しずかに
子どもたちが一緒に何時間も同じ教室で暮らしているのだから、トラブルはあって当たり前で
今日もそんな感じで20分間の休み時間に職員室脇の小部屋で生徒指導…
子どもたち同士のトラブルに関わる思いを順番に話し合わせてたのだけれど
ちょっと長引いてしまって、3時間目の教室に遅れてしまいそうだったから、
教室にインターホンで電話。
はーい、6年1組です!先生は今教室にいませんが、何かおことづてありましたら、僕がお伝えします!
って
すらすらと、ひーくんの元気で上手な受け応え。おお。
うーん、ありがと。わたしだよーって言ったら
なーんだ先生?なあに?って一気に甘え声。
あのね、ちょっとね、教室に行くの遅れちゃうのね。だからね、
ドリルやプリントで自習していてね、
みんななら静かにできるよねって、
そう先生が言ってたよって伝えてね…って
そう話したら
うん!わかりましたー。じゃ、黒板に書いとくね。
先生、頑張ってね。
って。何を頑張るのやら。ありがと。
で、話し合いさせて
みんな納得できたのかなって、うん、ってうなずいたとこで、ひとりずつ順番に教室に戻した。最後の一人には、正直に話してくれて、ありがと。君のことはずっと信頼してるよ、これからも。って言ったら、一気に、ちょっとだけ、涙ぐんだ。
最後に私が教室に戻った。
教室はしんとして、みんなせっせと自習してる。
でも、叱られたのかもしれない仲間に対してのなんとなく優しい空気がひろがっていた。
その静けさを破ってしまったのは
この私だった。だってふと黒板見たら…。
かにの絵だ。これ、兄弟だ。しかも、しずかに🦀🦀だって。
あはははってうっかり笑っちゃった。
やったあ、先生にウケた!
それね、オレが書いたん。
「やまなし」の兄弟だよ。アワも描いたよ。
いいでしょ?
と、嬉しそうなせーくん。
いやいや、もちろんしずカニ、もなかなかのヒットだけど
ねえ、この子たちの足!
なんかムカデかヤスデかってくらい多いんだけどね?
って言ったら一同大爆笑。
さっきまで指導受けててシュンとした顔だった子たちも思わずニヤニヤ。
えー、多い?少しくらい、いいじゃーん。大目に見てよー。
ってせーくんが口を尖らせたら、すかさず、
いや、大目じゃなくて多すぎだから!ってカイくんが。
またみんな大爆笑。
ああ、やれやれ。なんともこやつらな、この展開。
幸せなんだな、こういうのが。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?