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ダイブできるライブ。
__________誰かにとって息のしやすい場所。
「前列の人、
自分の身は自分で守ってくださいね!」
とある名古屋のバンド演奏が始まる前
mcのふたりが言った言葉。
初めて出会ったバンドの演奏。かつまだまだライブ初心者の私にとって不穏な、意味深な言葉だった。
右端最前列にいた私は、「え、それって…。」と頭を回しつつ、隣にいる友達の腕を掴む。
屈強な男スタッフがステージ下に並んだ。
・
・
・
次から次へと、飛んでくる、ひと。
ひと。ひと。ひと。ざっと20回は超えてる。
やばい、こわい。
腕を、強く、掴む。
「やばい、無法地帯だ。」
私が推してるバンドではいわゆる"ダイブ"を見たことはなかったので、今日もそのつもりで来たけれど、予想外にも無法地帯を目にした。
幸い私は最前列右端だったので、
私の上に人は飛んでこなかったけど
左側を見ながら、私は冷静になる。
ライブ会場の入り口には、
"ダイブ禁止"のポスター。
私が確かに、目にした文字。
__________誰かにとって息のしやすい場所。
無法地帯とは行ったけれど
ライブスタッフにとっては予想範囲内。
次から次へと飛んでくる人を抱き抱え、おろし、せっせかと、よっこらしょ。
少なくとも
大怪我をしている人を私は見ていない。
こうやって、
ダイブのあるライブの安全を守っているのか。
顔は死んでたけれど秩序があった。
・・・
ステージ上の3人は、
「おまえらかかってこーーーい!」と声を張る。
顔は生きていた。
驚くべきことにダイブをする人は十数人で、同じ人が何度もダイブしていた。
スタッフに抱き抱えられた彼ら彼女らは、すこぶる楽しそうに走って最後尾へ、そしてまた最前列へ。
これもまた、顔は生きていた。
__________誰かにとって息のしやすい場所。
私はダイブをしたいわけでも
たぶん
いまのところ
ダイブを楽しめる人ではないけれど
いろんなことが規制されていく世の中で
暴れる者が横目に見られる世の中で
ここは、
誰かにとって息のしやすい場所なんだろうな
と腑に落ちる。
深く、頷ける。
もし日本の全てがダイブできる環境だったならば
私はちょっぴり怖いですが、
日本のどこかのそんな場所があるおかげで、誰かが生きていけてるんじゃないか、生きていけるんじゃないかとは、思います。
__________誰かにとって息のしやすい場所。
名古屋で行われたライブとは
"ねぐせ。"4周年の記念ライブのこと。
ライブは12:00-21:00まで
ねぐせ。はトリとして20:00に登場し
12:00-20:00の間は
名古屋発の8バンドのライブがありました。
ちなみに人がバンバン飛んできたのは
makiというバンドです。ご興味のある方はぜひ。
以上、ご清聴ありがとうございました。
nae'avocado