加藤修平 (NOT WONK / SADFRANK) #AVMS 応援メッセージに寄せて From 後藤正文

加藤修平 (NOT WONK / SADFRANK)

鳴りの中に、その時の気温や湿度、重ねた会話、迷いや決断、経てきた全ての時間が亡霊の様に漂っていて、それが全部勝手に写り込む。失敗も成功もなくて、それ自体がただ美しくて、プレイバックにはもう二度と会えない友達との2ショットみたいな手触りがある。この時間を記録できてよかったと感じる。いい録音ってそんなイメージ。だけどそんな時間を作ることは、音楽家にとっては難しいことで、いくら願っても、汗を流しても叶わないこともある。 「Music Inn Fujieda」は、きっとそんな時間を作る手助けをする。音楽と共に立ち寄ったら、立ち止まらせてくれる。後藤さんが作ろうとしているこの交点をサポートできること、心から光栄に思います。大応援！！

　加藤君、応援コメントありがとう。

「失敗も成功もない」というのは僕も同感です。録音って、それまでの想いの積み重ねというか、人生そのものが記録されている。だから僕は、友人たちが仕事や家族との時間の合間に、なんとか音楽を鳴らす時間を捻り出して、それを持ち寄って編み上げたような音楽が作品になる瞬間に立ち合うと、泣きたいような気持ちになります。他の誰かにとっては取るに足らない音楽だとしても、誰にも貶められる謂れのない、掛け替えのないものだと思います。

　みんなが誇らしい気持ちで、そうした瞬間を迎えられるようなスタジオにしたいです。加藤君が言うように、それは簡単なことではないですけれど。

　苫小牧での加藤君の活動にはいつも励まされています。加藤君の隣に、自分らしく胸を張って立てるように生きることが、僕の指針でもあります。

後藤正文