もらいもんで生きてます。
みなさま、こんにちは。48にして離島へ嫁いだわたくし、じじょうくみこでございます。将来の夢は、ちいちゃいおばあちゃんです。毎年1センチ縮まないと間に合わなくなってきました。
さて、嫁入りしてはじめての夏を迎えたわたくしですが、姪っ子の女子高生イカピーが結婚後初のシマ島ゲストとして来島。「10代のエネルギーってすげえ、暴走しすぎてついてけねえ!」と思った1週間でございました。
滞在7日中5日も海で泳ぐという人生初の偉業を成し遂げ、48にして真っ黒に日焼けして秋以降のシミシワが恐ろしい今日この頃です(泣)
そんなことはおいといて、今日は島のごはんについてのお話。
「島に住んだら、おいしい魚がいっぱい食べられるわねえ」
とよく言われます。
確かに魚はとれるのですが、いい魚は全てほんどの市場に持っていかれるので、地元の魚はほとんど島内に出回りません。
並んでいるのは浅黒くなったマグロ刺身とか、武器かと思うほどカチンコチンの冷凍ほっけとか。モーリタニア産など、なじみのない地名の魚も多いです。先日は「あっ、安い魚がある!」と思ったら三陸産の解凍サンマでした。
おまけに全てがバカ高い! 1パック237円の卵をどうしても買う勇気が出なくて、「200円切るまで待ってたら、一生卵は食べられないよ」とダンナハンのザビ男に諭される始末。ああ、離島料金。
ただし。
物々交換が基本の島では、誰かに会うたび必ず「これ持ってけ」と釣った魚を持たされます。外出して家に買えると、玄関にとれたての野菜が置いてあります。缶詰やらフルーツやらお土産やら、どこからどこへ流れているのかさっぱりわかりませんが、なんかかんか回ってきます。
というわけで…
ある日のザビ家の食卓。写真がきたなくてすいません。。
もらったムツで甘めの煮付け。
もらったシメサバをそのまま。
もらったインゲンで胡麻和え。
もらった芋とコーンときゅうりと玉ねぎとトマトでポテサラ。
もらった野菜天ぷらをレンチン。
もらった米をもらった炊飯器で炊き、
もらったお皿にたらふく盛って
もらった淡麗で乾杯。
スーパーはバカ高い離島ですが、島民サンキュー、今日も0円食堂。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*この記事はウェブマガジン「どうする?over40」で2015年に掲載した連載の内容を一部アレンジして再掲載したものです。