ラブリーサマーちゃん (ピチピチロックギャル) #AVMS 応援メッセージに寄せて From 後藤正文

ラブリーサマーちゃん (ピチピチロックギャル)

今まで、APPLE VINEGAR Music Awardでの賞金や、他奨学金など、金銭的に援助して頂く機会に恵まれました。それらが無ければ、制作に集中して作品を作ることはできなかったと思います。 予算的な制約の中で制作を続けるのはとても苦しいことです。正直に言うと、自分は、制作の中で失敗すること、それによって追加で費用がかかることを極端に恐れています。10年間ずっと恐れています。「自由に失敗でき、何度でもチャレンジできる場所」と聞いて、そんな夢のような場所があれば、どんなに多くのミュージシャンの心の安寧が保たれるだろう、そしてその中でのびのびと制作された作品はどんな音がするのだろうと楽しみでなりません。後藤さん頑張れ！！！そしてありがとうございます！！！みんなで夢のような場所を作りましょう！！！

　ラブサマちゃん、応援コメントありがとうございます。

　録音作品自体の権利（原盤権）はレコード会社が持つのに、彼らの出費がかさむことを自分の責任のように感じてしまうのはどうしてなんでしょうね。僕にも同じような経験があります。体調不良でスタジオをキャンセルするとき、アンサンブルが上手くハマらずに録音が翌日に持ち越されるとき、何とも言えない負債感に苛まれます。自費で取り組む人ならば、そうした心情と共に、金銭的な負担が実際に発生しますよね。お金と芸術の間にはいくつかの呪いのような思念が転がっていて、僕もラブサマちゃんも、きっと多くの人たちが精神をいくらか削られている。

　そういう呪いを完全に解くとまではいかないかもしれませんが、みんなで考えたり、支え合ったり、話し合ったりしながら、いくらか肩の荷物を下ろして、創作に向き合える場所にするべく頑張りますね。

後藤正文