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ホントは優しいヤツ

ヘアスタイルが私とおんなじ前髪長めの前下がりショート。
いつもTシャツの上からシックな色合いの軽いシャツをもう一枚ふわっと羽織ってる。顎が細くていかにも少女漫画風の…
男子。

で、
うるせえ!オレを怒らすんじゃねえ!
が、口癖。
カッコつけだよねー。あいつナルシーだよねー。なんて言われたり。そんなときはすぐさま
おい。さらっと悪口言ってんじゃねえぞ。
と低い声で返す。私もう耐えきれずに大爆笑。君のそのギャップが最高に好き。気が短いことがウリの、12才のイケメン男子だ。

きのう、隣の席の引っ込み思案な声の小さーい女の子が「ねぇ…」と何か話しかけたけれど、何しろ彼女、いつも声がちいさーい。かすんできえるようなこえで
「ねぇ、・・・・・・…………が・・・・・・・・…の…・・・・・・かな?」
「おい、声が小さすぎてなんにも聞こえねえよ。なんだよ」
びくっと引いた彼女に
「なんだよ、ちゃんと言え!」
と、ぐぐぐっと耳を近づけて「なに?」

後ろの席の子たち、その好対照にくすくすくすくす。
彼女一層ビビって、でもなんとか話し始めたけどくすくす笑いの方がはるかに大きいという音量で。すかさずヤツは振り返って
「おい!途中から聞こえなくなったじゃねえか!人の勇気踏みにじるな!」
…おお。

ホントは優しいヤツ。そんなとこ、かわいくてならない私。

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