
Photo by
marutomo20
なかみのあるどくしょ
友人の影響で本を読むようになってから、
少しずつ読みたい本が増えていった。
そうして起こることは、
自分の読むスピードや量よりも、
読もうと思っている本がどんどん増えるということだ。
できるだけ効率よく、早く読みたくなってくる。
フォトリーディング、視線移動改善、脳内音読禁止など、
いろんなテクニックがあることを知る。
実のある読書の仕方とは?
「本を読むための本」が棚に並び始める。
そのうち受け入れるようになる。
すべてを暗記・理解するような読書術は、
天才以外にマネをすることができない、と。
あきらめの境地に到達すると、「積ん読」がさらに増える。
毎週のように本屋へ行っては2・3冊買ってきては、
乱雑に積み上げられていく。
週に1冊読むスピードでは、
このミルフィーユだかバームクーヘンだかは折り重なる一方だ。
内容の薄い部分をいかに読み飛ばし、
「今の自分になじむこと」を見つけるかというところに、
速読の「効率性の目的」があるのではないか。
そう思いながら、
読書量が100冊,200冊を超えてくると、
手元に置いて何度でも読みたい本が見つかる。
そして、速読がそんなに意味のないことを知る。
読み直すたびに発見がある「自分だけの名著」。
油絵具のように、知識を塗り重ねるプロセスこそが、
読書が人生に大きな影響を与えるのだと学ぶ。
その1冊から何の発見と思索を読書から得られたかという、
量では表せない性質と実感が、読書の醍醐味なのではないだろうか。
知った。解った。考えた。そして、動いて自分は変わった。
読書はこれを起こすためにあるのかもと、
また読みきれない本を積み上げる。
いいなと思ったら応援しよう!
