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撮影テクニック 〜 ゴールネットや安全ネット、金網のぶち抜き方

おすすめの撮影条件

SNSで流れてくる写真を見ていると、練習場の安全ネットや金網、ゴールネットが映り込んでいるカットをよく見かける。もし気になっている方がいれば、以下の方法を試してみて欲しい

  • 広角レンズや標準レンズではなく、超望遠レンズの望遠端を使う

  • できる限り安全ネットに近づく(但し、安全性やルールを確認の上)

  • 絞り込まない(開放がおすすめ)

  • シングルポイントAFで選手だけにピントを合わせる

  • AFが合焦しなければMFで被写界深度を合わせる

作例 1 - 坪井清志郎

2024.7.6 ヴァンフォーレ甲府戦
坪井清志郎 選手

この作例は、ゴール裏からゴールネット越しに坪井選手を狙ったカット。①まずは焦点距離でしっかりリーチして、選手に寄ること。②次に絞り開放にすることで、被写界深度を選手に合わせること。③AFはシングルポイントで選手のみに合焦させること。この三つ。被写界深度が深いと(つまりF値が大きいと)、被写界深度に入るもの全てに焦点が当たるため、ネットが確実に映り込んでしまう。またゾーンAFだとネットに合焦する確率が高いため、こういう場合はシングルポイントでAFを被写体だけにガチピンを当ててやることが重要。甲府はゴールラインまでかなり距離があるので、ゴールネットが滲むようにうっすら映り込んでいるけど、前ボケとして処理して、被写体である坪井選手を浮き上がらせることができた

作例 2 - 髙田颯也

2024.6.1 大分トリニータ戦
髙田颯也 選手

この作例は、左サイドを駆け上がってきた髙田選手がゴールマウスに向かって単騎突っ込んでくるシーン。とても迫力のある瞬間だった。これも絞り開放で撮りながら、咄嗟にフォーカスポイントを引き上げて、顔から胸の辺りに合焦させた。そうすることで手間に位置するゴールネット、ゴールを守る相手GKを前ボケとして処理してやり、髙田選手の全身を浮かび上がらせることができた。ヴォルティスのビジターユニフォームは白色。コントラストの強い手前のGKにピントを持っていかれがち。なので、ここではAFワークで髙田選手だけを切り取った。しかし、あの瞬間、迷わず速攻でシュートを撃って欲しかったな。シャッター切りながら「撃て、颯也!」って叫んでしもうたもん

作成 3 - 中野桂太

2024.3.16 水戸ホーリーホック戦
中野桂太 選手

このカットは、ゴールネットや安全ネットをぶち抜いてはいないけど、AFワークの重要性を示すための作例として取り上げた。これも絞り開放で、シングルポイントAFを使った作品。絞りが深いと、手前の広告看板や相手DFが被写界深度に入ってしまう。またラージゾーンAFだと同様に立て看板や他の選手にピントが取られがち。このシーンでも、一点フォーカスを中野選手に当てて、後はAF-C (キヤノンだとAIサーボAF)でリリースの瞬間まで追従させてやることで、中野選手の表情を切り取った

作例 4 - 柿谷曜一朗

2023-8-17 徳島スポーツビレッジ
柿谷曜一朗 選手

これはTSVのAコートで、若手の居残り練習に最後まで付き合う柿谷選手を捉えたカット。曜ちゃんの目の前でシュート練習に勤しむ清志郎や桂太の嬉々とした表情が忘れられない。シュートが飛んで来ない方向から、できるだけ安全ネットに近づき、絞り開放で撮った一枚。安全ネットは全く映り込んでいない。ポイントは望遠端を使うことと被写界深度を選手に合わせること。あと、この日は土砂降りの雨だったので、できるだけ高速シャッターを切ることも必要だった

#スポーツ写真
#徳島ヴォルティス
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注意

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