山中アツシ (デザイン) #AVMS 応援メッセージに寄せて From 後藤正文

山中アツシ (デザイン)

音楽とは瞬間芸術である。 人に届く速度が早く、刹那的な表現である反面、人の記憶や一生涯をも超え、残り続ける事が出来る。 そんな楽曲が産み出されるまでの時間や道のりは、途方も無く長く険しい。 生産性だの、効率性だの、収益性を嘆く事が多くなったこの時代、若者が恋焦がれた東京には、今はもうこのような取り組みはほぼ存在しないと言っても過言では無い。 この場所が先々の救いになる事を想像します。 未来を生きる若者たちよ、先輩方に大いに甘えさせてもらいましょう。

　アツシ君、応援コメントありがとう。

　確かに生産性や効率性、収益性のことを考えると、音楽はおろかあらゆる芸術から離れてしまうように感じます。芸術や表現だけでなく、僕らが普段から持ってるはずの優しさや柔らかさも、そうした言葉や考え方に迫られるとカチコチに固まってしまいますよね。どこかの店頭で、食堂のテーブルで、券売機の前で、誰も彼も猛スピードでイライラしている。もう少しゆっくり人生を噛み締めたい、そんなことをよく思うようになりました。

　東京は、ローカルな「東京」にこそ魅力がありますよね。国際的な大都市、新自由主義の見本市としての東京のなかにも、小さなコミュニティが無数に存在しています。地方にも素敵な場所がたくさんあって、同じような気持ちで、柔らかさを取り戻そうとしていると感じます。そうしたコミュニティが、地域を越えて連なる瞬間を夢見ています。

　未来の人たちから見たら、アツシ君も立派な「先輩方」ですね。また一緒に面白いことを考えたいです。協力してください！

後藤正文