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皆さまこんにちは!
ミスター600mm!!
すっかり手持ちで600mmを撮らなくなった航空写真家の深澤明です。
それこそ昔、ご縁あって2度ほどお会いした故柴田三雄氏に教えられたんですよね。
「絶対に三脚につけて撮れよ!」
例えシャッタースピード1/1000秒でも超望遠ではブレるからと。
嗚呼、それなのに。その後10年以上に渡って手持ちによって600mmレンズを振り回していたワタクシ。
いまでも全然できますし、そう簡単にはぶれませんが、やはり三脚をつけていた方が安定します、当たり前ですが。
ただし、ほぼ真上にレンズを向けたり、超至近距離から離陸ショットを狙う場合や戦闘機の速い動きに対応する時などは、手持ちに限ります。
動きの自由度が変わります。何の動きか。
それは、体です。
三脚を使用した時と手持ちでの撮影の大きな違いは何かといえば、軸の位置の違いです。
手持ちは自分自身の体のどこかの部分を軸にすることができます。その分レンズの振り幅は大きくなりますが、動きを追随しやすいイメージです。
一方三脚はあくまでも三脚の中心部分が軸になりますので、その軸に自分の体の動きを合わせていかねばなりません。
これが、撮影対象ゾーンが狭ければ問題ないのですが、上下左右に大きくゾーンを捉えてばならない場合、やや動きに無理が出てきたり、被写体の動きを追いきれなかったりする事案が発生します。
もちろん、三脚の使用はシャッタースピードの速さにも依存する部分なので、昼間は特に問題ないのかもしれませんが、薄暮時や夜間などでは露出条件が悪いため、三脚を頼る必要もありましょう。
さて、表情とタイトルをつけましたが、例えば伊丹空港らしさ、羽田空港らしさ、福岡空港らしさをどう表現するかという問いがあった場合に、単純解としては広角レンズで背景を入れて、となるでしょう。
単純解とはネガティブな意味ではなく、本来のあるべき姿です。
理想的ともいえます。
ところが深澤みたいなちょっと変わった航空写真家は、「例え機首部アップでもその空港やこの周辺の地形が織りなす光によってヒコーキの表情が違う」などと解釈している訳です。
そうでなければ600mmを多用しません。
何も遠くのものを大きく撮りたいから、だけではないのです。600mmを利用している理由は。
これは、青木勝さんとも共通認識となっており、嬉しい限りです。
ヒコーキの表情を追い求めて、これからも撮影人生が積み重ねられていきます。