モダントラッドなコーデュロイ
こんにちは。池本です。
もうすぐ1週間経つけど更新が無いな。
なんだ池本、結局口だけか。
そう思われた方々も
いらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。
やると決めたらやる男。
しかし、やると決めるまで激烈に時間がかかる男。池本です。
まだ2週目なのにこの仰々しさ。
既に心は折れてます。笑
さて今回は早速ご紹介していきます。
前置きが長いというご意見をいただきましたので…
知ってましたけどね…
気を取り直しまして今回ご紹介するのはこちら。AURALEE / FINX CORDUROY SHIRT
アメトラな雰囲気が滲み出るトラッドなコーデュロイシャツジャケット。
ルックなどでは使用されていなかったので、このアイテムの存在を知っている方は少ないかもしれません。
しかし、これは個人的に隠れた名作だと思っています。
1インチ幅に畝が16~17本の極細まではいかない細コール。
名前にシャツとついているだけあって細かく品のある畝。
素材にはフィンクスコットンを使用。
鈍く美しい光沢に加え、打ち込みが強いコーデュロイでハリ感もあるいんだけどトロっとした質感もある。
コーデュロイの王様と呼ばれるイングランドの「ブリスベンモス」にも劣らない出来だと個人的に思います。
前後で着丈の差が無く、
スリットも無い完全なボックスカット。
身幅は広めに取ってあり、ハリのある素材感も相まってアウターのようなシルエットを出してくれる。
袖は3タックでガントレットボタンは無し。
袖幅はシャツの範疇だけどややゆとりがある。
そして最も惹かれたのは襟の仕様。
見てくださいこの襟。この開き具合。
パッと見た時はホリゾンタルカラーなのかなと思ったんですが、よく見ると実はイタリアンカラー。
台襟のない一枚仕立ての襟。
ワンピースカラーとも呼ばれます。
ちなみに襟裏に見えているのはカラーキーパーです。
こうしてみると接ぎが無く、
襟が1枚で仕立てられているのが分かります。
どこかで見たぞこの仕様。と、思われる方もいらっしゃるはず。
そう、定番のWASHED FINX TWILL BIG SHIRTで使われているあの仕様。
しかし、実際は完全に同じではなくアップグレードされている。
比較で撮影しようとした4年着てるTWILL SHIRTを忘れたので、ここは店頭でご説明します。笑
TWILL SHIRTの方は台襟がないのは同じなんですが、本来であれば台襟が来る部分にボタンを配置しています。
一方、このコーデュロイに関してはそこから更に下げた部分にボタンを配置。
つまり本来台襟がある部分にはボタンを付けていないんです。
そうすることによって襟の開く角度がより大きくなり、それに比例して襟のボリュームも増します。
結果、コーデュロイのようなカジュアルな素材にも関わらずエレガントな佇まいになっている。
ホリゾンタルカラーとイタリアンカラーを融合させたような襟。
イタリア南部のリゾート地で、素肌にイタリアンカラーのシャツを着る伊達男のような色気が漂う。
でも素材はアメカジ、アメトラの雰囲気が強いコーデュロイ。
このバランス感が最高に絶妙なんですよ。
良い意味で一種の何コレ感というか、違和感というか。
僕の中のコーデュロイのイメージってこういう感じでした。
ちょうど今回展開されている2色そのままなんですが。
KHAKI BEIGEは「リプリー」のマットデイモン。
RED BROWNは「アニー・ホール」のウディアレン。
ちなみにリプリーに出てくるジュードロウのリゾートスタイルのファッションが今見ると本当にカッコいい。
左です。
仕立ての良いシャツなりジャケットなりを雑に羽織って、スラックスをロールアップして素足にローファー。
着崩しの教科書と言っても過言ではない程にカッコいい。
この夏は真似したいと思ってます。
似合うかな。笑
設定上50年代と70年代で少し差はあるが、
どちらもトラディショナルで少しいなたい雰囲気がある。
ツイードやコーデュロイのジャケットに2タックのチノパン、ローファー。
ボタンダウンシャツ、ニットポロ。
現代で復活の兆しを見せているアイビーやプレッピーを考えると、こういった着こなしはむしろ今やってみたい、新鮮だという確かな流れがある。
あとは当時そのままは無理ですがヒッピーとか。
僕もどちらかというとこっち側です。
この春はチノパンにジャケットを合わせると決めてます。
しかし、年齢や好みによってはその通りのままだと流石にやってる感が強すぎるというのも、もちろんあると思います。
そこは流石のAURALEE。
そういったアイテムをモダンに着れるように、
今の空気感を含んだ着こなしが出来るように昇華させるのが抜群に上手い。
カジュアルとドレス。
フォーマルとインフォーマル。
その中間を取りつつもエレガントに寄せることが出来る。
スラックスを合わせるとシュッとして、フォーマルな印象に。
要するにトラッドな着こなしが好きな方、そうでない方。
どちらの方でも手に取れる。
この究極のバランス感が個人的に思うAURALEE最大の魅力。
ここを取れるセンスですよ。
シーズンの狭間で合わせるチノパンなどがなく、ブラウンに合わせるために私物を持ってこようとしていたのに靴もボトムスも全部忘れました。笑
ただ合わせてみるとベージュのチノパンじゃなくても全然相性が良かった。
時間的に撮影できませんでしたがデニムはどちらの色にもマッチするでしょう。
インナーで挿し色にも。
コーデュロイは丈夫な素材のため、昔は工場の労働者がきていたという歴史もあります。
そういった背景から野暮ったい印象の素材として思われがちですが、非常に魅力的な生地だと思います。
頑丈な割になめらかで気持ちの良い肌触り。
畝の本数によって千差万別に変化する表情。
生地同士が擦れてなる独特の音。
生地表面をなぞると繰り返される畝のリズム。
加工によってはシーズンレスに着用も可能。
かつては貧乏人のためのベルベットとも揶揄されたコーデュロイ。
今、目の前にあるこのシャツからは全くそれを感じない。
エレガントさを兼ね備えた、まさしくモダントラッドと言えるアイテムだと思います。
お気づきかもしれませんが、池本はRED BROWN推しです。
しっかり買いました。
既に好評いただいており、書かなくても十分皆様に伝わったんじゃないかと薄々感じながらの更新となりました。
ここまで書いたからにはもう引き下がれないとこまで来ていたので。笑
週末は我慢できずに着ている僕がお待ちしております。
是非お試しください。
池本
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