実家に感じる温かさと贅沢な孤立

私の両親と私はいわゆる普通に幸福な親子だと思う。

私には愛されて育った自覚がある。
もちろん意見で衝突したこともあるし、恥ずかしながらメンタルの状態が悪い時は当たり散らして傷つけたこともある。

今でも正直、私や姉の育ち方を見るに、教育という点ではあんまり上手には出来なかったのかな~と思わなくもないが……

それでも私は親のことを大切に思っているし、それは両親にとっても同じだと思う。

そんな私なのだが、帰省に前向きになれない感情を常に抱えている。

実際に帰ってみると、温かさと安心感みたいなものを確かに感じるし、また、実家から自分の家へ戻った時は孤独感を強く感じることもよくある。

ではなぜ帰省したくないかというと。
私の習性として、家族であっても同じ空間に自分以外の人がいるとぼーっとできないのだ。
不必要であっても何か行動を起こそうとしてしまうのだ。

実家に帰るとなると一般的には、両親の無事を確認する以外の理由として。
心の落ち着きや、ホッとする感じを味わいに行くのだと思う。

ところが私の場合、「せっかく帰ってきたのだからゆっくりしていなさい」などと言われると勝手に焦りだすのだ。

実際に勝手に手伝いをしたり、掃除をしたりすると感謝されるし、気持ちいいのだが、"実家でゆっくり" はできないのである。

しかし、両親は久しぶりに会う子供とリラックスして団欒を楽しんでいるのである。それこそ、"我が子とゆっくりしたい" のだ。
反面私は、何かしてあげなければとそわそわ勝手に焦っているのである。
しょうもない孤立だ。

せっかくゆっくりとしていい時間があり、それが求められているのに動いちゃってるのだ。
それで心が休まらないなど不満を言っている。まさに独り相撲だ。

この贅沢な孤立はいつまで続くのだろうか。
あるいは世の中の人々が、例え距離が近くても実家に顔を出さないのは、だれしもこの感情に結論付けられていないからなのだろうか。

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