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読まなきゃよかったと。

____『死にがいを求めて生きているの』

※ネタバレ含みます。

朝井リョウ著
『死にがいを求めて生きているの』

読まなきゃよかったと後悔する人が
いるだろうなぁと思う本です。

私はどんな事実も見解も、知って損はないと
思うタイプなので後悔はないですが、

読んでいて本当に苦しかったです。

苦しむってわかっているのにページを捲る自分の姿を俯瞰してみると、もはや苦しむために読んでいるとさえ思えるくらいに。

読んでいて苦しいのは
登場人物たちの中に"自分"を
発見できるからかなぁと思います。

本を読みながら、側から見て
「うわぁ…」と思っていること

を自分もしてるじゃんって気がつくからです。


あと、

「たとえばあの人がこれを読めば…」
「今この内容を突きつけられるのは酷だろうな…」

と想像できたし、

人によれば、
今までの自分の行動を振り返って
虚しくなったり
今まさに始めようと思っていたこと=行動が
できなくなってしまう

可能性があります。

____『死にがいを求めて生きているの』

私が印象的だったのは
物語の中心人物、雄介の生き方。

彼は
「生きがい」を求めていろんなことをします。

Aをしていたかと思えば
Bをし、それもうまくいかなくなればCをする


そして最後、何もなくなった彼は
「自衛隊に行きます」とメッセージを残す。

何かを成し遂げたくて
何者かになりたくて

誰かと比べながら、今「やってます!」って
言えることを探す。

そういう生き方が自分に被るところもあって
苦しい。

苦しいのは、きっと、
見ていて虚しくなるからで、そしてそれが
自分の望んでいるものではないからです。

あなたの行動活力って?
目的って?

と問われると、うまく答えられない。


Aをしていたかと思えば
Bをし、それもうまくいかなくなればCをする

それって、集団の中で
「〇〇はさ、今何やってるの?」
って質問が飛び交うからかなぁとも思います。

特に、一般的に「意識高いよね」と
言われがちな人たちの中で飛び交うイメージが
私にはあって、
実際、とある会社の食事会に行った時に
わたしも聞かれました

「〇〇さんは、何してるんですか?」

確かに、何かをしている人たちが集まりがちな場所ではあったし、相手の事を知ろうとしてした質問なのかもしれないけど、胸が苦しい。

「いやぁ、特に何もしてないですね」

呑気に、「大学生してます!」
「登山してます!(趣味)」とは言えなかった。

(とある後輩が、「そんなん、大学生してます!って言えばいいじゃないですか!」と言ってた。これも深く頷けて、本当感動したけど。)

ただ、腹を括って
「いやぁ、特に何もしてないですね。」

と答えた私は、
その集団の常識に物申す意識を
メラメラさせていました。

だって、その「何かしているのが当たり前」に
苛まれて苦しんでいる人が、身近にいたから。

__ii/

「何か」をしている人たちに
「何してるの?」と問われる。

何かをしていることが当たり前で
何もしていないなんて答えられない。

だから、

Aをしていたかと思えば
Bをし、それがうまくいかなくなればCをする

そんな人が、
____『死にがいを求めて生きているの』
に出会ったとすれば。


あの人が・・・


わたしはほんと、怖いです。

以上、ご清聴ありがとうございました。
nae'avocado





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