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日本の東西南北制覇を目指して:波照間島へ④雨模様と日本最南端の消印
残念ながら滞在三日目は朝から雨模様で外出は望めなかった。
元々、今回初めての波照間訪問はスキューバダイビングやシュノーケリングといったアクティビティな目的ではなくシンプルに日本最南端地へ行くことだった為に前日目的も叶い降り続く雨にそれほど大きな落胆はなかった。
只、昨日から風が強かったことやこの天候が明日の出航に障らなければと閉じ込められた場所で考えはした。
日本最南端地から母をはじめ家族へ記念の消印を送ることは波照間の地を踏む前から予定していた。けれども、そもそも大きな観光地ではない此処では絵葉書の選択肢も他と同様に絶望的にない。
絵葉書購入を諦めて官製はがきで送ろうと郵便局を訪れた。
局員の方から「スタンプを用意していますからオリジナルを作ってみませんか」と提案され、何色か用意されたスタンプ台と年賀状よろしく消しゴムハンコの組み合わせで裏面を作成。
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日本最南端の文字は必須、後は波照間で見られる南十字星と同じく波照間の至る所で出会った山羊のスタンプを択ぶ。
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風は相変わらず強いが15時頃には雨は止みそうな気配の中、家族や友人に葉書を書くことでお昼寝のパートナーとは対照的な時間を過ごす。
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15時過ぎ、明日は波照間を離れることもあって途中雨に合うことも覚悟で西表島が見える北部に位置する下田原城跡へ島中心部から徒歩で出かけた。
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あまり整備されているとは言い難い城跡だが、足場の悪い所を用心しながら(雨が上がったばかりでかなり滑って大変だった)上るとその風景は此処に城を構えることを時代が変わっても教えてくれる。
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地形を利用した標高25mの丘陵上に位置している下田原城跡は関連知識も案内板もなければ素通りしそうな様相ではある。
それでも、亜熱帯植物に居住権を奪われながらも城跡をよく見ると琉球石灰岩の野積みの石塁が確認できる。
この小さな島で、13世紀から15世紀の群雄割拠時代に琉球王朝とは異なって先島諸島と呼ばれた島々で勢力争いをしていたことが絵巻物のようなロマンに感じられた。