女王のシャツ
ご挨拶が遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。
池本です。
昨年も皆様に支えられ、充実した1年間を過ごすことが出来ました。
改めて感謝申し上げますとともに、より一層精進して参りますので本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末のインスタライブで、来年は週一でブログを更新すると。
出来なかったからぶん殴ってくださいと宣言してしまいましたので、ここから有言実行していきたいと思います。
2ヶ月以内にボコボコになりそうです。
半端じゃなく寒いが続いていますが、皆様体調はいかがでしょうか。
池本に至っては元気ですが、最近は毎朝淹れていたコーヒーもサボり出勤ギリギリまでベッドから出れない日々が続いています。
冬は好きですが朝だけはどうにも。
ここまで寒い日が続くと春が待ち遠しいですね。
しかし、大寒波などどこ吹く風で、店内には春物が続々と入荷中。
来たる春に向けて着実に準備が進んでいます。
そんな中今回ご紹介するのはMAATEE&SONS。
昨シーズンから展開を始めていますが、22AWは基本的に倉敷のsuikazuraでのみ展開していました。
それを今シーズン、23SSからはAveliaでも本格的に展開いたします。
そんなMAATEEから今回入荷があったのはシャツ。
シャツかよ。今すぐ着れないじゃん。早いよ。
そう思われるかもしれません。
実際早い。笑
ただ、気持ちはもう春物へ完全に向いている。
岡山だったら後1カ月もしないうちに春を感じる日も出てくると思います。
もう、春はすぐそこなんだ。いいじゃないか。
と言い聞かせて春物を楽しみましょう。
いつも前置きが長い。
今回ご紹介するのはこちら。
MAATEE&SONS ELIZABETH REGULAR COLLAR SHIRT
ブランド的には定番的な位置づけだと思いますが、僕らのお店ではこれからです。是非とも試していただきたい。
早速ディテールから見ていきましょう。
ドロップせずに中にしまい込んだ肩幅。ジャストなフィット感。
肩幅はジャストにしつつも身幅を広めに取り、裾に向かって広がるような仕様。
着丈は長く設定し、シャツインを想定し前立ての下部分はグリカンで補強。
後ろ身頃はセンターボックス。スプリットヨーク、ヨーク自体は狭めでドレッシー。
袖口は5タックでゆとりのある袖幅。
カフスのボタン位置が若干低いのが珍しい。まくった時に違いが出るのだろうか。
運針は20〜21ぐらいで相当細かい。
襟のコバステッチは1mm幅。ここも恐ろしく細かい。
近くで見ると細かいピンチェックになっているのが分かります。
掛け合わせたもう1色の糸が真っ白ではなく、アッシュがかったグレーを混ぜたような色で少しぼやけたような風合いに。
身頃の縫い合わせにはガゼットも。
ところで何故エリザベスと呼ぶのか。
エリザベスと言えばまず思い浮かぶのは何でしょうか。
銀魂が浮かんだ方は気が合います。正直に言ってください。
エリザベスと言えばイングランドの女王。
去年逝去されたエリザベス2世と、大英帝国の地盤を築いたエリザベス1世がいますね。
そもそもこのシャツ「エリザベス」のスタートは、シーアイランドコットンを使用したらしい。
シーアイランドコットンは大航海時代にヴァスコ・ダ・ガマによってインド航路が発見された後、英国王室御用達になったというのは有名ですが、どうやら最初に惚れ込んだのが時の女王エリザベス1世らしく、ここから取ってるんじゃないかと。
実は高校までは世界史の先生になるのが将来の目標だったので、世界史は大好きでした。
大学も2回生から西洋史を専攻できる学部に行きました。結局違う専攻を選びましたが。
何度教科書や資料集を読み返しても飽きないぐらい没頭していましたが、10年近く経つと忘れているものですね。
どうでもいい僕の話はさておき、本当にそうなのか分かりませんし、そもそも今回のシャツがシーアイランドコットンかどうか分かってないんですけどね。笑
まあそんなことはどうだってよくて、重要なのはこのシャツがカッコいいこと。それ以上でもそれ以下でもないんです。
じゃあ今までの話は何だったんだとなりますよね。
尺稼ぎです。
全体的にクラシックなディテール。
しかし、肩幅は詰めながらも身幅や袖幅にゆとりを持たせたサイジングで、肩の力を抜いてサラッと着れる。
パッと見はドレスなのに着ている人にはそんな感覚を与えない。
僕がまず色味から入るという事もありますが、やっぱり色味に惹かれます。
結構悩みましたが僕はグリーンをオーダー。
秋冬に同じコットンシルクのOCHER ECRUを買ったんですけど、それがメチャクチャ良くて春らしいカラーも欲しくなって今回はグリーン。
このコットンシルクの素材感が素晴らしい。
トロっとして柔らかくも少しハリがあり、非常に美しい光沢がある。
恐らくシルクに関してはセリシンを溶かしきらず、ハリ感と光沢を絶妙なバランスに調整した物を使っているんじゃないかと。
カチッとした真面目な雰囲気に加えて刷毛目のようなピンチェックでもいなたくならずに、品の良さも漂ういい塩梅になっているのはこの影響も大きいと思います。
肌触りも最高に気持ちいい。
サラッとしていて肌馴染みが良く、フワッとして軽やか。
実際に袖を通すと実感していただけると思いますが、これは春夏に最高のやつです。
シーアイランドじゃないかもしれないけど、時の女王が惚れ込んだのも納得がいく。
何故かエリザベスよりも上から物申してますが、僕は既に惚れ込んでいます。
ジャケットのインナーにする時はアイロン当ててパリッとさせて、春先から一枚で着るようになったら袖をまくって少しシワ感を出して。
ドレッシーなシャツにあえてシワを入れて着るのが結構好きなんですよね。
春先に入荷予定の俺チノと合わせるのも間違いないでしょう。
チノパンと合わせるなら革靴履いて綺麗に着るのも良さそうです。
夏にはショーツとかね。今年は特に穿きたいですよね。
ところでエリザベス1世は「処女王」として広く知れ渡っています。
生涯独身を貫き、"私は国と結婚した"というあの有名な言葉。
その女王の名を冠すシャツですよ。
願わくばこのシャツの生涯は皆様で完結させてあげてください。
添い遂げてください。この女王のシャツと。
彼女が生涯独身を貫いたように。
その名に相応しい確かなクオリティを実感していただけると思います。
また、当時「太陽の沈まぬ国」と言われたスペインの無敵艦隊に勝利し、覇権国家としての礎を築いたように、きっと僕らのワードローブにも繁栄をもたらしてくれます。
毎回話が壮大かつ脱線しまくりで申し訳ないですが、是非とも店頭でお試しください。
池本
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