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セレブサマー・エクスペリエンス! ~逆襲のドバイ~感想


【概要】

Fate/GrandOrder 2024年夏イベントとして始まった今回のイベント。
まず特筆するべきなのは、その期間の長さ。なんと8/14から10/2までの約50日にも及ぶ長期イベントとなっている。当然、ここまで長い期間のイベントになっているのには理由が存在する。
まずぶっちゃけるが、このイベントは前座である。実際ストーリー自体も例年より短めに設計されているようで、全13章である事実は変わらないもののどう考えても各章の文量が異常に少ない
詳細は後述するが、ストーリーの内容も非常に薄味であり、後半のとんでもない爆弾を先に知らされてなかったら暴動が起きてもおかしくないレベルで話が進んでないとすら言える。
更に言うと、このイベントのほぼすべての内容が後半の伏線になっておらず、なかったとしても後半のシナリオを数章足せば(そしてそれぐらいの余白は後半に存在していた)わざわざ夏イベントを潰す必要はなかったんじゃないか?と思ってしまう。後述する理由によってライターの手は空いていたはずだしな…

【シナリオ】

今回の舞台は中東の繁栄都市ドバイ。ハイそこ、砂嵐とか大佐とか言わない。あれは彼の幻想に過ぎないんだ

白リン弾は絶対に撃ってはいけない

気を取り直して舞台の話に戻ると、今回のイベントもまたBBプレゼンツ。「2030年のドバイを再現した」特異点を舞台に、会心の出来と豪語するアドベンチャーが幕を開ける…という触れ込みであった。まあ後述する理由があったとはいえ、結論から言うとそんなアドベンチャーは影も形もなかったわけなんだが

このシナリオを一言で纏めるならば「カルデアドバイ観光史(ビーストもいるよ)」。13章ほぼ全てにおいてドバイの地理や歴史を語りながらちょっとしたトラブルを解決していく…というものだった。登場人物も主要メンバー以外だと、1日目に出てきてからスタンプを押す為にショート出演するだけのカz…BBリリィとか、珍走団と化したカイニス&モーさんとか、金物屋のバイトの金時とか、砂漠で悪徳金融を裁くUDKとか、謎の水着ジムトレーナーさんとかの一発ゲストのオンパレード。

まあFGOのイベントなんてこんなレベルで良いと言えばいいんだけど、今回はちょっと話が変わっていて、それが上述した「(ビーストもいるよ)」。
朝目が覚めたら人類悪ビーストになっていたエレシュキガルを隠匿しつつ、ドバイ観光を楽しみながら解決方法を探っていく、という大きな流れがあるのだ。

ここが結構賛否両論なポイントで、そもそもビースト案件だったら夏観光なんかほっぽり出してカルデアの総力で掛からないといけない筈なんだが、それを一番理解している筈の主人公とマシュは何故か日和見をするという采配を下している。エレちゃんに敵対意思が無いからとは言うが、いきなり反転して人類皆殺しに走る危険性がないとは言えないだろう。(実際後半では…
イドの一件でマスターが精神的に疲れているから、というマシュの理屈はわかるが、じゃあ主人公は何で隠すんだ、って話になる。素直に打ち明けて助力を仰ぐべきで、エレちゃんは主人公が庇えばいきなり危害を加えられる事はない筈だからである。このモヤモヤは結局シナリオ中では原因が不明である事も相まって、プレイヤーに禍根を残す事になった。

【キャラクター】

  • 主人公
    前述のとおりイドの一件で目に見えて落ち込んでいるようで、ゴルドルフも完全なリフレッシュのつもりで彼を送り出したのだろう。実際はビースト案件だったんだけどね。ただ報告連絡相談はしろ。万が一エレちゃんが暴走したらどう責任とるつもりだったんだ。

  • マシュ
    主人公の事を理解しながら、主人公とはある種対立する動きをする決断ができたってのは個人的には超評価ポイント。今までのマシュだったら先輩先輩先輩で常に同一行動をしていただろうから。案外独り立ちの伏線だったりするのかね。マシュ単体で攻略する特異点案件とか楽しそうだけどやらないんだろうなぁ…

  • エレシュキガル
    今回のヒロイン枠。「朝、目が覚めると、エレシュキガルはビーストになっていた」。端的に言ってバカじゃないの?って話だが、元々ユニヴァース案件だったことを考えたらこれでもまだ脈絡がある方なのが悲しい。というか、何だろう。ビースト化も含め、なるべくしてヒロインになったって感じが強く見える。シナリオ作成のキモになっていたんだろうか…

  • バーソロミュー、カルナ、パーシヴァル
    男性水着枠
    まずバーソロミューは地味オブ地味な印象。いつものメカクレキチも相手が徐福だけだから暴走のしようがない。もしこのままドバイだけで終わってたら「コイツ何がしたかったんだ」枠間違いなし。
    カルナは盛りまくるパーシヴァルに若干嫌気が差してたり、ドゥリーヨダナ・アシュヴァッターマンと気の置けないやり取りをやっていたりと意外な一面が見えた印象。アルジュナもジナコもいなかったからこそ、って感じか。
    パーシヴァルはリップやXXオルタと同じ、ドバイの歴史を語る役。パーティの屋台骨の役割を果たしていた一方で意外な一面やはっちゃけたりする場面はほぼ皆無(※後編のアレは除く)円卓でもどっちかというとベディヴィエール陣営だったんだろうね。

