創業ストーリー|任意団体「あわひ」を立ち上げます。
はじめまして。
この度、任意団体「あわひ」を立ち上げた西村征輝(にっしー)です。
あわひは「社会に間の選択肢を創り、一人ひとりの心に安心とゆとりを届ける」をミッションに、「一人ひとりが自分の生き方を肯定できる社会」を目指しています。
ホームページの立ち上げ、本格的に活動を開始するにあたって、今回は簡単にですが、僕があわひを立ち上げるまでに至った経緯を書かせていただこうと思います。
自分の生き方を否定した過去。
僕は、中高合わせて2年半の不登校経験があります。そこから、高校を中退し、通信制の高校に通うことが、自分を変えるきっかけとなりました。それまでは人見知りで、消極的な性格でしたが、「なんでも自由にやってみよう」と積極的に行動するようになりました。
そして、高校3年生の頃に、通信制・定時制の高校生を支援しているNPOと出会い、大学生になってからは、NPOでボランティアやインターンをしたりと、社会課題解決の分野に関心を持ち、活動をしてきました。
しかし、大学の卒業式の直後、突然眠れない日々が続き、パニック症状に襲われます。本来であれば大学院に通う予定でしたが、まともに生活を送ることも出来なくなり、5月中旬には休学を選択。それからは鬱の状態になりました。
そのときの僕は、本当に絶望していました。不登校から立ち直り、自分なりに楽しく、頑張ってきていたはずなのに、気付けばまた鬱になり、不登校のときと同じように、家で一人で過ごしている。
結局この生活に戻ってきてしまうのか。
今までの自分の頑張りは何だったんだろう。
自分の生き方そのものが間違っていたんじゃないか。
そんなふうにして、自分を責め続けてしまっていました。
鬱からの回復、居場所作りの開始。
鬱の状態は2年ほど続きました。その間、社会との繋がりも途切れ、今まで連絡を取っていた友人たちとの繋がりも途切れ、孤独に苦しめられていました。この時期は、正直、「人との繋がりなんてそんなもんだ」とふてくされてしまっていた部分もあります。
しかし、そんな僕を救ってくれたのは、やはり人との繋がりでした。
僕を心配して、海外から手書きの手紙を送ってくれた友達、家族の支え、それらの助けがあり、徐々に体調も良くなってきます。
そんな折に、友人が、「空き家を格安で買って、自分でリフォームして、人に貸す」という事業を始めるということで、その手伝いをさせてもらうことになりました。
そして、手伝う代わりに良い物件があったら使わせてほしいとお願いをして、その結果、今も住んでいる大阪府、交野市の物件が見つかり、そこで前々からやってみたいと思っていた「社会人のための居場所作り」として、「いろり」を立ち上げました。
今の社会には間の選択肢が少ない。
2021年1月にいろりとしての活動を始めて以来、
「実は仕事を辞めた」
「今仕事がかなりしんどくて…」
と、知り合いから連絡が来ることが増えました。
その方々とお話しをしているといつも思うことがありました。
「どうしてこんなにも優しくて、素敵な人達が、苦しまなければいけないのだろう」
どれだけその人が優しくとも、「働く」というただ一点だけが上手くいかないだけで、これほどまでに苦しさを抱えてしまう社会に、悔しさと憤りを感じました。
そして、様々な人とお話しを重ねる中で、生きづらさを生み出す要因として、今の社会には間の選択肢が少ないということがあるのではないかと思いました。
会社に就職して週5日働くか、フリーターとしてアルバイト生活を送るか。働くという選択肢一つをとってみても、安定か不安定かといったような極端な選択肢しかないように感じます。
その結果、
仕事が辛くても、なかなか辞めることが出来ずに、体調を崩してしまうまで働いてしまうということが起きています。
また、もしも辞めたとしても、「無職である」という状態は良しとされず、すぐに新しい職場を探さなければというプレッシャーを感じている人もいます。
これらは、全て社会に間の選択肢が少ないことが問題だと思っています。
収入は減るけれど、週3日だけ働いて生活をする。
一度仕事を辞めて、ペースダウンをした上で、再度自分のやりたいことを考える。
そんな間の選択肢があっても良いのではないでしょうか?
仕事を辞めた人。働いているけれど、しんどさを抱えた人。
そうした、どこか今の社会に適応できずに、社会の隙間で息苦しさを感じている人が大勢いるように感じます。
しかし、そんな社会の隙間には、まだまだたくさんの選択肢があるはずです。
もっと社会の隙間に息のしやすい場所を創ろう。
社会の隙間を埋めるのではなく、もっと広げて、息のしやすい場所を創る。
そう考えて、「あわひ」を立ち上げました。
生き辛さを抱えている一人ひとりが、「うまく生きられない自分が悪いのではないか」と自分を責める必要がないように。たとえ自分自身を肯定できずとも、そんな自分なりになんとかやっている、その生き方は肯定できる社会を目指して。
お金の心配をせずに、人との繋がりの中で自分自身について考えられる環境を創ることで、間の働き方・生き方を生み出していくことを目指します。