§イタリア・Siciliaへ 5:ローマ 最初の宿泊ホテル
移動の為に手配したホテルだった為、ただ眠ることが目的で全く期待はなかった。おそらくそのことも影響して印象が基本的に悪くなることはなかったのかもしれない。
ヨーロッパの石畳でスーツケースを引いての移動は体力を要する為、タクシー利用を考えない移動の場合は徒歩10分内程度で駅からホテルへの到着が唯一の条件だった。
期待していなかったとはいえ、ハワイでのキングサイズベッドに慣れると此処でのベッドの狭さに最初は顔を見合わせて笑うしかなかった。更に、加えると二人のスーツケースを置く場所もパズルの様相。
映画に出てきそうなクラシカルなエレベータでも分かるように、メンテナンスを必要とするホテルではあるが、それは裏を返すと館内は落ち着いた雰囲気があった。
スーツケースを部屋まで運んでくださった方が、日本人男性は絶対!云わないような褒めの言葉を私に投げてくださって「此処はイタリアだわ」と痛感したところからこのホテルでの短い二泊滞在が始まる。
それにしても、イタリア男性が女性を褒めることは、日本人が挨拶の中でその日の天候に触れるような特に意味がない常套句のようなものなのね、と承知していても云われた私のほうが恥ずかしくなるなんて経験してみなくては分からない。
派手なホテルではなかったが、私たちの拙い英語での要望にもスタッフの方々が機敏に動いてくださった。利便性とスタッフの対応、少なくとも私たちは好印象を受ける。彼らの対応を見ていると日本でいうところのホスピタリティが、まだ、借り物であることがよく分かる。
食器は全てジノリ。朝食内容は基本的なヨーロッパのホテルで提供される、種類が充実しているハム・チーズ類、大好きなマッシュルームソテーとキッシュ、トマトはフレッシュとベークドの二種。ベークドトマトに出会うと日本のホテルではないことを実感する。卵は数種類の調理法と至って一般的で特別なメニューを此処では見なかったが、スタッフのサーブも適切で静かな朝食をいただくことができた。いや、4つ星ではないホテルでもこじんまりとしたホテルで満足なひと時が過ごせたことに感謝。