  • 徐福、ニキチッチ
    ミニシナリオ枠
    というか徐福はミニシナリオが全てよ。友達を遊びに誘うだけでミニシナリオ一つになるなんて、パイセンレベルで恵まれているのでは。数少ないドバイシナリオの良かった点として数えられる。
    ニキチッチはお供のドラゴン君が意外に主君想いである事を思い知らされた。まあよく考えなくても騎馬枠で付いてきてるんだから一心同体レベルなんだけどね。そして結局性別問題は解決せず。TS説、夫婦融合説、妻の肉体使ってる夫説色々あるが…

  • XXオルタ、テノチティトラン、パッションリップ
    イレギュラー枠
    XXオルタは出てきたのはいいが何一つ出自が分からず、結局ヒロインXXがえっちゃんを見て泣いていた理由は不明のまま。まあ多分マーベルあるあるの死闘を繰り広げた果てに太陽に飲み込まれたとかそんなんだろうけど。お蔭でアイドル要素も欠片ぐらいしか残っていなかったような。ギターぐらい持て。
    テノチティトランは終始封印されていた宝具と第3再臨が不穏で仕方がない。第3は後編のCMで察せたものの、宝具はマジで不明だったため「水着ニトクリスみたいにメストリアバン再現宝具になるのでは?」なんて考察が出たりしていた。あとドバイの建物を見る度に「セクシー」やら「いやらしい」やら言うのをやめなさい。変態かねキミは
    パッションリップは水着イラストを貰えてよかったね。アルコの腕を破壊しない為か霊衣実装はされなかったけど。しかしよくリップのバストをまとめるブラがあったものだ…

  • その他のキャラクター
    主にドバイ・モールとオールド・ドバイに出てきた方々。金時は真面目に店番やってると見せかけて戦いが白熱すると値引きに応じてしまう辺りが実にバーサーカー。むしろ頭脳戦を仕掛ける事のできるドゥリーヨダナがおかしいとも言う。そしてアシュヴァッターマンですら霊基にダメージを負いそうな辛さのモノを「まだ甘い方」みたいに出してくるカレンはもう味覚が薄いとかそういうレベルではないと思う。
    砂漠エリアのバーゲストは自分が燃やしまくってた事を悔いているのか、消防の次は緑化に取り組んでいる。ただ彼女の罪業は大体オベロンの先代のヴォーティガーンのせいだから(せいぜいアドニスの件を忘却したことぐらい)、多分妖精騎士の中で一番理不尽な目にあってるのに一番真面目に業に向き合ってる悲しきお方。とりあえずメリュジーヌは彼女の爪の垢を煎じて飲め
    人の事を言えないゼノビアと久しぶりの出番のシバの女王。ゼノビアはまあいつものネタだから良しとして、女王は「アンタがいるせいで推定ゲーティアがカルデアに合流できないのでは???」って邪推するぐらいシナリオの足枷になっている気がする。だってせっかくの中東舞台なのにイスラエルの話全くしないし…

  • シエル
    ドバイでは完全にカメオ出演になっていた代行者兼月姫ヒロインその2。
    ホントマジで実装発表の時には「月姫コラボどうすんだよ」って言いたくなったけど、まあ裏側組とかノエル先生とかCVツダケンとか分からないのも無理もない包帯男とかいるから何とでもなるか。
    ところで第3再臨のスターシエルさんなんですが、結局まともな経緯の説明がないんですがそれは。往年の型月民が「フフッ、分からないだろう?俺達も知らない」って遠い目をしてたんできのこマジで反省しろ

  • 謎のジムトレーナー
    ドバイでは完全にカメオ出演になっていた月の王
    この段階では「マジでお前ら何をしに来た」って感想しか出てこないんだが、BB案件な上後編でヤバい事態になる事が確定していたため、まあバニッシュ役として来たんだろうな、って感覚だった。男女両方来たのは予想外だったけどな。

  • BBリリィ
    ドバイでは完全にカメオ出演に以下略。
    初見の感想は「お前絶対にカズラドロップやろ…」って言葉しか出てこなかった。そのせいで例のスタンプも虫空間招待チケットにしか見えなくてお前FoxTailに続いてこっちでもラスボスなんか…って思ってたんだが、どうもBBドバイとは別人な上、少し毛色が違うようで…??

  • BBドバイ
    ドバイにおけるフィクサー枠。
    どう考えても黒幕みたいな雰囲気なのにエレちゃんビースト化は知らないわBBリリィは別人だったわそのせいでカズラドロップ疑惑が晴れてしまうわ謎のオンパレード。考察するにも材料が極めて足りない為、我々余人は明らかにCCC時代より増量されてる胸部装甲について談義するしかない。良いモン食ってるんだなBBドバイは。でもドゥリーヨダナさんには謝るべきだと思うよ。元凶はpako先生だけど

【そして後半へ…】

エレちゃんビースト化の謎を探りつつ、BBドバイから与えられた幸せポイント獲得ミッションを進めていくカルデア一行。ビースト化の謎は分からず仕舞いだがポイントは貯まり、まあBBドバイをシバいて聞き取り調査しよう、となって一同はブルジュ・ハリファへと。
そこで待っていたのは無数のドバイ市民たち。フィナーレイベントを行いながらも市民たちは喝采をあげる。「人類の幸福は達成された」「最後のやり残しが終わった」と。
そのままカルデアに襲い掛かる市民たち。訳の分からないまま唯一の逃げ道であるブルジュ・ハリファのエレベーターに乗り込む一行。そこでパッションリップがある事に気づく。

――――なんと、今まで自分達がいたのは地球ではなく。
夏イベの舞台であるドバイは、月面に存在していたのであった。

衝撃的な結末で終わる「逆襲のドバイ」。
そして、物語は期間限定イベントから本編へと移り変わる。


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