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「ノック・ノック」

原題:Knock Knock
監督:イーライ・ロス
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2015年 99min
キャスト:キアヌ・リーブス、ロレンツァ・イッツォ、アナ・デ・アルマス

 いつものように事前に情報には「自らは触れないように」の範囲内で「観終えてから後を引く」から覚悟が要る、と家族から助言はあった。予告でも想像出来る、また、「メイクアップ 狂気の3P(原題:Death Game)」のリメイクであることからも清々しい映画とは対極であることは想像に難くない。
 性別には関係なく女性が観ても少なくとも私は感情移入のカケラも生じなかった、只、只、呆れるばかり。映画と云うそもそも作り話の世界であってもアメリカで夜中1時の訪問者を家の中に入れることで全て終わった感があった。
 ホラーでありサイコスリラーであるだろうが、それよりも彼女ら二人が常軌を逸して加速するほどにブラックジョークと呼ぶ方がふさわしくないか。最後に彼女らはエヴァンへの振る舞いを自己弁護していたが監督の意図としてもこれは弁護でなく社会通念確認作業だろう。最後の最後、帰宅した家族が荒れた家を見て言葉を失くした中、息子の一言が胸をすく。やはりブラックジョークなのだ。それにしても隠し味のSNSは冗談抜きに怖い。
 誰にこの映画を薦めるか。ストレートに話を受け止めずに婉曲を理解出来る人、が先ず条件。キアヌについては最近の二作と比較すると華々しい画になる部分はほぼ無いが「キアヌらしくない」映画ではあったことは確か、別の彼の演技を観たい人にはお薦めかもしれない。あれほど感情を出し、禁止用語を叫ぶ彼をこれまで観たことはなかった、と後から気が付く。
★★☆

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