点は弁理士にお問い合わせの上、適切にご対応下さい。


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